名称：ソルテア（Saltaire）
住所：West Yorkshire, England
公式・関連サイトURL：http://whc.unesco.org/ja/list/1028
イギリスが誇る世界遺産の村、「ソルテア」。イングランドのウェスト・ヨークシャー州にあるソルテアは、ロンドンやバーミンガムなどに次ぐイギリス第5の都市リーズから近く、世界中の観光客が訪れる場所。19世紀半ばのヴィクトリア時代に建てられた建築物や美しい街並みは見どころが多く、見逃せません。そんな歴史遺産の村、ソルテアをご紹介します。
目次
イギリスの世界遺産の村ソルテア！美しいモデル・ビレッジを見に行こう
ソルテアとは？
2001年12月にユネスコ世界遺産に登録されたソルテアは、村の名称で村全体が世界遺産です。ソルテアは、産業家サー・タイタス・ソルトによって1853年に建設されたヴィクトリア朝時代の「モデル・ビレッジ」。モデル・ビレッジとは労働場所や居住場所、生活に必要な施設などが集まったコミュニティのこと。ソルトの所有していた工場のあった地域で大気汚染や伝染病といった問題が発生し、もともと何もなかったこの地に繊維工場や労働者のための施設を作りました。そしてでき上がったのがソルテアです。
村内には労働者用の石造りの家屋のほか、病院や学校、図書館、娯楽や教育の施設、公園などが建設され、理想的な町が完成しました。ソルテアの村は大切に保管され、150年以上が経過しても当時の状態が残されています。現在でも村内に居住している人はいますが、工場の操業は停止しており、ギャラリーやショップ、レジャー施設として利用されています。第二次世界大戦後、労働力として多くのアジア人が移住したため、現在でもアジア人が多く在住。産業施設としても有名な場所だったため、明治初頭に欧米諸国を巡った岩倉使節団はソルテアを訪問した歴史があります。
ソルテアへのアクセス
イギリス北部ウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォードにあるソルテアは、大きな街ではありませんがアクセスは便利です。空港（リーズ・ブラッドフォード空港）があり観光客の多く訪れる都市であるリーズからは車で30〜40ほど、電車ではリーズ駅からソルテア駅まで15分ほどで到着します。駅名標に「ソルテア、世界遺産」と書かれた無人の小さな駅を降りると、そこはもうソルテアの村の中。昔の工場や建物が見えてきます。リーズから40〜50分と少し時間はかかりますが、バスを利用することも可能です。
ソルテアのおすすめポイント2
1. ソルツ・ミル
ソルテアは繊維工場のために作られた村です。この村の繊維工場が稼働していた時代から現代まで、常に村の中心だったものがソルツ・ミル。繊維工場だったソルツ・ミルは、完成当時、世界一床面積の大きな工場でした。1986年に100年以上続いた操業を停止し、世界遺産として登録された現在は複合施設として活躍しています。
現在ソルツ・ミルには、アート・ギャラリー、レストランやカフェ、書店やアンティークショップなどの店舗のほか、ミュージックスクールや住居などが入っています。中でもアート・ギャラリー「1853ギャラリー」は観光客に特に人気のスポットで、世界遺産となったソルテアで最も有名な場所と言えるでしょう。ソルテア出身のポップアーティストであるデイヴィッド・ホックニーの作品がたくさん展示されています。展示品だけでなく、作業場の雰囲気の残る内観も一見の価値ありですよ！
2. ヴィクトリア・ホール
1867年から1871年の間に建設され、1872年11月に正式にオープンしたヴィクトリア・ホール。ソルテアの村に住む人たちのための娯楽や休養のため、または文化や学びの施設として使用されてきました。現在ではイベント会場や結婚式場として、またピラティスやカラテなどのクラスにも使われています。世界遺産の村にある重要な建築物で結婚式なんて、とても素敵ですね。
ヴィクトリア・ホールの目の前には緑豊かな庭が広がり、左右対称の美しい形の建物を引き立てます。ロンドンの彫刻家によって作られたライオンの彫刻やホールを守っているゴーガイル（怪物などをかたどった彫刻）やギリシャ神の彫刻も必見です！キレイに整備された建物や庭とともに、知識豊富でフレンドリーなスタッフが観光客を温かく迎えてくれます。世界遺産ソルテアを観光する際には必ず立ち寄りたいスポットです。
◎ まとめ
多くの日本人が観光に訪れる国、イギリス。昔ながらの美しい建物と大都市の高層ビル、そして豊かな自然の共存する美しい国です。観光客に人気の都市であるリーズから気軽にアクセスできる場所にある世界遺産「ソルテア」は、かつて人の力によって作られた「理想の町」でした。長い年月が経過した現在においても人々を魅了するソルテア、ぜひ一度訪れてみたいですね。
