名称:トスカナ地方のメディチ家の別荘と庭園群(Medici Villas and Gardens in Tuscany)
住所:via fiorentina, 276 50036 Vaglia FI
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/175
メディチ家とは、トスカーナ大公国の君主であり、フィレンツェに300年も君臨した名家です。フィレンツェの街を歩けば至る所で、メディチ家ゆかりの地に出逢えます。中でもこの世界遺産はメディチ銀行を設立し成功を収めた後、トスカーナ地方でイタリア・ルネサンスを開花させたメディチ家の栄華を象徴するものとして讃えられています。
フィレンツェと周辺の田園地帯に15~17世紀に建てられた、メディチ家にゆかりのある12箇所の別荘と2つの庭園の計14件が「トスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群」として世界遺産の対象となっています。2013年に世界遺産に登録された「トスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群」をご紹介します。
目次
【世界遺産】メディチ家の別荘と庭園とは?|ルネサンスを象徴する観光スポット!
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トスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群とは?
トスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群は、閑静な田舎に造られ、自然景観と建築美が上手く調和した、メディチ家の栄華を物語る世界遺産です。ポッジョ・ア・カイアーノ、ペトライアを始めとした豪華な邸宅やボーボリ庭園とプラトリーノ庭園の2つの庭園は、現代ヨーロッパに影響を及ぼした功績を見られる世界遺産として相応しいスポットです。特にメディチ家のヴィラは、ヨーロッパの王族邸宅建築の手本となっています。
イタリアで花開いたルネサンス文化を駆使した建物は、時代の先端を行く施設も備えた傑作ばかりです。トスカーナ地方の風光明媚な風景と一時代を築いた大富豪メディチ家の邸宅のコントラストは見るだけでも優雅な気分になれそう。中世ヨーロッパの宮殿・庭園における建築に多大な影響を与えた世界遺産「トスカナ地方のメディチ家の別荘と庭園群」は、花の都フィレンツェを語る上でも最高の観光スポットです。
アクセス
世界遺産のトスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群への行き方をご案内します。ここでは、おすすめスポットのヴィラ・ディ・カステッロとボーボリ庭園のアクセス方法をご紹介します。
別荘の一つカステッロへは、フィレンツェにあるサンタ・マリア・ノヴェッラ駅よりボローニャ方面へのローカル線に乗り、フィレンツェ-カステッロにて下車します。
庭園の一つボーボリ庭園は、ドゥオモから徒歩で約10分のヴェッキオ橋からさらに徒歩約5分です。壮大なルネッサンス建築で有名なピッティ宮の裏手に位置しています。
おすすめポイント①:ペトライアの別荘
ペトライアの別荘はフィレンツェの街を見下ろす段丘状の庭園の上にあり、世界遺産のメディチ家別荘の中でも特に美しいことで知られています。メディチ家のコジモ1世が息子フェルディナンドに買い与えたもので、彼がトスカーナ大公の地位に就いたことで、要塞風に改築されました。
舞踏室には壁一面に「メディチ一族の栄華」というフレスコ画で装飾されており、世界遺産のペトライアの別荘で、最大の見どころとなっています。イタリア国王もかつて暮らしたことがある別荘で、庭にあるジャンボローニャの「花の女神」の彫刻は必見です。美しいシャンデリアが印象的な邸宅内部や幾何学模様の庭園、彫刻噴水などを観賞でき、イタリア・ルネッサンスを開花させたメディチ家の功績とイタリア統一後のイタリア国王の暮らしぶりも垣間見られる世界遺産です。
おすすめポイント②:ヴィラ・ディ・カステッロの別荘
ペトライアの別荘から徒歩で約10分にある、世界遺産のメディチ家の別荘の一つカステッロの別荘です。邸宅内部の見学はできませんが、市民の憩いの場になっている壮麗な庭園を見ることができます。裏手にある庭園はイタリア式庭園の基礎となったもの。上部には森が広がり、レモンの大鉢や季節の花々に囲まれての散策道巡りも楽しめます。
庭園中央にあるアンマンナーティの彫刻で造られた「噴水」や、庭園奥にある滝の様な噴水では、大理石の動物彫刻が洞窟内部に造られた「動物洞窟」も世界遺産のカステッロの別荘では必見スポットです。また庭園内にあるハーブの低木もあり、その香りには癒されますよ。カステッロの別荘は手入れの行き届いた庭園や、メディチ家ゆかりの芸術家たちのアートに触れられる世界遺産です。
おすすめポイント③:ボーボリ庭園
ボーボリ庭園は、ピッティ宮に隣接する世界遺産のメディチ家の庭園の一つです。フィレンツェでも最大級の公園で、4万5000平方メートルの広大な丘陵地に広がっています。ピッティ宮にメディチ家が移り住んだ後に大規模な造営が行われ、森と手入れの行き届いた美しい庭園に彫刻・洞窟・噴水・円形劇場などが造られています。後にこのボーボリ庭園は、ヨーロッパ宮廷における造園のモデルとされたようです。
ネプチューンの噴水や島の噴水、円形劇場や3つの洞窟は必見です。また建物内部にあるギリシャ神話を題材にした彫刻も見る価値ありです。西側に位置するベルヴェデーレ要塞から見るフィレンツェの眺望も素晴らしいですよ。ピッティ宮の裏手にあり、広大な世界遺産ボーボリ庭園を歩くとメディチ家がどれだけの栄華を誇っていたのかを肌で感じることができそうです。
まとめ
世界遺産のトスカーナ地方のメディチ家の別荘と庭園群はいかがでしたでしょうか?この世界遺産を訪れると金融で成功したメディチ家が、芸術家を保護したことによりヨーロッパ芸術にどれほど多大な貢献したことになったのかを感じ取れます。
別荘&庭園とトスカーナの風景の調和も素晴らしいので、ぜひ、メディチ家の別荘と庭園群でイタリア・ルネッサンスの魅力を感じてくださいね!