かつて世界の中心だったポルトガル!在りし日の栄華を感じる世界遺産全15ヶ所を紹介

画像出典:Nailton Barbosa

かつて世界の中心だったポルトガル!在りし日の栄華を感じる世界遺産全15ヶ所を紹介

ポルトガルは、ヨーロッパの最西端に位置するスペインと大西洋にはさまれた小さな国です。卓越した航海技術で、大航海時代にはまさに世界の中心であったポルトガル。現在もその頃の栄華の面影を、そこかしこに見ることができます。

そんなポルトガルにはユネスコの世界遺産に登録されている文化遺産が14件、自然遺産が1件あります。絶景から貴重な遺跡まで、様々なスポットが国内に点在。それではポルトガルの世界遺産をご紹介します。

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かつて世界の中心だったポルトガル!在りし日の栄華を感じる世界遺産全15ヶ所を紹介

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1.リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔

出典: MissJusteen

「リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔」は、1983年に文化遺産として世界遺産に登録されました。この遺産はポルトガルの首都リスボンにあり、ポルトガルで観光客が最も多く訪れる世界遺産といえます。

ポルトガル建築の最高傑作といわれるジェロニモス修道院は大航海時代にエンリケ航海王子とバスコ・ダ・ガマの偉業を讃え、航海の安全を祈願して建てられました。ベレンの塔はバスコ・ダ・ガマの世界一周航海を記念して、テージョ川河口に建てられた要塞。美しい彫刻が施された石灰岩の建物です。当時はテージョ川を行き来する船の監視塔でした。中には大砲や牢獄などがあり、当時の面影を感じることができますよ。

2.ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院

出典: Odddutch

ポルトガル第2の都市ポルトの旧市街が「ポルト歴史地区、ルイス1世橋およびセラ・ド・ピラール修道院」として世界遺産に登録されています。ポルトの街に降り立つとすぐに目につくルイス1世橋は骨組みが美しく、ポルト旧市街のオレンジ色の屋根とマッチしています。パリのエッフェル塔の設計者の弟子が設計しただけあり、どこか雰囲気が似ています。

ポルト旧市街には、クレリゴス教会、ボルサ宮など歴史的建造物が立ち並ぶ美しい場所。それらの建物にはポルトガルらしいアズレージョタイルが施されれており、世界遺産になるのも納得の素晴らしい景観です。セラ・ド・ピラール修道院からの夜景も、見逃せない美しさですよ。

3.シントラの文化的景観

出典: kinga mesaros

ポルトガルの首都リスボンの近郊の街シントラは「シントラの文化的景観」として、城などの建造物や街の景観が文化遺産として世界遺産に登録されています。シントラは12世紀に国土回復運動(レコンキスタ)によりイスラム教からキリスト教に転換し、14世紀にはポルトガル王室の避暑地でした。この名残を見せる独特の建築物が世界遺産となっており、シントラ宮殿、ペナ宮殿などは特に有名です。

白壁の美しいシントラ宮殿は王家の夏の離宮でした。ポルトガルでは珍しいイスラム建築を基にしています。19世紀のロマン主義を代表する建築物、ペナ宮殿は様々な建築手法が用いられたとてもカラフルな建物です。このシントラの世界遺産の中でも特殊で、他に類を見ない建物ですよ。

4.バターリャ修道院

出典: Dmitriy Fomenko

リスボンから北西へ約120kmの所にある小さな街バターリャにあるバターリャ修道院は、文化遺産として世界遺産に登録されています。「バターリャ」とは、ポルトガル語で「戦い」を意味しますが、その名のとおりこの地では12世紀ごろから王位をめぐる戦いが続いていました。この修道院が建てられた14世紀ごろ、アルジュバロータの戦いでスペイン勢を制しポルトガルが勝利しました。

その勝利を記念して建てられたこの修道院は「勝利の聖母マリア修道院」ともいい、ポルトガル独立の象徴として重要な世界遺産です。また何人もの建築家が関わったため、ゴシックとマヌエル様式などの多様な建築様式が取り入れられているのも特徴的です。

