【世界遺産】ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群とは?

画像出典:空  / PIXTA(ピクスタ)

【世界遺産】ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群とは?

「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」は、ドイツの首都ベルリンとブランデンブルク州の州都ポツダムにある、複数の旧宮殿建造物と付属庭園などの総称です。1730年から1916年までに造られた約150の建築物が含まれています。

ハーフェル川沿いのアルターマルクト広場には、聖ニコラス教会や旧市庁舎、市宮殿が並び、中央にはオベリスクがそびえます。この広場の先で旧市街を西に曲がり、ポツダムのブランデンブルク門を抜けると、サンスーシ宮殿をはじめとするいくつもの宮殿が立ち並ぶエリアに入ります。

また、広場をまっすぐ進んで今度はナウエン門をくぐると、ハイリガー湖沿いにもいくつかの宮殿が静かにたたずんでいます。とくにそのうちの1つツェツィーリエンホーフ宮殿は、ポツダム会談が開かれた場所として、日本にとっても特別な意味をもっています。

目次

【世界遺産】ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群とは?

目次を閉じる

ポツダムとベルリンの宮殿群と庭園群とは?

出典: Andrey Starostin / PIXTA(ピクスタ)

17世紀にブランデンブルク選帝侯の館が建てられて以降、ホーエンツォレルン家の居所の1つとして発展したポツダム。とくに18世紀に入り、「兵隊王」と呼ばれたフリードリヒ・ヴィルヘルム1世とその息子フリードリヒ大王(フリードリヒ2世)が、ポツダム周辺にバロック都市の夢を実現させました。
この世界遺産の目玉は、大王が夏の離宮として造営したサンスーシー宮殿と、庭園内に点在する宮殿群ですが、ポツダムの街歩きもおすすめです。

この世界遺産は、1990年にサンスーシー宮殿やバーベルスベルク宮殿とその庭園、およびグリーニケ狩猟館、ザークロウ宮殿と庭園、新庭園、ツェツィーリエンホーフ宮殿などが対象でした。1992年に拡大されて、1999年にはバーベルスベルク天文台や、ユーゲントシュティールによる建築物などが拡大登録されています。

ほかにもポツダムの歴史的な地区として、ロシア人入植地アレクサンドロフカや、オランダ人街、ヴェーバー地区なども登録対象に入っています。

ポツダムへのアクセス

ポツダムはブランデンブルク州の州都ですが、ドイツの首都ベルリンとも隣接しています。ベルリン市内から在来線Sバーン(S7)に乗れば、30分ほどでポツダム中央駅に着きます。

ポツダム市街はトラムが整備されているので、中央駅から91番か98番の路面電車に乗り、ルイゼンプラッツ南/サンスーシ公園停留所で降りれば、目の前がブランデンブルク門です。ここからサンスーシ宮殿までは歩いて15分ほどですが、さらにショートカットしたい人は、バスで宮殿の裏手まで行くことができます。

またツェツィーリエンホーフ宮殿まではバスの603番、バーベルスベルク宮殿へはバスの616番を利用すると良いでしょう。

ポツダムの宮殿群と庭園群おすすめポイント①:サンスーシ宮殿

出典: en.m.wikipedia.org

日本語に訳して「無憂宮」とも呼ばれるサンスーシ宮殿は、18世紀半ばにフリードリヒ大王が自ら設計して建てた夏の離宮。ドイツ・ロコロ様式の傑作といわれ、平屋でこじんまりしているのに中は豪華!大理石の間に図書室、客室、執務室兼寝室など美しい装飾が施された部屋の数々を、約40分間のガイドツアーで見学することができます。

宮殿の西に広がるサンスーシ公園には、新宮殿や中国茶館、シャルロッテンホーフ宮殿、オランジェリー宮殿などが点在。ゆっくり回っていたら、いくら時間があっても足りませんよ。

もともとフランス・バロック様式だった庭園は、19世紀に当時の流行であったイギリス風庭園に作り替えられています。また王家所有の絵画コレクションを公開している絵画館には、カラバッジョをはじめとする、17世紀のイタリア・フランス・フランドル地方の画家の作品が100点以上も展示されています。

ポツダムの宮殿群と庭園群おすすめポイント②:ツェツィーリエンホーフ宮殿

出典: 空  / PIXTA(ピクスタ)

第二次世界大戦末期、日本の無条件降伏要求などを宣言したポツダム会議が行われたのが、このツェツィーリエンホーフ宮殿です。1917年にドイツ皇帝ヴィルヘルム2世が、皇太子ヴィルヘルムのために建てたもので、皇太子妃ツェツィーリエにちなんで名づけられました。しかし翌年、大地次世界大戦の戦況悪化を受けてヴィルヘルム2世はオランダへ亡命したため、宮殿は国の所有になりました。

英国カントリー様式の木組みを基調とする建物なので、宮殿というよりは高原のおしゃれなホテルといった感じ。これは皇太子夫妻の好みによるもので、荘厳さはありませんがとても落ち着いた雰囲気に包まれています。

一部が実際にホテルとして使われていましたが、観光スポットとして一般にも公開されています。ポツダム会談が開かれた部屋や、米英ソ各国首脳の控室なども見学することができるので、日本人としてはことさら意義の深いところといえるでしょう。

ポツダムの宮殿群と庭園群おすすめポイント③:バーベルスベルク宮殿

ポツダム東部にあるバーベルスベルク宮殿は、1833年にフリードリヒ・ヴィルヘルム3世の命により建設された宮殿です。イギリスのウィンザー城をお手本に、当時の有名な王宮建築家のカール・フリードリヒ・シンケルが設計を担当しました。シンケルは、サンスーシ庭園内にあるシャルロッテンホーフ宮殿やベルリン旧博物館も手掛けています。

バーベルスベルク宮殿は、ウィンザー城を模したネオ・ゴシック様式をもとに、ローマ建築風の新古典主義も取り入れた折衷建築として知られています。バーベルスベルク庭園は湖に面していて、休日にはピクニックを楽しむドイツ人たちで賑わいます。「小宮殿」は現在カフェとして営業しているので、庭園を眺めながら優雅なティータイムもいいですね。

※なおバーベルスベルク宮殿は、2018年10月まで改修工事のため休館となっています。

◎まとめ

ベルリン市内からポツダムまでは電車で30分程度の距離なので、ベルリンから日帰りで観光することができます。

ただし、サンスーシー宮殿とツェツィーリエンホーフ宮殿だけでも、移動も含めて半日はかかります。まずポツダムの数ある宮殿のなかでも、とくに見たいところをピックアップして周るのが良いでしょう。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

ドイツでおすすめの記事

ドイツのアクセスランキング