【世界遺産】フォントネーのシトー会修道院とは?厳格なシトー派の真髄!

画像出典:canadastock/Shutterstock

【世界遺産】フォントネーのシトー会修道院とは?厳格なシトー派の真髄!

1118年に創建された「フォントネーのシトー会修道院」は、現存するシトー会の修道院の中で世界最古を誇ります。シトー会発祥の地であるブルゴーニュ地方の静かな森の中にあり、ロマネスク建築の美しい建築群を見られることから1981年に世界遺産に登録されました。戦争やフランス革命など時代の渦に飲み込まれながらも、なんとか建物は守り抜きましたが、穏やかなブルゴーニュ地方とは正反対だった修道院の壮絶な歴史を物語っているかのようです。今回は、そんなフランスの世界遺産「フォントネーのシトー会修道院」の魅力を余すことなくご紹介していきます。

目次

【世界遺産】フォントネーのシトー会修道院とは?厳格なシトー派の真髄!

1.フォントネーのシトー会修道院とは?

出典: canadastock/Shutterstock

フォントネーのシトー会修道院の建物は、フランスの修道士ロベール・ド・モレームが設立したシトー会派の建築物の中でも特に有名です。華美な装飾を一切施さないシンプルな造りの修道院からは、1日1回の食事と農作業以外はひたすら祈りを捧げていたという修道士たちの様子を垣間見ることができます。

1269年に王国修道院になり歴代王の保護を受けてきた「フォントネーのシトー会修道院」でしたが、中世から近世に掛けては戦争に巻き込まれ破壊や奪略に遭いました。
また、フランス革命の時代には敷地ごと売却され、製紙工場として使われていたという歴史もあります。驚くことにさらにその後は競売に掛けられ、世界で初めて有人飛行を行ったことで知られるモンゴルフィエ兄弟の資産となったのです。

装飾はほとんど施されておらず、煌びやかなステンドグラスや塔などは皆無。そんな簡素で高潔な修道院の姿は、まさにシトー会の精神そのものです。

フランス各地にある大聖堂などに比べるとちょっと物足りなさを感じるかもしれませんが、訪れる人々に安らぎを与えてくれるそんな世界遺産です。

2.フォントネーのシトー会修道院へのアクセス

世界遺産「フォントネーのシトー会修道院」の最寄りとなるのはモンバール(Montbard)です。パリのリヨン駅からTGVの直通列車を利用すれば、1時間程でアクセスできます。モンバール駅からはタクシーを利用すると便利ですよ。

距離はおよそ6km、所要時間は15分です。ちなみに、「フォントネーのシトー会修道院」周辺は何もないので、往路で利用したタクシーの運転手さんにお迎えを頼んでおくことをお忘れなく。

3.フォントネーのシトー会修道院のおすすめスポット

◆中庭の中回廊

出典: canadastock/Shutterstock

フォントネーの シトー会修道院の中で、唯一の安らぎの場だったと思われる回廊は必見です。特に飾り気も何もないシンプルな円形アーチと繰り返し続く太い柱だけという簡素なものですが、目の前に広がる中庭の美しい芝生を眺めていると修道院ならではの神秘的な感情にとらわれます。

回廊に立ちながら目をつぶると、かつて修道士たちが瞑想にふけり、静かに読書をし、祈りを捧げ心安らかに暮らしていた情景が目に浮かんでくるようですよ。この回廊を眺めているだけでも、「フォントネーのシトー会修道院」が歩んだ900年の歴史と、世界遺産に選ばれるだけの素晴らしさを感じられるでしょう。

◆聖堂

出典: Massimo Santi/Shutterstock

「フォントネーのシトー会修道院」では、聖堂(教会)、共同寝室、回廊、集会室、写本作業室、採暖室、鍛冶作業室を自由に見学できます。聖堂内は窓も華美なステンドグラスもなく、ポツンと祭壇が置かれているだけのシンプルな造りですが、その簡素さがむしろ心地よく落ち着けると人気を集めているのだとか。

聖ベルナールの戒律により小塔も建てられていないので、東側の日の光のみで内部は薄暗く厳かな雰囲気が漂っています。祈りのために置かれている聖母子像が、いかにもシトー派の修道院らしさを醸し出しており、世界遺産だということを改めて感じさせてくれますよ。パン焼き場やハーブ園なども併設されているので、あわせて見学してみてくださいね。

◎まとめ

「フォントネーのシトー会修道院」の修道士たちは、白いウールのガウンを身に纏っていたことから「白い修道士」と呼ばれていました。厳しい戒律の中で簡素な暮らしを徹底し、祈り働きながら過ごした「白い修道士」たち。

彼らの精神を象徴するかのような修道院は、素朴さの中に佇む究極の美だと言えるでしょう。ブルゴーニュ地方から始まってヨーロッパ各地に広まった、シトー派の厳格な空気感と歴史に触れる素敵な時間を思う存分味わってくださいね。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

フランスでおすすめの記事

フランスのアクセスランキング