極彩色の建物が美しい!ブルガリア共和国の世界遺産リラ修道院

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極彩色の建物が美しい!ブルガリア共和国の世界遺産リラ修道院

バラの花で有名なブルガリアは、北部にルーマニア、南部にはギリシャやトルコと隣接した東欧の国。ブルガリアといえば、ヨーグルトを連想する人が多いのではないでしょうか。ヨーグルト発祥地としても知られ、紀元前4000年頃から酸乳を作り始めており歴史の長い名産品です。

そんなブルガリアには、有名な世界遺産「リラ修道院」があり、ブルガリア正教の総本山として多くの巡礼者とともに観光客が訪れます。リラ山脈の標高1147mの谷間にひっそりとたたずむリラ修道院は、中世ブルガリアの文化や芸術を受け継いでいる重要な世界遺産。赤い屋根に白と黒の縞模様が美しい建物は、修道院というよりまるで豪華な宮殿のよう。そして中庭の中央に建つ「聖母誕生教会」の回廊にあるフレスコ画は、美しい極彩色です。地震で再建されたリラ修道院ですが、中世から残っている建物もあります。そんな魅力的な世界遺産のリラ修道院をご紹介します。

目次

極彩色の建物が美しい!ブルガリア共和国の世界遺産リラ修道院

リラ修道院とは?

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ブルガリアの首都ソフィアから南西123kmの場所にあるリラ修道院は、建築物の敷地面積が広大な世界遺産です。10世紀にイヴァン・リルスキーが建立したブルガリア正教会の中心的僧院で1983年に世界遺産に認定されました。イヴァンは全財産を貧しい人に捧げ、彼自身は無人の山中で60年も隠遁生活を行い、一日中神に祈りを捧げる生活をしていたとか。世界遺産ではないものの、リラ修道院近くの山中に彼の生活していた小さな岩屋や教会を見ることが出来ますよ。

そんなリラ修道院はブルガリア王の庇護のもと発展しましたが、その後19世紀まで500年もの間オスマントルコの支配下となっていました。しかし支配下の中でも自治権を許されていたリラ修道院は、ブルガリアの文化や言葉、宗教を守りブルガリア人の精神的支柱となります。今もブルガリア国民にとても愛されている重要な意味を持つ世界遺産ですよ。その後地震や火災に見舞われましたが、19世紀には修復され、多くの観光客が訪れています。

リラ修道院へのアクセス

ブルガリアのソフィアからリラ修道院行きのバスがありますが、リラ村で修道院へ行くバスへ乗り換える必要があります。オフチャ・クペル・バスターミナルからは、2時間程かかります。帰りのソフィアへ戻るバスは本数が少ないため、乗り遅れのないようにご注意下さい。レンタカーを利用される方は、修道院まで約170km、およそ2時間で到着します。

リラ修道院までの公共交通機関は、本数も少なく乗り継ぎなどもあり不便なため、首都ソフィアから旅行会社が主催している日帰りツアーなどに参加して訪れることをおすすめします。

リラ修道院のおすすめめポイント3

聖母誕生教会

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世界遺産のリラ修道院の中庭に建つ「聖母誕生教会」は、赤と白の横縞に黒と白の横縞という、目立つ色彩の美しい建物。この教会の最大の見所は、美しい外観だけではなく、アーチ型列柱の回廊の中にあります。その回廊は「まさに世界遺産!」と感嘆するような極彩色の美しいフレスコ画が壁・天井全てを埋め尽くしていて圧巻。聖書の36の場面、1200の情景を描いたというそのフレスコ画は、ブルガリア宗教芸術の傑作です。

また教会内部の正面奥には、ブルガリア正教にとって必要不可欠な壁「聖障(イコノスタシス)」があり、イコンが沢山飾られています。5年もの歳月をかけて作られたという聖障の木彫りは、世界遺産に相応しい最高傑作。この中には、14世紀の高名な修道士達の聖遺物が埋め込まれた「奇跡のイコン」があります。触わると病気が治ると言われており、リラの修道院でもとても重要な意味を持つ場所ですよ。

フレリョの塔

出典: Victor Lauer/shutterstock

世界遺産リラ修道院で、14世紀から唯一現存する古い建造物が「フレリョの塔」です。この塔は、フレリョの領主とリラの修道士の防衛のために造られ、堅固なので大火をも耐え抜いた貴重な世界遺産の建造物の一つ。高さ約23mの塔の最上階には、変容礼拝堂があり、内部には14世紀のブルガリア文化を伝える貴重なフレスコ画もあります。周りの壁画も色あせもせず色鮮やかに残っていますよ。

2階にはリラの修道士達に時を告げる鐘があり、1階にはお店があります。宗教関係のキリスト像やお土産などを売っているので、お土産におすすめですよ。

宿坊と歴史博物館

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リラ修道院では世界遺産に認定された今も、修道士達が厳しい戒律を守り生活しています。教会を囲む、アーチ型の柱と木造の回廊が美しい壮大な建造物は宿坊です。300以上もの部屋があり、厨房では1000人分もの料理が出来る鍋があるとか。そんなリラの道院、実は観光客も宿泊することが出来ますよ。世界遺産のリラ修道院に宿泊するのは、面白そうですよね。

そしてもう一つこの場所にあるのが「歴史博物館」です。リラ修道院に関する十字架や古書、イコンなど歴史ある多くの宗教関係物が展示されています。中でも修道僧ラファエルが12年もの歳月をかけて、高さ43cmの木の十字架に、虫眼鏡を使い104の聖書の場面を描いたという「ラファエルの十字架」は必見。描かれている650人、一人一人の表情が違う執念の芸術作品です。

◎まとめ

リラ修道院をご紹介しました。まるで芸術作品のような建造物に美しい宗教画、西欧とはまた違うブルガリア正教独特の美しさを持つリラ修道院は多くの観光客を惹きつけます。宿坊に泊まる機会があれば、ぜひミサにも参加してみて下さい。蝋燭の灯りだけが揺らぐ静寂の中、詠唱される祈りの声は、中世のように聞く人の心に響くでしょう。

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