【世界遺産】シントラの文化的景観|エデンの園と謳われたポルトガルの街

【世界遺産】シントラの文化的景観|エデンの園と謳われたポルトガルの街

イギリスの詩人バイロンをして、「エデンの園」と言わしめたポルトガルの美しい街、シントラ。8世紀には既にムーア人が住んでいたと言われています。

古い歴史を物語るかのように、シントラには数々の遺跡や城が残されています。それらの史跡と周囲の自然は独特の景観で、1995年ユネスコの世界遺産に認定されました。その美しき景観を詳しく紹介していきます。

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【世界遺産】シントラの文化的景観|エデンの園と謳われたポルトガルの街

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「シントラの文化的景観」とは?

シントラの文化的景観 (ポルトガル世界遺産)

世界遺産の正式名は「シントラの文化的景観」。世界遺産において、「文化的景観」と言う概念が盛り込まれたのは比較的新しく、1992年のこと。形式上は文化遺産の範疇になりますが、そこには単なる史跡だけではなく周囲の自然との関わりが重視されたとの意味が込められています。

有名な詩人バイロンは19世紀初め、友人への手紙でここシントラを"世界一美しい"と称えたと伝わります。この地が代々ポルトガル王家の避暑地として使われたのも、この様な自然の美しさがあったからでしょう。

ムーアの城跡(シントラの文化的景観)

この世界遺産の中には数多くの見所がありますが、その中から必見のスポットを幾つかご紹介します。

まずは、8~9世紀にムーア人が建てた城「ムーアの城跡」。今では城壁だけが残り、「ミニ万里の長城」の様相を呈していますが、ここから眺めるシントラの街は正に絶景と言える景色です!

シントラで最も有名なのが、標高約500mの山の上に立つカラフルな「ぺーナ宮殿」。鮮やかな赤や黄、青色に塗られ、様々な建築様式が入り混じったこの宮殿は、遠くから見るとまるでお伽の城のよう。この他にも、レガレイラ宮殿や王宮等、世界遺産に含まれる史跡はまだまだ沢山あります。

首都リスボンから近く元々観光客に人気の場所でしたが、世界遺産登録後は更に多くの観光客が集まっています。人気スポットでは入場券を求める長蛇の列も。日本でも、ここを舞台にしたTVコマーシャルが放映されたことからますます注目を浴びました。そんな美しいシントラを、訪ねてみませんか。

シントラの文化的景観へのアクセス

日本からポルトガル国内への直行便はありません。どこかの都市を経由することになりますが、直行便の本数や経由地からリスボンまでの時間を考慮すると、オススメはパリかロンドン経由。そこからリスボンまでの飛行時間は両都市ともおよそ2時間半。

リスボンからシントラまではとても近く、リスボンのロシオ駅から郊外電車に乗れば、約40分でシントラに着きます。シントラの市街地は狭いエリアなので徒歩でも大丈夫ですが、見所のお城や宮殿は山の上にあるため、徒歩なら1時間余り。バスを利用するのが良いでしょう。

シントラの文化的景観おすすめポイント①:王家の離宮「シントラ宮殿」

シントラ宮殿(シントラの文化的景観)

シントラ宮殿は、15世紀から19世紀にかけ、ポルトガル王家が代々夏の離宮として使用した場所。

この宮殿は当時シントラを支配していたムーア人の豪邸が元になっており、15世紀になってポルトガル王家が宮殿に造り替えたもの。その後16世紀に世界を股にかけていたポルトガルが、大航海時代の富を惜しげもなくつぎ込んで増改築を繰り返し、今の形になりました。

その為、シントラ宮殿の内部は大変豪華!中には、「アラブの間」「白鳥の間」「人魚の間」等の部屋があり、どの部屋も、ポルトガルの伝統的タイルのアズレージョで美しく装飾されています。特に「アラブの間」のアズレージョは、ポルトガルに現存する最古のものだとか。また16世紀末には、何と日本の天正遣欧使節団が白鳥の間で枢機卿に謁見したとも伝えられています。この世界遺産、既に400年前に見た日本人がいたとは驚きですね!

シントラの文化的景観おすすめポイント②:人工美を感じる「ペーナ宮殿」

ペーナ宮殿(シントラの文化的景観)

シントラの街を一望する頂にそびえ立つ世界遺産の1つ、ペーナ宮殿。まず訪れて驚くのはその外観でしょう。赤や黄色、青などとても色鮮やかな色彩が目に飛び込んできます。木立に囲まれた自然豊かな場所にあるため、人工物であるペナ宮殿との対比がとても印象的です。

ペーナ宮殿はマリア2世の夫フェルナンド2世が、廃墟となっていた修道院を改築したもの。残念ながらフェルナンド2世の存命中には完成しませんでしたが、ゴシック様式、マヌエル様式、ルネサンス様式など、さまざまな建築様式を含んだ宮殿として造り上げられました。

外壁には美しい装飾タイルのアズレージョが施された部分の他に、ギリシャ神話に登場する海の守護神・トリトンや貝の彫刻などを目にすることが出来ます。ペーナ宮殿内部の見学ももちろん可能。ぜひ観光してみてくださいね。

シントラの文化的景観おすすめポイント③:足を延ばして「ロカ岬」へ

ロカ岬

世界遺産の街シントラは、ユーラシア大陸最西端として有名なロカ岬の玄関口としても知られる町。ここまで来たからには、ロカ岬まで足を延ばしましょう。多くの日本人バックパッカーの旅のバイブルともなった、沢木耕太郎氏の旅行記『深夜特急』の最終目的地はここです。

ロカ岬までは鉄道が無いので、シントラ駅の近くからバスで行くことになります。約40分でロカ岬インフォメーションセンターに。ここから岬までは徒歩5分程度ですが、その前にここで最西端到着証明書を入手しましょう。大小2種類ありますがいずれも有料です。でもほとんどの旅行客が購入しているので、ここでは外せない旅の記念ですよね。

岬には石碑が立っており、ポルトガルが生んだ偉大な詩人カモンイスが詠んだ有名な一節「ここに地終わり、海始まる」が刻まれています。140mの断崖から見下ろす大西洋は世界遺産の美しさとは対象的に、雄大そのものです。

◎ポルトガルの世界遺産「シントラの文化的景観」まとめ

ペーナ宮殿(シントラの文化的景観)

世界遺産「シントラの文化的景観」をご紹介しました。ユーラシア大陸最西端に近い美しいシントラですが、既に400年以上も前に日本人の足跡があるとは、正に驚きです。当時としては命がけの旅だったことでしょう。

直行便こそ無いものの、我々はいとも容易に世界遺産シントラに辿り着くことが出来ます。皆さん、次の休暇にはシントラを訪れ、現代に生まれた幸せを思いっきり嚙み締めてはいかがでしょうか!

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