【世界遺産】ローマ帝国の国境線とは?|古代帝国の足跡がここに!

画像出典:Hartmann Linge (CC BY-SA 3.0)

【世界遺産】ローマ帝国の国境線とは?|古代帝国の足跡がここに!

かつてヨーロッパの大部分を勢力下に収めたローマ帝国の国境線として、イギリスにあるハドリアヌスの長城とアントニヌスの長城、そしてドイツにあるローマ帝国の長城跡が世界遺産として登録されています。

建設から長い年月が経過していることからそのほとんどが埋もれたいますが、それでも当時のローマ帝国の繁栄と衰退を肌で感じることができる観光名所として人気です。国境線ですから、もちろんその全長はかなりのもの。すべてを見て回るのは不可能なので、今回はドイツ国内でとくにおすすめの見どころをご紹介します。

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【世界遺産】ローマ帝国の国境線とは?|古代帝国の足跡がここに!

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ローマ帝国の国境線とは?

5000kmにも及んでいたといわれているローマ帝国の国境線のなかで、現在はっきりと分かる形で残っている3つのラインが、「ローマ帝国の国境線」として世界遺産に登録されています。ドイツ国内に残っている部分をとくに「リーメス」と呼びますが、これは国境線という意味のラテン語で、英語のリミットの語源とされています。

まず最初にイギリスにある「ハドリアヌスの長城」が1987年に登録され、その後2005年にはドイツの「リーメス」が、最後にスコットランドにある「アントニヌスの長城」が2008年に追加登録されました。この3箇所の合計距離は約740kmで、当時の長さには到底及びませんが、それでもかなりの規模といえます。

ローマ帝国の国境線へのアクセス

ドイツ国内のリーメス関連施設でもっとも有名な「ザールブルク城砦」は、フランクフルトの郊外にあります。

まずはフランクフルト中央駅地下ホームから在来線のS5で郊外のバート・ホームブルク駅を目指します。そこからバスに乗ってザールブルク停留所で下車すれば、城砦までは歩いて10分ほどです。

ローマ帝国の国境線のおすすめポイント①:ザールブルク城砦

出典: Holger Weinandt (CC BY-SA 3.0)

ローマ帝国版万里の長城ともいえるリーメスには、一定間隔で物見塔や兵の駐留する陣営が設けられていました。兵営にもランクがあり、大規模なものは小規模なものより長い間隔をあけて築かれています。ドイツ最大規模の空港のあるフランクフルト郊外のザールブルク城砦は、比較的ランクが高いと考えられている兵営の1つを再建したものです。

二重ないし三重の堀や高い城壁に囲まれた城砦は、まさにローマの雰囲気満点!内部は野外博物館になっていて、復元された兵舎の一部はカフェスペースになっています。気づきにくいですが、城砦裏手の森の中を少し歩くと、兵営とは別にリーメスの長城跡が復元されているので、そちらまで足を延ばすことをオススメします。

ローマ帝国の国境線のおすすめポイント②:ルッフェンホーフェン城砦

出典: Römerpark (CC BY-SA 3.0)

ドイツ観光のハイライトともいえるロマンチック街道のなかでも、とくに人気の観光都市の1つディンケルスビュール。中世そのままの面影を残すこの街の東方に、リーメスに付属する兵営の1つ「ルッフェンホーフェン城砦」があります。

見晴らしの良い丘の中腹に、四重もの堀をめぐらした厳重かつ規模の大きな城砦で、建物こそ復元されていないものの、史跡公園として整備されています。城砦跡を俯瞰できる背後の丘には、当時の模型が野外展示されているほか、資料館も建設されています。

アクセスは、ディンケルスビュールのバスターミナルから825番のバスで最寄りの街ヴィッテルスホーフェンで下車して、そこから徒歩で20分ほどです。バスの本数が少ないので訪ねやすいとはいえませんが、歴史好きの人にはおすすめですよ。

ローマ帝国の国境線のおすすめポイント③:レーマーヴェルト

出典: RömerWelt (CC BY-SA 4.0)

旧西ドイツの首都ボンの南、ライン川東岸のバート・ヘニンゲン駅から徒歩10分のところにある「レーマーヴェルト」も、リーメスについて知ることのできる観光施設です。敷地内には資料館のほか堀や柵、兵舎、兵器などが建てられています。また、ローマ時代の料理体験や剣闘士体験など、さまざまな催し物も行われています。

ここはリーメスの西の端っこにあたり、対岸のバート・ブライズィヒへの渡し舟の河港があるあたりで、長城はライン川と交わっていました。その脇には二重の堀に囲まれた小規模な城砦があり、現在はそれに付属する物見塔が推定復元されています。

ライン川流域は人気の観光地なので、ここを通過する人は多いはず。時間があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。

◎まとめ

ヨーロッパの長城というとハドリアヌスの長城がこれまで有名でした。しかし、21世紀に入ってドイツのリーメスの存在がにわかにクローズアップされるようになり、発掘や研究が急速に進展しています。

こうした研究結果をもとに、新たな史跡公園やミュージアムが次々に建設されていて、観光名所としても注目されています。もしドイツを訪れた際にリーメスについて目や耳にすることがあれば、ぜひ世界遺産観光ということで訪ねてみてください。

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