名称:ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/522/
世界遺産「ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群」は、スペインのカスティーリャとアンダルシア地域の境に位置するハエン県にあります。2つの都市が良く似ているので「双子の町」と称される両都市の歴史地区のうち、ルネサンス期に建造された地域を対象にして世界遺産に登録されています。
ウベダとバエーサは約8㎞しか離れておらず歴史的背景、文化、主要産業など似ています。それでも、双子が2つの人格的存在であるのと一緒で、1つの世界遺産として登録されていますが、いっぺんに2つの都市の観光が楽しむことができます。今回はそんな世界遺産「ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群」を紹介します!
目次
【世界遺産】ウベダとバエーサの記念碑的建造物群とは?|双子の町をご紹介
ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群とは?
出典: Michal Osmenda from Brussels, Belgium (CC BY 2.0)
ウベダとバエーサは8世紀にはイスラム勢力の支配下にありましたが、レコンキスタが始まるとアンダルシア地方で最も早い時期にキリスト教徒はバエサを1227年、ウベダを1234年に奪回しました。レコンキスタ終了後の16世紀、ウベダとバエーサにはイタリアのルネサンス文化がいち早く伝わり、ルネサンス様式の美しい建物が次々に建設され、これらの建造物群が2003年に世界遺産に登録されました。
両都市にルネサンス文化が伝わった当時、地域一帯はオリーブ生産などで発展していました。その影響もあって美しくゴージャスなルネサンス建造物ができました。ウベダには上流階級のルネサンスの建造物が多く、バエーサには公共的なルネサンス建造物が多く建てられたことなど両都市にも違いが見られます。それでも両都市に残されている宮殿や教会、市庁舎や広場などの多くの建造物は世界遺産として良い保護状態にあるという点ではウベダもバエーサも同じです!
ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群へのアクセス
ウベダとバエーサにはスペインの首都マドリードから鉄道もしくはバスで行くことができます。鉄道の場合、マドリードのAtochaアト―チャ駅から所要時間約3時間30分、1日6~8本出ています。バスの場合は、マドリードの南ターミナルから約4時間、1日2,3便です。
ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群のおすすめポイント
サンティアゴ病院
ウベダのルネサンス建造物の代表的なものとして常にあげられるのがこのサンティアゴ病院です。1562年から1575年に建設されたこの病院は、現在スペインにある民間のルネサンス建築物の中でも、大きいものとされている世界遺産です。
当時はウベダの貧しい人たちの病院のためであると同時に、教会でもあり、また御殿も兼ねていました。いずれにしても基本的な目的は病院だったため、外見は大変シンプルです。内部はまさにマルチの建物だったことを垣間見ることができます。
内部のある部分の天井はとても高く、そこが御殿であったことを表しています。様々な壁画で装飾されている部分は教会です。ウベダの世界遺産であるこの病院では現在、様々な催し物が行われています。それで、この世界遺産の内部をぜひとも見たいというのであれば午前中に行くのがおすすめです!
ハバルキント宮殿
王族のフアン・アルフォンソ・デ・ベナビデスの命令によって建てられたハバルキント宮殿はバエーサにあります。ファサードは15世紀末プラテレスコと呼ばれるスペインのルネサンス様式特有のスタイルで独創的かつ美しい姿を見してくれます。
現在はアントニオ・マチャード国際大学の施設の一部となっていて、1600年頃に作られた中庭のみが内部で見学できる場所となっていますが、「ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群」の世界遺産としての価値は外観の正面にあるので、それをしっかりみておきたいですね。
バエーサのこの宮殿の前にはサンタ・クルス広場があり、広場をはさんだ向かい側には、ロマネスク様式のサンタ・クルス教会があります。
フランシスコ・デ・ロス・コボス邸
出典: commons.wikimedia.org (CC BY-SA 3.0)
フランシスコ・デ・ロス・コボスはスペイン王カルロス1世の宮廷秘書だった人です。彼は当時の最高位の称号 である「アデランタード・マジョール・ デ・レオン」や「カバジェロ・デ・ラ・ オルデン・デ・サンティアゴ」などの称号もち、富を築きました。こうしてウベダの世界遺産の象徴となる美しいルネサンス建築の邸宅を1531年に建てたのです。
フアン・バスケ ス・デ・モリナやディエゴ・デ・ロス・コ ボスといった人たちも、フランシスコ・デ・ロス・コボスに倣って、築いた財を邸宅を建てることに費やし、こうして彼らの家々はウベダの世界遺産の街並みをつくる先駆けとなったのです。
◎まとめ
いかがでしたか。ウベダにもバエーサにもルネサンス様式の建造物がたくさん残されていて、世界遺産として美しい街並みを形成しています。ウベダのルネサンス様式のいくつかの邸宅はパラドールとして蘇っているものもあります。そのため、ぜひこの地を訪れた際はぜひゆっくり見てまわり世界遺産を堪能しましょう!