名称:コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/866/
「コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代のロックアート遺跡群」はポルトガルのコア渓谷とスペイン西部のシエガ・ヴェルデの岩壁へ描かれた絵が世界遺産に登録されています。
最初はポルトガルのロックアートが1998年に単独で世界遺産に登録され、2010年にスペインのシエガ・ヴェルデのロックアートが、スペインにおいては42番目の世界遺産として拡大登録されています。
二国にまたがる岩絵群、いわゆるロックアート群はイベリア半島にある石器時代の屋外の絵画としては最大級のものとして知られています。今回はそんな「コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代とロックアート遺跡群」についてご紹介します!
目次
【世界遺産】コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代とロックアート遺跡群とは?
コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代とロックアート遺跡群とは?
「コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代のロックアート遺跡群」は、一言でいえば、岩をステージとした屋外にある美術館です。
1980年代後半、ポルトガルの風光明媚なコア渓谷に線刻芸術が発見されたのが世界遺産への始まりでした。当時この地域にはダムをはじめとする水力発電施設の建設計画がありましたが、1995年にポルトガル政府は考古学的研究のチームを結成し、一般の観光客を迎え入れる公園の建設に着工し始めました。
以来、コア渓谷における先史時代のロックアートの研究と分類の調査が続けられ、晴れて1998年に、ポルトガル側のロックアートが「コア渓谷の先史時代のロックアート遺跡群」として世界遺産に登録されました。
その後、2010年には国境をまたいだスペイン、カスティーヤ・イ・レオン州にある「シエガ・ベルデの岩絵遺跡群」が拡張登録されました。コア渓谷に沿ったロックアートは17kmの範囲にわたり16箇所に点在しています。シエガ・ヴェルデのロックアートも数kmにわたっているので、基本的にガイドと共に鑑賞するのがおすすめです。
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群へのアクセス
今回は、日本から直行便も発着しているスペインの首都マドリードからの行き方をご紹介します。シエガ・ヴェルデの最寄りの町、シウダードロドリゴはシエガ・ヴェルデの世界遺産までおよそ15kmに位置し、マドリードからおよそ306km、車で所要時間約3時間です。車での国境越えはいたってシンプルで、検問も何もありません。シウダードロドリゴからコア渓谷までの所要時間はおよそ1時間半です。
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群のおすすめポイント
コア渓谷のロックアート遺跡群
コア渓谷には、1万年から2万年前の馬、牛、他の動物、人物、抽象的な図像などが岩壁に描かれています。大きさは15cmから180cmまで多様性に富んでいます。
旧石器時代前期以降(紀元前2万2千~1万年ころ)に描かれたものと推測されています。世界最古の洞窟壁画で有名な、スペインにある世界遺産アルタミラ洞窟壁画と同時期に描かれたものとして注目されています。
コア渓谷のロックアート遺跡群の価値を高めているのはその希少さ広がりです。先史時代の洞窟壁画は世界中で発見されていますが、屋外の壁画は稀です。また約17kmにわたり16カ所の岩絵群という広がりを考えても、コア渓谷のロックアート遺跡群に匹敵するものはなく、まさに希少価値の高い世界遺産なのです!
2.シエガ・ベルデのロックアート遺跡群
ドウロ川の支流であるコア川沿いにある「コア渓谷の先史時代のロックアート遺跡群」に対し、スペインのカスティーヤ・イ・レオン州にある「シエガ・ベルデの岩絵遺跡群」は同じドウロ川の支流、アケダ川下流域にあります。
ポルトガルの遺跡群にはおよそ5000点の壁画がありますが、こちらは440点ほどと少しこじんまりしています。コア渓谷でもシエガ・ヴェルデでも、そして洞窟の中でも野外でも、同じ主題や技法で絵が描かれているという事実に注目してこの貴重な世界遺産見学を楽しみましょう!
◎まとめ
いかがでしたか。先史時代の洞窟壁画は数が多いものの、青空のもとにある世界遺産「コア渓谷の先史時代のロックアート遺跡群」のような岩絵群は稀です。
ポルトガルとスペインの両国の渓谷沿いに点在するその広がりも世界遺産の価値を高めています。世界遺産見学リストに「コア渓谷の先史時代のロックアート遺跡群」も加えてみてはいかがですか。