名称:アビラ旧市街と市壁外の教会群
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/348/
スペイン中央部の町アビラは、標高1117mに位置する高原都市です。旧市街を取り囲む城壁がこの都市の象徴的な建造物で、街を訪れるとまるで中世の時代にタイムスリップしたかのように感じます!
世界遺産の町であるアビラは、修道院改革のために奮闘した聖女サンタ・テレサの生誕の地でもあります。そのため、16世紀には「聖者の町」と称されたアビラは、修道院改革の主要な都市として機能していました。
旧市街には歴史的建造物が残され、周辺に点在する彼女にゆかりの修道院、教会そして城壁と合わせて「アビラ旧市街と市壁外の教会群」として世界遺産となっています。今回はそんなアビラの世界遺産を詳しくご紹介しましょう!
目次
【世界遺産】アビラ旧市街の観光情報|城壁と聖人の町
アビラ旧市街と市壁外の教会群とは?
「城壁と聖人の町」として知られるアビラは、「アビラ旧市街と市壁外の教会群」として1985年に世界遺産に登録されました。
旧市街を取り囲む城壁は、11世紀にイスラム教徒の攻撃から町を守るために建設されたものでアビラの象徴。スペインでは城壁都市をいくつか見ることができますが、これほど建設当時の状態を保っている城壁は奇跡的で見ごたえ抜群です。
世界遺産の他の見どころとして、アビラ旧市街にある中世・ルネサンス期に建設されたいくつもの建造物があります。また、アビラは修道院改革に尽力を尽くしたサンタ・テレサの生誕の地であり、現在もサンタ・テレサ修道院、サン・ホセ修道院、エンカルナシオン修道院など、彼女にゆかりの修道院も数多く残っています。
アビラ旧市街は、まるで中世の町のようです。石畳の通りを歩くと世界遺産の町の落ち着いた雰囲気を味わうことができます!
アビラ旧市街と市壁外の教会群へのアクセス
スペインの首都マドリードからアビラまで鉄道またはバスで行くことができます。鉄道の場合、マドリードのChamartinチャマルティン駅またはAtochaアト―チャ駅から所要時間約1時間30分で着きます。1日に20本以上と頻繁に出ています。
アビラ駅からバスターミナルまでは徒歩約5分かかり、そこからアビラ旧市街までは徒歩約8分です。バスの場合、マドリードの南バスターミナルから1時間半に1本出ています。所要時間は約1時間30分です。
アビラ旧市街と市壁外の教会群のおすすめポイント
1.アビラの城壁
世界遺産の町アビラの象徴ともなっている旧市街を取り囲む城壁は、全長約2.5㎞、幅約3メートル、高さは平均12mあります。約20m間隔で88もの見張り塔があって、イスラム勢力の攻撃から町を守るために機能していました。
世界遺産の町アビラを独特なものにしている城壁は茶色の花崗岩を積み上げて築かれていて、太陽の光の差し具合で城壁の色がピンク色や柔らかい黄色に変化するのがとてもきれいで、夜にはライトアップもされます。
9つの門がありますが、城壁東面の南門、アルカサル門、または北門、サン・ビセンテ門からアビラ旧市街に入ることをおすすめします。城壁や門には登って歩くこともできます。特に南側の景色が素晴らしいと言われています。スペインにある中世の城壁の中でも群を抜いて保存状態の良い城壁を上から眺めると、まさに世界遺産としての重さを味わえるでしょう!
2.カテドラル
要塞も兼ねたこのカテドラルはアビラ旧市街を守る城壁の東側に組み込まれるように建っています。12~14世紀に建造され、ロマネスク様式とゴシック様式の融合建築で荘厳な雰囲気。アビラのカテドラルはスペインで初めてゴシック様式が採用されたことで知られています。
その様式の正面ファサードの重厚感があり、城壁に大聖堂が組み込まれているのでより一層荘厳さを醸し出しています。もちろん他では見れないカテドラルの外観でまさに世界遺産としてアビラの誇り高い建造物となっています。
内部は華麗な造りになっています。プラテレスコ様式の彫刻、ステンドグラスなどが見どころで長い月日がかけられて造られたことをうかがい知れます。要塞の目的を果たしているカテドラルはアビラでしか見ることができないゆえ希少価値の大変高い世界遺産ですよ!
3.サンタ・テレサ修道院
カトリックの聖女サンタ・テレサの生家の跡地に建てられた修道院はアビラ旧市街の中にあります。「アビラ旧市街と市壁外の教会群」の主な修道院で、唯一城壁の中に位置しています。世界遺産の町アビラは、16世紀にサンタ・テレサの修道院改革によって「聖者たちのアビラ」と呼ばれるほど、カトリック信仰の拠点として知られるようになりました。
修道院の袖廊にアビラが生んだ歴史的偉人サンタ・テレサの遺品が数多く展示されています。祭壇に向かって左奥の部屋が礼拝堂でテレサはそこで生まれたとされています。こちらの修道院はバロック様式で建てられており、同じ世界遺産の地アビラでは様式の異なる宗教建造物が存在しているのも見どころです!
◎まとめ
いかがでしたか。アビラの世界遺産「アビラ旧市街と市壁外の教会群」はまさに中世の世界を現代に残しています。
マドリードからも近いですが、中世の貴族の館を利用したホテルもあるので、ぜひ滞在して夜のロマンチックなアビラの世界遺産も楽しまれることをおすすめします!