名称:ニュー・ラナーク(New Lanark)
住所:New Lanark, Lanark ML11 9DB, Scotland
公式・関連サイトURL:http://www.newlanark.org/japanese/
ヨーロッパの北西に位置し、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国の4つの国のうちのひとつ、スコットランド。スコットランドはイングランドと同じくグレートブリテン島にあり、ツイード川の北側がスコットランド、南側がイングランドです。2018年末時点で登録されているスコットランドの世界遺産は、文化遺産が5つ、複合遺産が1つの計6つ。どの遺産も歴史や文化を感じることができ、世界中から観光客を集める素晴らしい世界遺産ばかりです。中でも特に人気があり、毎年40万人以上の観光客が訪れる場所が「ニュー・ラナーク」。ニュー・ラナークは、紡績で栄えた古い集落(村)です。見所をチェックしましょう!
目次
スコットランドが誇る世界遺産「ニュー・ラナーク」を見に行こう!
ニュー・ラナークとは?
ニュー・ラナークの歴史は、1786年にデヴィット・デイルによって綿紡績工場が作られたことから始まります。彼はクライド川の水力を利用するためにこの地に工場を建設し、同時に工場で働く人のための住宅も作りました。共同所有者には彼の義理の息子であり、社会改革家や実業家として知られるロバート・オウエンも名を連ねており、のちにこのニュー・ラナークにとって需要な人物となります。
オウエンは、村で働く人たちの生活を改善することに力を尽くしました。幼児学校を作るなど、工場の労働力であった子供達に教育の場を与えました。様々な点で労働環境と生活の向上を目指し、「労働者を劣悪な境遇に置かずとも利益をあげられる」ことを示したのです。
ニュー・ラナークは事業として成功を収め、1968年の工場閉鎖まで稼働を続けました。時間の経過とともに建物は風化や荒廃が見られましたが、歴史を守るために1974年に修復作業が開始し、2001年にユネスコ世界遺産に登録されました。村の建物は、博物館や店舗などに使用されていますが、今でも居住者がいます。村は昔の姿をそのままに残しており、スコットランド有数の観光地です。
ニュー・ラナークへのアクセス
ニュー・ラナークは、スコットランドのサウス・ラナークシャーの街であるラナークのほど近くに位置します。スコットランドの有名な都市と言えばエディンバラかグラスゴーですが、どちらからもアクセスできます。
車を利用する場合は、どちらの都市からも1時間弱見ておきましょう。町並みや自然を見ながらのドライブもまた貴重な体験となりそうですね!公共交通機関を利用する場合はラナーク駅を目指します。グラスゴーからの方がアクセスが良く、1時間前後、エディンバラからは2時間ほどかかります。駅からはニュー・ラナーク行きのバスも運行していますが、徒歩でも20〜30分ほど。散策しながら目指すのもオススメですよ。
ニュー・ラナークのおすすめポイント2
1. 歴史ある建築物
出典: Carole MacDonald/shutterstock
世界遺産に登録された村、ニュー・ラナーク。最大の魅力は、ははり産業革命時代の建物です。工場の操業が停止した今、建物の役割は当時と変わりましたが、訪れる人々を温かく迎え入れ、歴史を後世に伝える役割をしっかりと果たしています。
ブラックスフィールド・ロウやロング・ロウなどの居住ブロックは現在もニュー・ラナークに住む人たちの大切な居住エリアですが、ウィー・ロウはユースホテルとして利用されています。使われなくなった工場は、ホテルや店舗、レストランやカフェに、オウエン邸は博物館として、息を吹き返しました。世界遺産に相応しい歴史ある建物、しっかりと見学しましょう。ニュー・ラナークを訪れたら、まずはビジター・センターに行くのがおすすめ。乗り物に乗って当時の様子を見られるアトラクションが用意されているので、工場での労働や生活について知ることができます。
2. 豊かな自然
ニュー・ラナークは、村の東側を流れるクライド川と豊かな緑に囲まれた自然豊かな場所です。ニュー・ラナークを訪れる際は、美しく保存された建物だけでなく大自然も必見。世界遺産に登録された村の中に残る建物のカラーと自然の緑のコントラストは素晴らしく、時間を忘れて見入ってしまいます。
ニュー・ラナークはクライド川の恩恵を受け、水の力で発展した村。現在クライド川付近は野生保護区に指定されており、自然を堪能できる場所として知られています。大小の滝がいくつも重なるクライド滝は有名な観光名所で、ニュー・ラナークからも向かうことができます。川沿いに作られた遊歩道を歩くこと約1時間、森の中には幻想的な幾つもの滝が!大自然のパワーを実感し、世界遺産に想いを馳せましょう。
◎まとめ
スコットランドが誇る世界遺産、ニュー・ラナークを紹介しました。水力を利用できる場所に工場を作り、そこで働く人たちの施設を充実させるために利益を投資して作られた町、ニュー・ラナーク。遥か昔の建物は今も美しい状態を保ち、産業革命時代の歴史を物語っています。ぜひ訪れてみたいですね。