名称:Classical Weimar
住所:Weimar, Germany
公式・関連サイトURL:https://worldheritagesite.xyz/weimar-2/
ドイツ中部の都市ヴァイマールは、かの文豪ゲーテや詩人シラーと関わりの深い街。ゲーテは18世紀後半にヴァイマールを都とするザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ公国の宰相を務め、シラーはゲーテとの親交を頼りにこの街へ移住します。2人が確立したドイツ古典主義は、現在にいたるまで文学にとどまらずさまざまな芸術の分野に影響を及ぼしています。
「古典主義の都ヴァイマール」という登録名のとおり、世界遺産となっているのは彼らと、ゲーテが仕えた大公国に関するものです。主な見どころはヴァイマール旧市街周辺に集まっているので、観光もしやすい世界遺産といえるでしょう。
目次
【世界遺産】古典主義の都ヴァイマールとは?|ゲーテとシラーが眠る都!?
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古典主義の都ヴァイマールとは?
ヴァイマールはヴァイマルやワイマールとも表記され、日本では第一次世界大戦後のワイマール憲法に基づくワイマール共和国の名が有名ですね。1552年からザクセン=ヴァイマール公国の都となり、王宮などが置かれ発展しましたが、18世紀中ごろの七年戦争に巻き込まれて街は灰燼に帰しました。
若くして作家として頭角を現していたゲーテが公国に招かれたのはそのような時期。国自体も小さく、荒廃していたヴァイマール公国の復興に尽力すると同時に、文化政策にも傾注しました。シラーは、このときゲーテに大学の教授として招聘された知識人の1人。実際に会って意気投合した2人は、お互いに切磋琢磨しながらドイツ古典主義の礎を築いていきます。
シラーは1805年に若くして病死し、ゲーテも1832年に82歳の生涯を閉じます。しかし2人が育んだ文化の都ヴァイマールは、古典主義の中心地としてその後も栄えました。
古典主義の都ヴァイマールへのアクセス
日本からヴァイマールへ直接行く場合は、フランクフルトから鉄道を利用するのが最短です。特急ICEに乗り、途中ヴァイマールの隣の大都市エアフルトで乗り換える必要があります。
その他の観光都市からのアクセスとしては、ドレスデンからやはり特急列車でおよそ2時間半。ライプツィヒからなら、在来線の快速列車で1時間強です。
古典主義の都ヴァイマールのおすすめポイント①:ゲーテの家
ヴァイマール旧市街南端近くのフラウエンプラン通りに面して、ゲーテが晩年の20年ほどを過ごした屋敷があります。1709年に建てられた上流階級の館で、通りに面した外観も瀟洒ですが、建物裏手の中庭も素敵ですよ。
現在は記念館となっていて、ゲーテが実際に使用した執務室や馬車など興味深い展示がたくさんありますよ。また、ゲーテが息を引き取った寝室は、思わず最期の言葉として有名な「もっと光を!」を彷彿とさせ、見どころの1つとなっています。
クリーム色の建物にある正面玄関が目立ちますが、記念館の入口はその脇にあります。
古典主義の都ヴァイマールのおすすめポイント②:シラーの家
ゲーテの家から歩いて5分足らずのところに、シラーの家があります。1799年にイェーナからヴァイマールに移り住んだシラー一家は、しばらく賃貸住宅に住んだあと、1802年にこの家を購入しました。1777年に商家として建てられてもので、宰相ゲーテの屋敷に比べると、やや質素に見えてしまいます。
シラーの家も記念館となっていて、オリジナルの家具も残されています。この家の書斎では、『ヴィルヘルム・テル(ウィリアム・テル)』や『オルレアンの少女』など晩年の名作が書かれました。そう考えると、心躍るものがありますね。また、ゲーテの家と同じくシラーが亡くなった部屋もあり、こちらも感慨深いスポットでしょう。
古典主義の都ヴァイマールのおすすめポイント③:イルム河畔公園
ヴァイマール旧市街の東辺を流れるイルム川沿いには、ゲーテが造園したとされる「イルム河畔公園(パルク・アン・デア・イルム)」があります。広大な芝生の公園で、観光客のみならずヴァイマール市民の憩いの場となっています。
この公園の一角には、こちらも「ゲーテの家」あるいは「ゲーテの園亭」などと呼ばれる2階建ての小さな建物があります(Goethes Gartenhaus)。これは、ゲーテが宰相として仕えたヴァイマール公国のカール・アウグスト大公から下賜されたもの。ゲーテがヴァイマールに招聘された当初は、七年戦争によって町も城も荒廃していたため、仮の住居としてこの郊外の園亭があてがわれたのです。
ゲーテの園亭を含む公園全体が、「ロマン主義の家、ゲーテの園亭と庭園を含むイルム河畔公園」として世界遺産に含められています。のどかな緑の公園を散策しているだけで、世界遺産をばっちり観光することができますよ。
◎まとめ
ドイツが世界に誇る作家ゲーテとシラーにまつわる世界遺産「古典主義の都ヴァイマール」についてご紹介しました。
2人と直接の関係はないものの、彼らが興した古典主義を体現した名所として、寡婦宮殿や市の城、ベルヴェデーレ城、ティーフルト城なども世界遺産に登録されています。芸術を愛するドイツらしい世界遺産ヴァイマールを、ぜひ1度訪ねてみてください。