5.アルコバッサ修道院

出典: Jason Pearce

ポルトガル中部のアルコバッサの町にある世界遺産、アルコバッサ修道院です。町唯一の世界遺産としてシンボルになっています。修道院の正面ファサードは18世紀に改築されたバロック様式、内部はゴシック様式で当時のまま残されています。中にはポルトガル建国の父、国王ペドロ1世と王妃イネス・デ・カストロそれぞれの棺が安置されていて、白亜の石で造られたポルトガルゴシック彫刻の最高傑作と言われています。

6.アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの中心地区

出典: Carlos Tavares

ポルトガルの西側から約1400キロメートル離れた大西洋に浮かぶ火山群島、アゾレス諸島。この島々には大航海時代、新大陸と旧大陸の中継地点として様々な建築物が建てられました。その場所は「アゾレス諸島のアングラ・ド・エロイズモの中心地区」として、世界遺産に文化遺産として登録されています。

大航海時代この地には聖サルバドル大聖堂、聖ヨハネ要塞、聖フランシスコ修道院などが建設され繁栄していました。これらの建築物は、新大陸発見という人類の歴史を辿る上で重要な時代を証明するものとして、世界遺産登録につながりました。ポルトガルの大航海時代を象徴する、必見のスポットです。

7.トマールのキリスト教修道院

出典: jonfholl

リスボンの北西約120キロメートルほどの場所にある街、トマールにある世界遺産が「トマールのキリスト教修道院」です。1147年のイスラム教徒とポルトガルとの戦いで、テンプル騎士団がポルトガルの勝利に大きく貢献したため、褒美としてトマールの街がテンプル騎士団に与えられたという歴史があります。

この修道院は、その後テンプル騎士団によって建設され、テンプル騎士団の本部として使用されていました。また、この修道院を中心として、ポルトガルが到達した新天地でのキリスト教布教が行われていました。ここはテンプル騎士団ゆかりの世界遺産として観光客にも人気があります

8.コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群

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「コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群」はポルトガルのコア渓谷とスペインのシエガ・ベルデにまたがる遺跡群で、文化遺産として世界遺産に登録されています。コア渓谷はポルトガル第2の都市ポルトから東に約100キロメートルほどの場所にあります。

先にコア渓谷の遺跡が発見され、野外ではヨーロッパ最大級の旧石器時代の岩絵として1998年に単独で世界遺産登録されました。その後発見されたシエガ・ベルデは2010年に拡大登録され現在の形になりました。岩絵は主にウマ、ウシ、ヤギなどの動物を表したもので、人物画や抽象的な図像も見られます。ポルトガルの有史以前の歴史が垣間見える貴重な世界遺産です。

9.ギマランイス歴史地区

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ギマランイスはポルトガル第2の都市ポルトから北西に40キロメートルほどの場所にある街で、その旧市街が「ギマランイス歴史地区」として世界遺産に登録されています。ここはポルトガル初代国王アフォンソ1世が生まれた地であることから、ポルトガル誕生の地といわれています。

歴史地区にはギマランイス城や教会、住宅など中世の街並みが当時のままの状態で残されているため、文化遺産として世界遺産に登録されました。とても風情のある町並みが魅力的です。ポルトから鉄道で約1時間弱ほどで到着するアクセスの良さ。それぞれの世界遺産となっている旧市街を比べてみるのも楽しそうですね。

10.コインブラ大学 - アルタとソフィア

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ヨーロッパ屈指の伝統と歴史を誇る名門で、ポルトガル最古の大学であるコインブラ大学。「コインブラ大学 - アルタとソフィア」として世界遺産に登録されています。アルタ地区は現在の大学の建物群や歴史的建造物が立ち並ぶエリアで、ソフィア地区はソフィア通りやサンタ・クルース修道院周辺のエリアです。

