【世界遺産】イタリアのエオリア諸島とは?|火山学の発展に貢献した地域!?

【世界遺産】イタリアのエオリア諸島とは?|火山学の発展に貢献した地域!?

エオリア諸島は、イタリアのシチリア島北部に浮かぶ7つの火山群島。アルファベットの「Y」のような形に連なる島々は、シチリア島北東の海岸から約20~50km北方のティレニア海にあります。

ストロンボリ島は、地球上で最も活発な火山があることで知られる「ストロンボリ式噴火」の語源になった島。ヴルカーノ島は阿蘇山や桜島と同じ「ブルカノ式噴火」や「vulcano(火山)」の語源になった島で、小康状態を保ちながらも強い硫黄臭が漂っています。

これら2島を含む自然に恵まれているエオリア諸島は、火山学の発展に大きな影響を及ぼしたことが評価され、2000年に世界自然遺産に登録されました。

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【世界遺産】イタリアのエオリア諸島とは?|火山学の発展に貢献した地域!?

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エオリア諸島とは?

エオリア諸島

エオリア諸島では、ストロンボリ式とブルカノ式という2種類の噴火が見られます。火山学の研究対象として非常に重要な場所であり、地球における歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であることから、ユネスコが世界自然遺産に登録しました。

火山学と聞くと怖い印象を受けるかもしれませんが、エオリア諸島はとても美しい島々です。まるで、魔法の屋外遊び場!コバルトブルーの海で泳いだり、ダイビングしたり、クルーズしたりと、さまざまなマリンスポーツを楽しめます。

トレッカーなら火山を登ってみてはいかがでしょう。グルメな方には蜂蜜のようなマルベリアのワインがおすすめ。そんなエオリア諸島を構成する7つの島々の特徴と魅力を簡単にご紹介します。

◆リーパリ島

出典: it.wikipedia.org

リーパリ島は、エオリア諸島の中心部に位置する最大の島。宿泊施設やレストランなどが充実していて、エオリア観光の拠点となっています。

景色が素晴らしいのはもちろん、街歩きしているだけでもステキ。ほかの島への日帰りクルーズもおすすめです。水着を持参してぜひ行ってみましょう。

◆ヴルカーノ島

エオリア諸島の最南端、シチリア島に最も近いヴルカーノ島は3番目に大きな島。4つの火山があるヴルカーノ島は、「vulcano(火山)」の語源になった島として知られていますが、1890年頃から小康状態が続いており大きな噴火はありません。

しかしヴルカーノ島では今も強い硫黄臭が漂っています。天然の泥パックができる泥温泉や、海底から温泉が湧き出している温泉海水浴場もありますよ。

◆ストロンボリ島

エオリア諸島の最北東に位置するストロンボリ島には、過去2000年にわたって噴火し続けているストロンボリ火山があります。

ヨーロッパの活火山の代表ともいえるこの山は現在も活発に噴火を続けており、ハイキングやクルーズで噴火を見るために世界中から多くの観光客が訪れています。

◆パナレア島

リーパリ島とストロンボリ島の中間に位置するパナレア島は、エオリア諸島で最も小さい島。離島をもつパナレア島は群島を形成しています。

◆サリーナ島

エオリア諸島で2番目に大きなサリーナ島は、双子のように2つの山が並んでいるのが特徴。リーパリ島の北西約4kmに位置しています。

イタリア映画『イル・ポスティーノ(Il Postino, The Postman)』の撮影が行われた美しい島で、断崖絶壁とコバルトブルーの海が織りなす絶景は必見!

◆フィリクーディ島

サリーナ島の西隣に浮かぶフィリクーディ島は、住居や畑の痕跡が残るミステリアスな島です。澄んだ海の海岸線には洞窟があります。

◆アリクーディ島

出典: it.wikipedia.org

エオリア諸島の最西端にあるアリクーディ島は、手つかずの自然にあふれた最小限の設備しかない孤島です。

エオリア諸島へのアクセス

ミラッツォ港やパレルモ港から高速船やフェリーが出ています。複数の船会社が運航していますが、それぞれ運航時間、チケット売り場、乗り場が異なります。高速船は夏期のみ運航。また、ナポリからもフェリーを2社が週2回、夏期には高速船も運航しています。

リーパリ、ヴルカーノ、サリーナ、フィリクーディ島では、車に適した道路が整備されています。レンタカーやスクーターを利用でき、リーパリとサリーナ島にはローカルバスも走っています。

エオリア諸島のおすすめポイント①:リーパリ島の城塞地区

出典: it.wikipedia.org

リーパリ島の高台にある城塞地区には、鐘楼のあるノーマンの大聖堂、教会、青銅器時代の住居跡、そして地中海の歴史を知る考古学博物館などがあります。

2つの建物からなる考古学博物館はいくつかのセクションにわかれていて、新石器時代~青銅器時代~グレコローマ時代に至る地元で発見された遺物や、古代の難破貨物、世界最大のミニチュアギリシャ劇場用マスクなどを展示。展示アイテムの中には黒曜石から作った細かな彫刻が施された道具もあり、先史時代の文明が洗練されていたことを示しています。

エオリア諸島のおすすめポイント②:ストロンボリ島のハイキング 

ストロンボリはヨーロッパで最も活発な火山ですが、ハイキングで登ることができます。標高約918mの山頂まで登れば、火口周辺に溶岩を吹き上げるのが特徴のストロンボリ式噴火を見ることができますよ。火口往復の所要時間は約6時間で、ガイドの同行が必要です。

山体崩壊でできた谷「シアーラ・デル・フオーコ」への展望ルートなら、往復約3時間程度のハイキングで行くことができます。サン・ヴィンチェンツォの海に流れ込む溶岩流を見ることができるかもしれませんよ!

夕方からのハイキングはサンセットと、夜の山に噴火の炎が上がる「地中海の灯台」と呼ばれる様子が見られてオススメ。遠くにはイタリア本土の街明かりまで見渡せます。

エオリア諸島のおすすめポイント③:サリーナの塩

露出した火山地形とは対照的に、サリーナ島では花や丘陵地帯を覆う葡萄畑、森林など緑豊かな景色が魅力。島南東端のリングア地区には塩湖があり、これがサリーナ島という名前の由来になっています。

◎まとめ

活火山を含む地球物理学的特性、ギリシャ神話や伝説、歴史の豊かさ貴重なエオリア諸島。美しいビーチで泳いだり、それぞれ異なった特徴がある各島へのクルーズツアーにも参加してみましょう。

街や海岸沿いを歩いて、素晴らしい景色も堪能してくださいね。

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