名称:サヴォイア王家の王宮群
住所:Torino, Italy
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/823
イタリア北部の町トリノは、ミラノに次ぐ第二の工業都市。トリノといえば2006年に開催された冬季オリンピックを思い出される方も多いのではないでしょうか。
近年では観光にも力を入れているトリノは、かつての王家サヴォイア家によって美しい都として栄えていました。サヴォイア家によって建てられた数多くの建物が「サヴォイア王家の王宮群」として世界遺産に登録されています。
当時の栄華を思わせる絢爛豪華な建物の数々は歴史的にも貴重なものばかり。建物ひとつひとつがトリノの街並みに華やかさを加えていて、美しい世界遺産の景観を作り出しています。トリノを中心に点在する建物はどれも見逃せません。
本記事では「サヴォイア王家の王宮群」についてご紹介します。世界遺産にふさわしい素晴らしい建物の数々を見に、トリノへ訪れてみてください。
目次
【世界遺産】サヴォイア王家の王宮群とは?|トリノの街を彩るイタリア宮殿!
サヴォイア王家の王宮群とは?
出典: Erick Margarita Images/shutterstock
16世紀の終わり頃、サヴォイア公国の都とされたトリノの町に、華麗な王宮群を建設する都市計画が実施されました。当時のイタリアで活躍していた建築家をはじめ、多くの芸術家が手掛けた美しい宮殿や城が現在も残り、一時代を築いたサヴォイア家の繁栄を今に伝えています。サヴォイア王家の王宮群として世界遺産に登録されている、美しい建物の数々は圧巻です。
多くの王宮は博物館や公的機関の施設として現在も使用されており、一般公開されている建物も多いですよ。華麗な時代を窺い知ることができる歴史的にも貴重な場所として、観光客に人気の観光スポットです。建物の外観はもちろんのこと、内装も繊細で美しい装飾が施され、とても豪華な造り。実際に使用されていた調度品や、手入れが行き届いた庭園を見学することができる場所もあり、目を奪われます。
トリノを中心に点在する世界遺産の建物をすべて見て周るのは大変ですが、トリノ中心部にあるカステッロ広場の王宮をはじめ、代表的な建物をご紹介します。
サヴォイア王家の王宮群へのアクセス
現在、日本からトリノ空港への直行便はないため、ヨーロッパの主要都市を経由する方法が一般的です。フランスのパリやドイツのフランクフルト、イタリアのローマなどからの乗り継ぎが便利。また、イタリアのミラノから鉄道でトリノに行くこともでき、所要時間は2時間程度です。
サヴォイア王家の王宮群のおすすめポイント
王宮及びその庭園
トリノの中心部に位置するカステッロ広場に面して建っている王宮は、左右対称のデザインが美しいトリノのランドマーク的な存在です。16世紀から17世紀にかけて造られたこの建物は、サヴォイア王家の象徴でもあり、世界遺産の王宮群の中でも代表的な建築物。アクセスもしやすいので、世界遺産巡りの拠点としても便利ですよ。
当初のトリノ都市計画が1584年に始まり、完成したのが1658年。実に70年余りの時を掛けて造られた大作は、まさに世界遺産にふさわしい建物です。また、その後も一部増築され、18世紀にようやく現在の姿になりました。さらに、観光客にも人気なのが建物の裏手に広がる優美な庭園。隅々まで手入れが行き届いた庭園は、一見の価値があります。サヴォイア王宮群の中でも見逃せない建物のひとつです。
カリニャーノ宮殿
1679年に建設が始められて以降、1831年までサヴォイア家の宮殿として使用されていたカリニャーノ宮殿。美しいレンガ造りの建物としてはとても貴重なもので、世界遺産のサヴォイア王宮群の中でも一見の価値があります。トリノの街中でもひと際目を引くバロック様式の宮殿は、世界遺産に登録されているほかのサヴォイア王宮群の建物とは、一線を画しています。
1848年にはサルデーニャ王国の議事堂として使用されるようになりましたが、現在はリソルジメント博物館として一般に公開。世界遺産の風格が漂う建物の外観はもちろん、サヴォイア王宮群の中でも博物館として公開されている貴重な宮殿です。繊細で美しい内装や、歴史の様々な資料などは必見。トリノの街に訪れたら、ぜひ足を運んでみてください。
マダマ宮殿
サヴォイア王宮群の代表的な建物である王宮と同じく、カステッロ広場に面した場所にあるのがマダマ宮殿。こちらも、サヴォイア王家の王宮群の中では代表的な建物で、世界遺産巡りに欠かせない建物です。もともとはローマ帝国時代に砦があった場所で、14世紀に建設が始まりましたが、その後幾度かの改修を行い現在の姿になりました。
王宮と併せて世界遺産スポットとして人気のマダマ宮殿は、2006年のトリノオリンピックの際に、国際オリンピック委員会のラウンジとして使用されています。普段は、古典美術館として一般に公開されているので、内部もじっくり時間を掛けて見学するのがおすすめ。建物の裏側には要塞だった時代を思わせるレンガ造りの塔が残っていて、見ごたえありますよ。
◎まとめ
トリノの街に広がる世界遺産、サヴォイア王家の王宮群はいかがでしたか。数々の素晴らしい建物が残る歴史的に重要なトリノの街並みは、世界遺産にふさわしい美しい景観です。博物館になっている建物もあるので、歴史を少し学んでみるのもおすすめ。サヴォイア王家の繁栄時代がよく分かり、一層中身の濃い世界遺産巡りができます。数多くの建物をすべて見て周るのは難しいかもしれませんが、興味がある建物だけでもぜひ訪れてみてください。