コインブラ大学は、ポルトガル海上帝国時代からはじまり現代でもなおその影響力が大きいこと、学校と街が一体化していることなどから価値が認められ世界遺産に登録されました。観光するなら世界でもっとも美しくて豪華な図書館といわれる「ジョアニナ図書館」は必見ですよ。

11.国境防衛都市エルヴァスとその要塞群

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エルヴァスはリスボンから東に110キロメートルほどの場所にあるポルトガルとスペインとの国境付近の街です。この街は「国境防衛都市エルヴァスとその要塞群」として世界遺産に登録されているとおり、古くからスペインとの要衝の地としてポルトガルを侵略から守ってきました。

旧市街地は1643年以降に建てられた世界最大の星型の塁壁で囲まれており、街の南部にサンタ・ルジア要塞、北部にグラサ要塞があります。この世界遺産には要塞群以外にもアモレイラの水道橋や歴史地区が含まれています。17世紀のポルトガルでの国際的な政治情勢と、軍事建築の発展を伝える遺産として世界遺産に登録が認められました。

12.ピコ島のブドウ畑文化の景観

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ピコ島はポルトガルの沖合約1100キロメートルの大西洋にあるアソーレス諸島で2番目に大きな島です。ポルトガル最高峰の火山とピコ・ワインで有名な場所で「ピコ島のブドウ畑文化の景観」として世界遺産に登録されています。

世界遺産登録の経緯は、15世紀から伝わる伝統的なピコ島の農業景観が現在でも残っているためです。ブドウの苗木は、溶岩の割れ目に植え、その周囲を溶岩を積み上げた伝統的な石垣で風除けし育てます。収穫は手作業で行い、果汁の絞り出しは現在でも足踏みで行われています。ポルトガル本土からは飛行機で約2時間半ほどかかりアクセスは良いとはいえませんが、ここにしかない風景を持つ美しい世界遺産の島は必見ですよ。

13.エヴォラ歴史地区

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エヴォラは歴史的に重要な遺産の残る街で、「エヴォラ歴史地区」として世界遺産に登録されています。ポルトガルの首都リスボン南東に100キロメートルほどの場所にあります。ローマ時代につくられた、ポルトガルの歴史を集めたような街です。街全体が城砦となっており、街を取り囲む城壁が特徴的です。

エヴォラ大聖堂、サン・フランシスコ教会、マヌエル王宮など様々な建築物が世界遺産に登録されていますが、中でもディアナ神殿は、この街のシンボルとなっているローマ時代の遺跡です。ポルトガルに現存するローマ神殿の中でも状態の良いものといわれています。

14.アルト・ドウロ・ワイン生産地域

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ポルトガルの北部を流れるドウロ川の上流では、山地を活かした段々畑でのブドウ栽培が盛ん。その地域は「アルト・ドウロ・ワイン生産地域」として世界遺産になっています。一帯はポルトガル北部の13自治体が含まれる広大なエリアで、総面積は約25万ヘクタールにも及びます。

3世紀から4世紀のローマ帝国時代からブドウ栽培が行われていたと考えられている、とても歴史のある生産地域なんです。有名なポート・ワインの産地として知られ、ポルトガルのお土産の定番となっていますよ。

15.マデイラ島の照葉樹林

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ポルトガルの沖合600キロメートルほどのところにあるマデイラ諸島。照葉樹林原生林が「マデイラ島の照葉樹林」として世界遺産に登録されています。ポルトガル唯一の自然遺産です。1500〜4000万年前には南ヨーロッパにも照葉樹林が見られましたが、その後気候変動により消滅し、残るのはマデイラ島のみであるといわれています。そのためマデイラ島の照葉樹林は、絶滅した植物種の生きた標本ともなっています。

◎まとめ

ポルトガルは最も華やかだった大航海時代の世界遺産が多いことが特徴的ですね。国土面積は日本の約5分の1と小さな国にもかかわらず豪華な世界遺産が多いのが、当時いかにポルトガルが影響力を持っていたのかを偲ばせます。ポルトガルは国土全体を鉄道網がはりめぐらされているので、各地に点在する世界遺産も比較的巡りやすいですよ。

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