【世界遺産】ヴァルカモニカの岩絵群とは?|壮大な歴史絵巻が登場!?

画像出典:Luca Giarelli (CC BY-SA 3.0)

【世界遺産】ヴァルカモニカの岩絵群とは?|壮大な歴史絵巻が登場!?

イタリア初の世界遺産である「ヴァルカモニカの岩絵群」には、紀元前19年ごろから紀元前3年ごろに渡って先住民族のカムニ人によって岩に描かれた神秘的な岩絵が残っています。アルプスの麓を流れるオーリオ川沿いの70キロメートルのエリアにある岩絵は14万点以上。描かれた岩の数は約2000個もあり、21の市町村に点在しています。

8つの国立公園・保護地区からなる世界遺産の「ヴァルカモニカの岩絵群」。中でも「ナクアネ岩壁彫刻国立公園」では、104つもの岩絵を見ることができますよ。イタリアが誇る世界遺産「ヴァルカモニカの岩絵群」についてご紹介します。

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【世界遺産】ヴァルカモニカの岩絵群とは?|壮大な歴史絵巻が登場!?

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ヴァルカモニカの岩絵群とは?

出典: Pecold / shutterstock

世界遺産「ヴァルカモニカの岩絵群」に見られる岩絵は氷河の浸食により滑らかになった岩の表面に精巧に描かれており、この規模は有史以前のものの中では世界最大級の岩石彫刻です。この中で一番古いものは8000年以上前の旧石器時代に描かれたもの。その後は新石器、青銅器、鉄器時代を経て、古代ローマ時代のヴァルカモニカ住人が消え去るまで描かれ続けました。農耕、航海、戦争から動物や集落の地図など描かれている内容は多岐に渡り、彼らの生活ぶりを垣間見ることができます。

獲物を追っていた狩猟生活から農村での定住生活となり、次第に儀式や祭りの文化が培われていった様子まで克明に描かれており「ヴァルカモニカの岩絵群」が世界遺産に選ばれたのも納得の情報量。この地で生きた古代人が描いた世界遺産「ヴァルカモニカの岩絵群」を鑑賞して、はるか太古の時代に思いを馳せてみるのもいいですね。

アクセス

世界遺産「ヴァルカモニカの岩絵群」のなかでも人気の観光地「ナクアネ岩壁彫刻国立公園」への行き方をご紹介します。

イタリア5大都市の一つミラノからブレーシャ経由のローカル電車でカポ・ディ・ポンテ駅へ、約2時間半~3時間ほどで到着します。カポ・ディ・ポンテ駅から、徒歩で約20~30分でナクアネ岩壁彫刻国立公園に行くことができます。ガイド付きツアーなどもあるので、そちらを利用するのもおすすめですよ。

ヴァルカモニカの岩絵群のおすすめポイント①:岩絵の構図や発展の様子

出典: m.bonotto

世界遺産の「ヴァルカモニカの岩絵群」は描かれた期間が長いため、始めのうちの線をつなぎ合わせたような簡素なものから時代を重ね決闘や祭り、葬式といった絵画的なものへと成長していく過程を見ることができます。なかには先住民族とは違った服装をした人間も描かれていることもあり、他民族との戦いや交流があったことも見てとれます。

時代を追うごとに少しずつ人物の描き方にも変化が現れ、輪郭などがしっかりし陰影による立体化した描写も見られるようになっていきます。家や家事に使う道具、作物の豊穣を左右するまじない的なものまで描かれているんですよ。通常は単色で描かれていますが宗教的な色合いの濃い岩絵には、色付けされたものを見ることができます。「ヴァルカモニカの岩絵群」は、時代によって変化していくさまが見えてくるのも魅力の世界遺産です。

ヴァルカモニカの岩絵群のおすすめポイント②:ナクアネ岩壁彫刻国立公園

出典: Aigars Reinholds / shutterstock

世界遺産「ヴァルカモニカの岩絵群」で最大の規模を誇る、1955年に造られた国立公園「ナクアネ岩壁彫刻国立公園」。周辺には緑豊かな自然が広がり、3キロメートルの遊歩道では104もの岩絵を見ることができ、まるで野外博物館を歩いている気分で世界遺産を観光することができますよ。

エリアに分けて造られた園内では紀元前の岩絵から先史時代の小屋の跡、碑文なども見ることができます。バラエティー豊かな岩絵の中には神像が描かれているものもあり、興味深いですよ。「ナクアネ岩壁彫刻国立公園」はかなりのボリュームと規模なので、見学には少なくとも4時間くらいの所要時間は欲しいところです。歩きやすい服装で訪れることをおすすめします。

ヴァルカモニカの岩絵群のおすすめポイント③:セラディア・ベドリナ市立考古学公園

出典: m.bonotto / shutterstock

カポ・ディ・ポンテに隣接する「セラディア・ベドリナ市立考古学公園」。規模はナクアネ岩壁彫刻国立公園の3分の1ほどですが、様々なタイプの岩絵を見ることができるスポットとしてナクアネ岩壁彫刻国立公園に次ぐ人気を誇っています。「ヴァルカモニカの岩絵群」の世界遺産保護のために2005年に設立されました。100以上の岩絵が残されており、細かい描写で描かれているのも特徴のひとつです。

かつて行われていたダイナミックな狩猟の様子や緊張感のある戦争の様子、のどかな農耕風景や角笛のような楽器の姿など、バラエティー豊かな面白い岩絵と出会うことができます。比較的コンパクトかつ内容の濃い、オススメの世界遺産スポットです。

◎まとめ

イタリア初の世界遺産「ヴァルカモニカの岩絵群」をご紹介しました。1929年に発見されるまでは、苔や草に埋もれており完全に忘れ去られていたヴァルカモニカの岩絵群。1956年から8年もの歳月を要し本格的に調査と研究が進められました。古代ヴァルカモニカで暮らす人々が描いてきた岩絵はとても活き活きしていて、見ているだけでも元気になりそうですよ。ぜひ、風光明媚な大地に描かれた太古の岩絵を堪能してくださいね。

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