【世界遺産】アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区とは？｜世界最初の大学都市！？

アルカラ・デ・エナレスは、首都マドリードの近郊にある街で人口およそ20万人。世界で最初の計画的に建設された大学都市として、大学と周辺の街並みが世界遺産に登録されました。15世紀末に大学都市として発展し、16世紀半ばには『ドン・キホーテ』の作者として名高い、文豪ミゲル・デ・セルバンテスがこの地で生まれます。

今回はそんなスペインが誇る世界遺産「アルカラ・デ・エナレスの大学とその歴史地区」をご紹介します。

アルカラ・デ・エナレスの大学とその歴史地区とは？

アルカラ・デ・エナレスは世界で最初の計画的な大学都市として、また都市計画がのちのアメリカやヨーロッパでのモデルになったことも評価され、1998年に世界遺産に登録されました。また、この地で語学教育の発展も見られ、1517年には4か国語の言葉に翻訳した対訳聖書も制作されたこと、世界的な文豪セルバンテスを生み出し人類の知的発展に貢献したことも評価されました。

そんな歴史の深いアカデミックな世界遺産「アルカラ・デ・エナレスの大学とその歴史地区」のおもな見どころは、大学都市であるゆえに美しいファサードを持つサン・イルデフォンソ大学、セルバンテスゆかりの地であるのでその博物館、また語学教育に力を入れ、多言語対訳聖書を作ったシスネロス枢機卿が建てたカテドラルなど魅力的な建物が多くあります。

アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区へのアクセス

マドリードの北東約30kmに位置するアルカラ・デ・エナレスへはバスも電車も頻繁に出ています。どちらも所要時間は30～40分、電車はアト―チャ駅から、バスはアベニーダ・デ・アメリカから出ており便利です。

アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区のおすすめポイント

アルカラ大学

アルカラ大学は1499年にシスネロス枢機卿によってコンプルテンセ大学として設立されました。大学は1836年、マドリードに移転し、アルカラ・デ・エナレスにあった旧校舎は閉鎖に追い込まれますが、1977年に大学復活の声が高まり現在のアルカラ大学が歴史の重みを実感させる重厚な校舎に再び開設されました。

アルカラ大学キャンパス内部には、サン・イルデフォンソ学院や礼拝堂や大講堂などがあり観光名所となっています。特に、サン・イルデフォンソ学院の建物の正面にある大窓や宗教彫刻、浮き彫りなどで装飾されたプラテレスコ様式のファサードは、見ごたえ抜群です。

大講堂は現在でも盛大な入学式やスペイン語文学最大の賞であるセルバンテス賞の授賞式の会場として使用されています。世界遺産でもあるアルカラ大学は町の人たちの誇りでもあるのです！

セルバンテス生家博物館

セルバンテス生家博物館は、文豪ミゲル・セルバンテスの生家で4歳になるまで住んでいた家です。実際には土台だけがオリジナルで、家そのものは16世紀のブルジョア階級の家を忠実に再現したものです。

台所、食堂、書斎、寝室、居間、裁縫室などがあり、それぞれに当時の家具や調達品、陶器、絵画などが飾られています。また、セルバンテスの父親の職業であった外科医の診療室も一階に忠実に再現されています。

そのほか、世界遺産の地が生み出した世界的文豪を紹介している展示室、ミニシアターもあります。家の前にはドン・キホーテとサンチョ・パンサの像があり、まさに世界遺産の町アルカラ・デ・エナレスにとってミゲル・セルバンテスが偉大であるかを物語っています！

マヒストラル大聖堂

学園都市の考案者で、語学教育に力を入れ多言語対訳聖書を作った人物、シスネロス枢機卿。アルカラ・デ・エナレスのカテドラルやマヒストラル大聖堂は、彼によって建てられました。ゴシック後期様式の小さなカテドラルには、主祭壇にアルカラの聖ディエゴ・デ・アルカラの遺体が安置され、毎年命日の11月13日には腐食していないご遺体が公開されます。

地下礼拝堂には聖少年たちの聖遺骨壺が保存されています。また、カテドラルには博物館も併設していて、聖杯や祭壇画などを展示しています。

◎まとめ

いかがでしたか。マドリードから近いにもかかわらず、意外と知られていない世界遺産アルカラ・デ・エナレス。マドリードから近く、しっかりとした計画がなくても、ちょっと空いた時間などを使って立ち寄れる立地条件がうれしいポイントです。

大学都市とだけあって治安も良好！安心して世界遺産観光を楽しんでくださいね！

【世界遺産】アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区とは？｜世界最初の大学都市！？