【世界遺産】アラゴンのムデハル様式の建築物とは?

画像出典:Escarlati (CC BY-SA 3.0)

【世界遺産】アラゴンのムデハル様式の建築物とは?

「アラゴンのムデハル様式の建築物」は、スペイン北東部アラゴン州にある10の建築物から成る世界文化遺産。イスラム文化の影響を取り入れた中世スペイン独特の建築様式であるムデハル様式は、繊細でたくさんの幾何学模様を取り入れているのが特徴です。

そんなエキゾチックな世界遺産を詳しく紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

目次

【世界遺産】アラゴンのムデハル様式の建築物とは?

目次を閉じる

アラゴンのムデハル様式の建築物とは?

出典: www.istockphoto.com

ムデハルとは「残留者」の意味で、キリスト教徒に征服された町にそのまま居残り続けることを許されたイスラム人たちのことです。元々アラゴン州はイスラムが支配していた土地でしたが、キリスト教国家に再征服されました。しかし残ったイスラムの人たちによって、イスラム文化の影響を強く残したものを建てていきます。そうしてイスラムとヨーロッパの建築様式が融合した建築様式、ムデハル様式の建造物がたくさん誕生しました。

まず1986年にムデハル様式の建造物が点在する町テルエルの中から、4つの建物が「テルエルのムデハル様式の建築物」として世界遺産に登録されます。2001年にアラゴン州内に点在する6つの建造物が加えられ、世界遺産も「アラゴンのムデハル様式の建築物」と改名されています。

アラゴンのムデハル様式の建築物へのアクセス

「アラゴンのムデハル様式の建築物」の世界遺産観光の拠点テルエルにマドリードから行く場合、南バスターミナルからバスで所要時間約3時間30分。電車で行く場合、カサゴラから約2時間20分、バレンシアからは約2時間です。

おすすめポイント①カテドラル

出典: www.istockphoto.com

1171~1587年にかけて建てられた、アラゴン州テルエル最古のムデハル様式の塔を持つ重厚なカテドラルです。アラゴン国王の命令によりロマネスク様式で建てられ、14世紀なってゴシック・ムデハル様式に改築されています。テルエル大聖堂として知られ、1257年に建設された一際目立つ「塔」、それに「ドーム」、「屋根」の3箇所が世界遺産に登録されています。

18世紀に改築されてしまったため、ムデハル様式の部分的な箇所の登録となっているのです。それでも、カテドラルは世界遺産「アラゴンのムデハル様式の建築物」の見どころの一つです。

おすすめポイント②エル・サルバドル教会の塔

出典: www.istockphoto.com

テルエル駅から町へと入る美しい階段を上ると、左斜め前方に塔が見えます。これが世界遺産「アラゴンのムデハル様式の建築物」を代表する塔、エル・サルバドル教会の塔です。イスラム人とキリスト教徒による戦争の時代には、見張りのためにも使用されていた高い鐘楼で、14世紀初めのころに建造されました。

ムデハル様式の特徴がよく現れている塔でで、煉瓦や彩色パネル、それに石膏を使っています。幾何学模様の繊細な装飾を施した塔で、アラゴン州のムデハル様式の中でも最も美しい塔と言われる世界遺産です。こちらは上まで登ることができ、世界遺産であるテルエルの美しい街並みを眺めることができますよ!

おすすめポイント③アルハフェリア宮殿のムデハル様式の遺跡

出典: www.istockphoto.com

アラゴン州サラゴサにある、イスラムとカトリックが共存する宮殿です。1990年代、サラゴサの住民がアラゴンには価値の高いムデハル様式がテルエル以外の場所にも存在することに気づきました。その一つがこの宮殿で、2001年に他の5つの建造物と共に世界遺産に加えられ、「アラゴンのムデハル様式の建築物」と登録名も新たにされました。

11世紀にイスラムの王朝によって建てられましたが、アラゴン王が宮殿を占領、改築します。その後はキリスト教の支配下に入ったものの、ムデハル様式の特徴が残されたことによって世界遺産となっています。ムデハル様式の幾何学模様や草花模様など、細かい彫刻が施された柱や壁が見どころですよ。

◎まとめ

いかがでしたか?世界遺産の町テルエルを中心に、アラゴン州内に広がるムデハル建築は中世のスペイン建築を語るうえで外せない世界遺産です。今回取り上げた以外にも「アラゴンのムデハル様式の建築物」の世界遺産建造物はさらに7つもあります。

ぜひアラゴン州に出かけて、お気に入りのムデハル様式の建築物を探しに行ってみませんか?

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

スペインでおすすめの記事

スペインのアクセスランキング