美と愛の女神の伝説発祥の地!キプロスの世界遺産パフォスのご紹介

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美と愛の女神の伝説発祥の地!キプロスの世界遺産パフォスのご紹介

キプロスは、トルコ(アナトリア半島)の南に浮かぶ島国です。地中海のEU加盟国ではありますが、地理的にはむしろ中東地域に近く、キプロス島の北半分はトルコが支援する北キプロス共和国によって実効支配されています。

古来ギリシャやローマとの関係が深く、パフォスをはじめ多くの遺跡が観光スポットとなっています。またユーロを導入しているので、ヨーロッパ人の南国リゾートとしても人気です。

パフォスは今もキプロスの主要都市の1つですが、世界遺産のパフォス遺跡は現在のパフォス市の近郊に位置しています。とくに、古代から中世までの遺跡が集まっているカト・パフォス地区のパフォス考古学公園は、野外博物館として観光客にも見やすく整備されています。

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美と愛の女神の伝説発祥の地!キプロスの世界遺産パフォスのご紹介

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パフォスとは?

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都市としてのパフォスは、紀元前12世紀にミケーネ人がこの地に神殿を立てたことに始まるとされています。ギリシャ神話では美と愛の女神アプロディーテー(英語のヴィーナス)がパフォスに生まれ立ったとされたことから、多くの人々が集まるようになりました。

都市国家として発展したパフォスですが、紀元前3世紀の王ニコクレスは、10数km離れた海辺の半島に街を移しました。新しい街を新パフォス(ネアパフォス)、それまでの街を旧パフォス(パレオパフォス)と呼びます。新パフォスは、ローマ時代までキプロス島の首都でした。

ローマ帝国が東西に分裂して以降は、ニコシアやラルナカの方が重要視されるようになり、パフォスはかつての繁栄を失いました。そのため、多くのローマ時代までの遺跡が良好に残り、1980年という早い段階で世界遺産に登録されています。

パフォスへのアクセス

リゾート観光都市としてキプロス政府が開発に力を入れているパフォスには、パフォス国際空港があります。日本からの直行便はなく、ハイシーズンのみの季節運航の便が半分ぐらいを占めていますが、ヨーロッパからは比較的容易にアクセスできます。

日本からは、モスクワやアテネを経由するルートなどが考えられます。また、もう1つの国際空港のあるラルナカから、パフォスまでは都市間バスが運行されています。新パフォスはパフォス市街に隣接していますが、旧パフォス地域はやや離れています。こちらも観光したいという場合は、市内のツアーに申し込むのが確実ですよ。

パフォスおすすめポイント①:パフォス考古学公園

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現在のパフォス市街から海に突き出ている半島部分が、かつての新パフォスの遺跡です。パフォス考古学公園は、新パフォスの見どころの多くを包摂した野外博物館です。

主に2~7世紀にかけての遺跡が点在していて、とくに神話をあしらった美しいモザイクタイルで装飾された家々を見学できます。それぞれモザイクタイルに描かれた神々や英雄の名をとって、「ディオニュソスの家」「テセウスの家」「オルフェウスの家」などと呼ばれています。

また、当時の規模の大きさを物語るアゴラ(集会場)やオデオン(劇場)の跡なども見どころですよ。

パフォスおすすめポイント②:パフォス城

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半島の都市ネアパフォスからさらに突き出た岬に建つパフォス城は、パフォス考古学公園内にあるサランタ・コロネス砦が地震で倒壊したことを受け、13世紀に築かれたものです。もともとは2つの建物から成っていましたが、片方は15世紀の地震で崩れ、残る一方も16世紀に爆発事故で破壊されました。現在の建物は、1780年に一部を修復したものです。

世界遺産の構成資産であるパフォス城は、史跡として一般に公開されています。9月の芸術祭では、演劇会場としても使われています。城塞のほか牢獄や塩の倉庫としても利用され、パフォスの衰退期以降の歴史をじっと見つめてきた観光スポットといえるでしょう。

パフォスおすすめポイント③:アギア・キリアキ・クリソポリティッサ教会

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パフォス考古学公園の東の市街地にあるアギア・キリアキ・クリソポリティッサ教会も、パフォスで忘れずに訪れてほしい観光スポットです。ここにはかつて、4世紀に端を発する大規模なバシリカがありました。その後パフォスが衰退期に入ると別の教会が建てられましたが、現在は英国国教会の聖堂となっています。

アギア・キリアキ・クリソポリティッサ教会は、「聖パウロの柱」があることでも知られています。紀元後45年に伝導の旅に出た聖パウロは、キプロス島で布教を行いました。しかし、捕らえられて柱に繋がれ、鞭打たれたといわれています。聖遺物に準ずるこの柱を見るために訪れる観光客も少なくないそうです。

古い教会にはそもそも柱がたくさんあるので、見つけるのは少し大変かもしれません。ですが、せっかくの世界遺産ですから、じっくり探してみてくださいね。

◎まとめ

ヴィーナスにまつわる世界遺産パフォスをご紹介しました。考古学公園にあるたくさんの遺跡では、ギリシャ神話の場面のほかにも、ブドウの収穫やブドウ狩りのようすなど、さまざまなモチーフのモザイク画を鑑賞することができます。

ほかにも城壁跡やキリスト教聖堂跡、半地下構造物跡などたくさんの見どころがありますよ。現在も発掘調査が連綿と続けられていて、将来的にはやはり世界遺産に含まれているもののやや遠い旧パフォス(パレオパフォス)も整備されていくことでしょう。

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