名称:Heart of Neolithic Orkney
住所:Mainland Orkney, Scotland
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/514/
紀元前3000年頃という古代の人々の生活とはどのようなものだったか、見てみたいと思いませんか。新石器時代の人々の暮らしを想像できる遺跡がイギリスにあります。それは、イギリス北部のスコットランド諸島にある世界遺産「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」です。
謎の巨石群や住居跡、お墓などの世界遺産は、古代の人たちから現代の人々へ残された貴重なもの。今回はイギリスの世界遺産「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」のおすすめスポットをご紹介します。
目次
古代の巨石文化が眠る世界遺産!オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地
オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地とは?
オークニー諸島はイギリスで最も北部にある、70もの島々でできた所です。パパ・ウェストレー島の北ヨーロッパ最古の石の住居など、たくさんの遺跡が残されていますよ。
オークニー諸島の多くの遺跡の中でもメインランド島にある4つの遺跡、スカラ・ブレイ、リング・オブ・ブロッカー、ストーンズ・オブ・ステネス、メイズハウが「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」として1999年に世界遺産登録されました。近年まで埋もれていて手付かずの状態であったことが幸いし、保存状態が良く歴史的価値の高い世界遺産です。
オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地へのアクセス
日本からは、エディンバラ空港やアバディーン ダイス国際空港を経由して、オークニー諸島メインランド島にあるカークウォール空港まで行きます。スコットランドからは、フェリーも運行しており、スクラブスターからストロムネス(オークニー諸島メインランド島)行きがあります。また、メインランド島内は一日バス乗車券(Discover Orkney)を利用して移動すると便利ですよ。
オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地のおすすめポイント3
スカラ・ブレイ
新石器時代の人々がオークニー諸島でどんな家に住んでいたのか、よく分かる遺跡が「スカラ・ブレイ」です。1850年に発見されるまで5000年も埋まっていたので保存状態が極めてよく、そのことが世界遺産に指定される上で評価されました。
石を積み上げて作られた当時の住宅跡には、暖炉や食器棚、鍵などが残っており、寒いオークニー諸島で暮らしていた当時の人々の生活ぶりを垣間見ることができます。住居同士をつなぐトンネルや水を流す溝など、集落全体の機能が分かる跡も見つかっています。
また、スカラ・ブレイにはレプリカで再現された住宅も展示されており、家の中の家具まで再現されているため、古代の人々が住んでいた時代をイメージすることができるので興味深いですね。
リング・オブ・ブロッガーとストーンズ・オブ・ステネス
「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」の中でも人気があるのが、不思議な巨石群の「リング・オブ・ブロッガー」と「ストーンズ・オブ・ステネス」です。
リング・オブ・ブロッガーは、イギリスでも有数の規模を誇る遺跡群で、紀元前2500年から2000年前に造られました。ストーン・サークルの直径は、約104mと巨大で、現在では27本の石が残っています。ケルト人、もしくはその前から造られていたとも言われており、誰が何のために造ったかは分かっていません。
またストーンズ・オブ・ステネスは、直径約44mのストーン・サークルの一部で、現在は12本の石が立っています。最も高い石は約6mもあり、巨大なもの。そんな石をどうやって立てたのか?何のために立てたのか?謎は未だ解けていません。
世界最古の円形墳墓
「メイズハウ」は、世界最古の円形墳墓といわれており、当時の人たちが死者を大切に埋葬した跡を見ることができます。羨道墳(せんどうふん)という天井無しの低くて狭い通路を備えた個室タイプの墓地。
牧草地帯に丘のようになっているメイズハウは、古代の人が大切な人を弔っていたことが伝わる静寂な雰囲気です。メイズハウは、静かに死者を弔う場所でしたが、その後ヴァイキングによって荒されてしまい、財宝が盗まれてしまいました。その時にヴァイキングがメイズハウの中に書き残した「ルーン文字」も、保存状態がよく残っています。
◎まとめ
「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」の見どころをご紹介しました。およそ5000年も前に人々がここで暮らしていたというのは、歴史のロマンを感じますね。すでに消えてしまった文化を持つ人々の生活の跡や、解明されず謎が深まる巨石群など、どれも貴重な世界遺産です。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。