ローマ帝国の繁栄と衰退の象徴!イギリスの世界遺産「ローマ帝国の国境線」

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ローマ帝国の繁栄と衰退の象徴!イギリスの世界遺産「ローマ帝国の国境線」

ユネスコの世界遺産であるローマ帝国の国境線は、イギリス、ドイツ、スコットランドにまたがる、全長740kmにもなる壮大な国境線です。ローマ帝国の繁栄と衰退の歴史を示すものとして、世界遺産に登録されました。

ここでは、イギリスのハドリアヌスの長城を中心にご紹介します。このハドリアヌスの長城の西端、カーライルの南側にはピーターラビットでおなじみの湖水地方が広がっているので、ぜひ併せて見学に訪れてみてください。また、ドイツのリーメスの長城やスコットランドのアントニヌスの長城についても触れるので、お見逃しなく。

目次

ローマ帝国の繁栄と衰退の象徴!イギリスの世界遺産「ローマ帝国の国境線」

ローマ帝国の国境線とは

出典: Michael Conrad/shutterstock

ローマ帝国の国境線は、1987年にイギリスのハドリアヌスの長城がユネスコの世界遺産に登録されました。その後2005年にドイツのリーメスに残るローマ帝国の国境線、そして2008年にイギリスのスコットランドにあるアントニヌスの長城が世界遺産に含まれ、全長約740kmがローマ帝国の国境線として世界遺産に登録されています。

ローマ帝国の国境線は5000kmにも及ぶと言われていますが、現在はっきりとした形で分かるのはこの3ヵ所のみ。ローマ帝国の繁栄と衰退を表す貴重な世界遺産です。またイギリスの世界遺産に登録されているハドリアヌスの長城の近くには、ビジターセンターがあり、博物館も一般公開されています。ハイキングシーズンの春から秋は、点在する遺跡を見ながら散策するのもおすすめですよ。

ハドリアヌスの長城へのアクセス

世界遺産ハドリアヌスの長城へは、エジンバラから鉄道でカーライル駅へ行きます。そこからバスで約1時間のところにあり、長城の近くには、ビジターセンターや博物館があるので、併せて見学に訪れてみてください。

ローマ帝国の国境線のおすすめポイント3

ハドリアヌスの長城

出典: Paul Banton/shutterstock

最初に世界遺産に登録されたハドリアヌスの長城は、イングランド北部のスコットランドとの境界線近くにある長城。皇帝ハドリアヌスが北方民族の侵入を防ぐために122年に築いたものです。ハドリアヌスの長城の壁の高さは4~5m、幅は約3m、その距離はニューカッスル・アポン・タインからカーライルまで118kmに及びました。

世界遺産であるハドリアヌスの長城は、当初は土塁で造られましたが、その後石垣で補強されます。約1.5kmごとに監視所、約6kmごとに砦が設置されるという壮大なもので、当時は500人から1000人ものローマ兵が防護にあたっていました。ローマ帝国の繁栄を示す世界遺産です。

リーメスの長城

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世界遺産であるリーメス長城跡は、ドイツのライン川とドナウ川の間にあります。ドナウ川からライン川までのびる約550kmに及ぶ長城で、ゲルマン民族の侵入を防ぐために紀元前2世紀頃に造られたもの。

リーメスは大きく2つの部分に分かれており、ライン川とライン川の支流であるマイン川に沿いには土塁による長城と堀が造られました。また長城にそって約40の砦が作られていたようです。後期に作られたレチア部分は、石塁で築かれました。

世界遺産であるリーメス長城には、300mから800mの間隔で物見櫓が作られ、さらに60以上もの城砦が作られました。こちらも、ハドリアヌスの長城と同じように、約百人の守備隊が配置されていたようです。

アントニヌスの長城

出典: TreasureGalore/shutterstock

2008年に世界遺産に登録されたアントニヌスの長城は、スコットランドの中央部に残る石と土で作られた防塁です。アントニヌス帝の統治時代、142年から144年にかけて作られたもので、古キルパトリックからフォース湾沿いのフォールカークまで60㎞に及んでいます。

世界遺産のアントニヌスの長城は、当初は160㎞南にあるハドリアヌスの長城に代わるものとして建設。寒さが厳しいローマ帝国の北辺に、わずか2年で作り上げられました。その跡、世界遺産のアントニヌスの長城は、スコットランド人の攻撃を何度も受け、建設後わずか20年で放棄されます。領土の拡大とともに国境線を守る難しさが生じ、ローマ帝国の繁栄と衰退を示す世界遺産となっています。

◎まとめ

世界遺産に登録されている「ローマ帝国の国境線」をご紹介しました。ハドリアヌスの長城沿いには、古代ローマ人たちの築いた街や砦、寺院などの遺跡が点々としていて、ウォーキングルートやサイクルルートが整備されています。また春から秋にかけては、長城沿いに遺跡観光に便利なバスが運行されており、歩いて回ることもできますよ。古代の歴史を感じながらぜひ踏破してみてくださいね。

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