バルト海に浮かぶ世界遺産!フィンランドを守る「スオメンリンナの要塞」

画像出典:Scanrail / PIXTA(ピクスタ)

バルト海に浮かぶ世界遺産!フィンランドを守る「スオメンリンナの要塞」

スカンジナビア半島の3か国のうち、最も東に位置するフィンランド。東のロシアと国境を接しているため、両国間では緊張や戦争が絶えませんでした。そのようななか、森と湖に囲まれたフィンランドの首都ヘルシンキを防衛するために築かれたのが、スオメンリンナの要塞です。ヘルシンキの沖合に浮かぶ島々を要塞化したもので、フェリーに乗って20分ほどで行くことができます。

城砦としての役割を終えた今日では、観光客のみならず地元のヘルシンキっ子たちにも人気のスポット。美しい島々を巡っていると、かつてこの要塞を舞台に激しい戦いがあったとは信じられないほど爽やかな気分になります。ここでは、そんな世界遺産のスオメンリンナの要塞についてご紹介します。

目次

バルト海に浮かぶ世界遺産!フィンランドを守る「スオメンリンナの要塞」

目次を閉じる

スオメンリンナの要塞とは?

出典: tabiphoto / PIXTA(ピクスタ)

1748年、ロシアとの戦争に備えるため、フィンランドは首都ヘルシンキの前海の島々に全長7.5㎞の石の城壁を築きました。それがスオメンリンナの要塞の始まりです。当時流行の星型稜堡が特徴的で、4つの島から成っています。

1808年のフィンランド戦争ではロシア軍に占領され、1855年のクリミア戦争では英仏海軍の攻撃を受けるなど、実戦も経験しています。もともとはスヴェア城と呼ばれていましたが、第一次世界大戦末期にフィンランドが独立すると、「フィンランド(スオミ)の要塞」という意味のスオメンリンナと改称されました。

1973年に至ってようやく要塞としての役目を終え、1991年には世界遺産に登録。現在はヘルシンキを代表する観光名所の1つとなっています。

スオメンリンナの要塞へのアクセス

世界遺産スオメンリンナの要塞へは、ヘルシンキからフェリーまたは水上バスを利用して行きます。ヘルシンキのオールドマーケットの東端に大統領官邸があり、その向かいからHSL(ヘルシンキ公共交通機関)のフェリーが1時間に1本くらいの間隔で出ています。

スオメンリンナの要塞まではおよそ20分。短い船旅ですが、左右には要塞以外の小島も点在していて、バルト海の景色を楽しめます。世界遺産の観光名所というネームバリューに比べるとフェリーの本数は少ないので、あらかじめ乗船時間をチェックしておいた方が良いでしょう。

水上バスで行く方法もあるのですが、5~9月の期間限定となっています。こちらも所要時間は20分ぐらいです。フェリーと水上バスはそれぞれ発着場所が違うので、乗り場を間違えないように注意してください。

スオメンリンナの要塞おすすめポイント①:砲台や軍艦、潜水艦など

出典: MIDORIMUSHI / PIXTA(ピクスタ)

世界遺産のスオメンリンナを歩くと、高い要塞の壁がまるで迷路のように張り巡らされていて、ここが軍事拠点だったことがよくわかります。地上の稜堡のほかにもスオメンリンナには暗い地下兵営などもあり、勇気があれば中に入って探検もできますよ。

海岸に突如現れる潜水艦は、第二次世界大戦で使用されたもので、内部は小さな博物館になっています。世界遺産のスオメンリンナを知るためにも博物館はおすすめです。

島のあちこちには大砲がさび付いたままで放置してあり、ロシアの脅威にさらされ続けてきた当時の緊迫感が伝わってきます。美しい風景とフィンランドの歴史の両方を感じさせる世界遺産といえるでしょう。

スオメンリンナの要塞おすすめポイント②:美しい景色

出典: eugenesergeev / PIXTA(ピクスタ)

かつての要塞スオメンリンナは、今では太陽がきらめき、ビーチまである平和な島です。緑も豊かで、ヘルシンキ市民にとっては格好の憩いの場です。世界遺産に登録されてからは、フィンランドでも指折りの観光スポットとして多くの観光客も訪れます。

夏になると、ヘルシンキの子供たちが海水浴やピクニックを楽しみに世界遺産の島にやってきます。3~4時間あれば島をぐるっと探検できるので、冒険気分で要塞を散策してみるのもおすすめですよ。要塞には洞窟の隠れ家風のレストランもあるのでぜひ探してみてください。カフェもあちこちにあるので、疲れたらちょっと一休みもできますね。

スオメンリンナの要塞の注意事項

世界遺産スオメリンナの要塞の周りには、フェンスがありません。夏の間、植物が生い茂って、城壁の縁や断崖が隠れてしまうことがあります。冬も同様に、雪が地面を覆い隠してしまい、うっかり気が付かないで転落してしまう可能性もあるので注意しましょう。

とくに砲台の近くや崖っぷちは滑りやすくなっていることがままあるので、歩きやすい靴で見学して下さい。お子さま連れのときは、絶対に目を離さないようにお願いします。

◎まとめ

フィンランドの世界遺産スオメンリンナの要塞についてご紹介しました。スオメンリンナ行きのフェリーがでるオールドマーケットには、北欧デザインのお土産が並ぶショップやスーパーもあります。スオメンリンナの要塞内のレストランは小さいお店が多いので、フェリーに乗り込む前につまめるものを買っておくと良いかもしれません。

島の中央部にビジターセンターがあるので、まずはここを目指しましょう。スオメンリンナの歴史が学べるほか、おもちゃ博物館やケーキが食べられるカフェもあります。まったり過ごして半日は楽しめる世界遺産スオメンリンナ。バルト海対岸のエストニアの首都タリンとヘルシンキを結ぶ高速船からも、美しくも雄々しい要塞の姿を見ることができます。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

フィンランドでおすすめの記事

フィンランドのアクセスランキング