名称:カセレス旧市街
住所:Cáceres Spain
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/384/
スペインの西部にあるエストレマドゥーラ州カセレスは、ローマ人によって建設された歴史のある街。中世に建てられた建築様式の建造物が残る旧市街は、当時の雰囲気が色濃く残り、カセレス旧市街全体が1986年に世界遺産に登録されています。
まるで映画の世界のような街並みは、古い市壁に囲まれ、撮影も多く行われていますよ。カセレスは、小さな街で世界遺産としての見どころも旧市街に集まっているので、観光のしやすい魅力的な名所。そんなカセレス旧市街をご紹介します。
目次
【世界遺産】カセレス旧市街の観光情報|古代より残る城塞都市とは!?
カセレス旧市街とは?
カセレスは、紀元前25年に当時の世界を席巻していたローマ帝国によって築かれました。その後、スペインの他の地域と同じようにイスラム勢力の支配にカセレスも屈しますが、レコンキスタによってカセレスに多くの英雄が誕生。大航海時代には、カスティーリャ王国まで物資を運ぶ交易の重要都市として栄えました。
後にアメリカ新大陸が発見され、そこからカセレスに大量の金銀が持ち込まれるようになります。街はどんどん繫栄し、豪華な邸宅やルネッサンス様式、ゴシック様式の立派な建造物を建設。それらが旧市街に見事な保存状態で残され、「カセレス旧市街」として世界遺産登録されました。
城壁に囲まれた世界遺産の街はまるで当時のまま時間が止まっているかのようで、中世の世界を感じられます。
カセレス旧市街へのアクセス
スペインの首都のマドリードからカセレスまでは鉄道、またはバスで行くことができます。鉄道の場合は、マドリードのアト―チャ駅から1日5本ほど出ており、カセレス駅までは所要時間は約4時間30分です。
またバスの場合、マドリードの南バスターミナルから1日6~10本出ており、所要時間は約3時間40分~5時間。ぜひ寄ってみてくださいね。
カセレス旧市街のおすすめポイント
マヨール広場
マヨール広場は、カセレス旧市街の入り口にある広場で、世界遺産を見学するスタート地点のような所。広場の目の前にブハコの塔があり、イスラムがこの地を占領していた時に建てられたもので、ローマの切り石積みの上に建造されているのが特徴です。
カセレス旧市街の記念碑的な存在ですが、本来は城壁都市の北西の角地を見張る目的で建設。その隣に位置する星の門も世界遺産の見どころとして、多くの観光客が写真をおさめるカセレス旧市街の入り口の門です。
15世紀に造られた当初から少し形が変わり、馬車が通りやすくするため現在のアーチ型になりました。馬車が行き来していた城壁の入り口の門が、訪問者を中世の世界遺産の都市へ迎えてくれます。
サンタ・マリア教会
サンタ・マリア教会は、カセレスがイスラム教徒からレコンキスタによって奪回された後、城壁内のイスラム寺院跡に建てられた教会です。旧市街の象徴的存在のサンタ・マリア教会は、12~16世紀にわたって造られたので、ロマネスク様式からゴシック様式へと移行していくさまが建物に見られます。
全体的には、カセレス旧市街の他の建造物と同じようなゴシック様式。スペインの教会は派手な印象が多く、教会周りの塔を備えた貴族たちの豪華な館に比べ、少し地味な印象を受ける外観です。内部の祭壇装飾も、金ではなく木彫りで落ち着いた雰囲気。また塔には登ることができ、素晴らしい中世の街並みを見下ろすことができます。
カルバハル邸
15世紀にカセレスに到着したカルバハル家は、市内で最も重要な宗教建造物、サンタ・マリア教会の向かいに豪華な館を築きました。19世紀に火災に見舞われた後、現在の姿に修復され、観光やカセレス県の手工芸品を促進するための観光案内所としても機能しています。
世界遺産の街カセレスは新大陸発見当時、交易の重要都市だったのでスペインに持ち帰られた金銀が大量にこの地を通りました。そのため街は急速に発展し、カルバハル邸のような中世貴族たちが館を建てたのです。
カルバハル邸は、世界遺産の象徴的邸宅として中庭も見学可能。樹齢300年とも言われるイチジクの木が当時をしのばせるように立っているのが印象的ですよ。
◎まとめ
中世の街並みをそのまま城壁都市にしたようなカセレス旧市街は、数々の中世の歴史をテーマにした映画の撮影スポットとして有名です。
細い路地を入っていくと石畳の通りや、石を積み上げてできた家並みがとても魅力的でゆっくり散策したい名所。カセレス旧市街全体が世界遺産ですが、城壁内だけの観光ならそれほど歩きません。カセレス旧市街で、中世の世界を楽しんでくださいね。