運河船で水路橋を渡るウェールズの世界遺産!ポントカサステ水路橋と水路

画像出典:Adrian Pingstone

運河船で水路橋を渡るウェールズの世界遺産!ポントカサステ水路橋と水路

グレートブリテン及び北アイルランド連合王国の4つの国のひとつ、ウェールズ。グレートブリテン島の南西に位置し、ウェールズの東側はイングランドと接しています。ロンドンからの距離は約200km、電車でおよそ2時間でアクセス可能です。またウェールズはラグビー人気の高い国で、ラグビーファンなら誰でも知っている世界的な強豪国。放牧が伝統であり、のどかな田園景観もウェールズの特徴です。

そんなウェールズは、「ブレナヴォンの産業景観」「グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁」「ポントカサステ水路橋と水路(運河)」の3つの世界遺産を保有。その中から、3番目に登録された世界遺産「ポントカサステ水路橋と水路」を紹介します。

目次

運河船で水路橋を渡るウェールズの世界遺産!ポントカサステ水路橋と水路

ポントカサステ水路橋と水路とは?

出典: Jane McIlroy/shutterstock

ウェールズの北東にあるディー川に架かる橋、それがポントカサステ水路橋です。1805年に完成したこの水路橋は、長さ約307m、高さ約38mでイギリスで有数の橋の一つ。世界遺産であると同時にイギリスの文化財として大切にされています。一流土木技師であるトーマス・テルフォードが運河建築技師ウィリアム・ジェソップを現場監督に迎え、設計と建築に10年をかけて完成させたこの橋は、イギリスの産業革命を支えたウェールズにおいて、重要な役割を果たした建築物となりました。

ポントカサステ水路橋は歩道と水路とに分かれており、現在でも毎年1万艘以上のナローボートと呼ばれる運河船が航行しています。英語で「狭い」を意味するナロー(narrow)が示す通り、水路の幅に合わせて作られた横幅の狭い船。水路と並行してある歩道は、かつて船を曳く馬や人が通るためのものでした。水路橋は、2009年に「ポントカサステ水路橋と水路(運河)」として世界遺産に登録されています。

ポントカサステ水路橋と水路へのアクセス

ポントカサステ水路橋は、ウェールズ北東のレクサム郡にあるふたつの村(トレヴァー/フロンカサステ)の間にあります。トレヴァー村から訪れる場合はビジター・センター(Trevor Basin Visitor Centre)、スランゴスレンからの場合はインフォメーション・センター(Llangollen Tourist Information Centre)を目指しましょう。フロンカサステ側にも乗船場があります。

ウェールズの中心都市であるカーディフから水路橋までは車で3時間ほどかかりますが、イングランドのチェスターからのアクセスは便利。車では30分から1時間、電車やバスでもアクセス可能です。

ポントカサステ水路橋と水路のおすすめポイント2

水路橋

出典: Nicola Pulham/shutterstock

トーマス・テルフォードによって造り出されたポントカサステ水路橋。鉄道や自動車がなかった時代に、物資を運搬するための重要な手段でした。完成から200年以上が経過し、世界遺産登録を果たした現在ではウェールズ有数の観光名所として大切にされています。

ポントカサステ水路橋は、イギリスでトップクラスを誇る高さと周囲の景観を含め、どんな場所から見ても雄大で美しい橋です。せっかく訪れるのであれば橋を渡ってみてはいかがでしょうか。水路橋を渡る方法は、ナローボートと徒歩。まずナローボートに乗り、ゆっくりと歩くコースがおすすめです。様々なポイントから乗船できますが、トヴァー村を出発して水路橋を渡り、Uターンして戻ってくると約45分です。そこから今度は歩いて渡りましょう。イギリスの産業を支えて発展に貢献したポントカサステ水路橋、世界遺産に相応しい歴史と景観を楽しんでくださいね。

周辺の景観

出典: Valery Egorov/shutterstock

ポントカサステ水路橋を訪れる人々を魅了するもの、それは世界遺産に登録された素晴らしい建築物である水路橋だけでなく、周囲の大自然でもあります。水路橋はディー川の上に架けられており、その高さはなんと38m。しかも、水路橋の歩道側には柵がありますが、水路側には何もありません。ナローボートからは、遮るものなく眼下に広がる壮大な自然を楽しむことができますよ。

緩やかに流れるディー川や38mの高さの橋に届きそうな大木、放牧地には羊などの動物を見ることもできます。高所恐怖症の人には少し辛いかもしれませんが、世界遺産の橋の上から見る大自然、一見の価値ありですよ。

◎まとめ

ウェールズの世界遺産、ポントカサステ水路橋と水路を紹介しました。200年以上前、産業を発展させるために10年という歳月をかけて造られた水路橋。現在は鉄道や交通網が発達し、水路橋を利用した物資輸送の必要性は低くなりました。しかし、偉大な建築物であるこの橋は世界遺産となり、ウェールズに観光客を呼ぶ橋として活躍し続けています。

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