【世界遺産】オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群|スペイン王国の原点とは

画像出典:Rafaelji. (CC BY-SA 3.0)

【世界遺産】オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群|スペイン王国の原点とは

スペイン王国の始まりであるアストゥリアス王国のかつての首都であり、「スペイン王国の原点」とも言われる世界遺産の町オビエドは、アストゥリアス州の州都です。

オビエドはアストゥリアス革命とスペイン内戦と2度にわたって、徹底的な破壊を経験しています。そのため、町を一から造り直さなければならず、歴史的な建築物は復元されたものを除いてほとんど残されていません。

ですから町の郊外にあるアストゥリアス王国の建造物群は8~10世紀にかけてアストゥリアス王国の首都として栄えた重要な歴史を知る貴重な世界遺産なのです!

その詳しい歴史を伝えてくれる「オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群」を紹介しましょう!

目次

【世界遺産】オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群|スペイン王国の原点とは

オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群とは?

8世紀、当時勢いのあったキリスト教の勢力は、その地方を席巻していたイスラム勢力を排除して、オビエドにアストゥリアス王国を築きました。スペイン北部の都市オビエドはレコンキスタ(国土回復運動)、つまり、キリスト教徒によるイベリア半島再征服活動において重要な都市でした。

そのため、サンタ・マリア・デル・ナランコ教会、サン・ミゲル・デ・リーリョ教会、サンタ・クリスティナ・デ・レーナ教会はその時代に建てられた特有の建築様式で建てられています。後のヨーロッパ聖堂建築・ロマネスク様式の先駆けとなった「プレ・ロマネスク様式」がそれです。9世紀建造のこの3つの教会が、1985年「アストゥリアス王国の教会」として世界遺産に登録されました。

1998年に3つの建造物が追加されて世界遺産は「オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建築物群」として拡張しています。

オビエドの中心部は、1934年のアストゥリアス革命、1936年に始まったスペイン内戦で壊滅的な打撃を受け、古い街並みはほとんど残されていませんが、郊外のこれらの世界遺産がスペイン王国の起源を後世に伝え続けています。

オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群へのアクセス

スペインの首都マドリードから行くのであれば、鉄道とバスの2通りでオビエドに行くことができます。

鉄道の場合、マドリードのチャマルティンChamartín駅から、所要時間4~5時間くらいで、一日に直行列車は6本出ています。

バスの場合、マドリードの南バスターミナルから、所要時間は5~6時間くらいです。30分~1時間間隔で出ています。

世界遺産の教会があるナランコ山は、オビエド市街から2㎞離れているため、バスかタクシーを利用しましょう。バスターミナルは鉄道駅近くのへネラル・プリモ・デ・リベラ広場にあります。

オビエド歴史地区の観光ポイント①:サンタ・マリア・デル・ナランコ教会

オビエド市街から西へ約2㎞に位置するナランコ山に建造された世界遺産の教会です。9世紀にアストゥリアス王ラミロ1世により離宮として建造され、10世紀以降教会として使われるようになりました。「オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群」のハイライトと言えるでしょう!

後にヨーロッパの主流の教会建築のスタイルとなる、ロマネスク様式の先駆けの「プレ・ロマネスク様式」で建てられているのが特徴です。世界遺産とはいえ、そこに華やかさはなく、質素にたたずんでいますが、その様式で建てられている建造物は世界的に珍しく、スペインのキリスト教徒たちの国土奪還の源でした。

当初は離宮として建てられたため、建物のバックは森が控え、前は美しい眺望が開けているという、まさに理想的な環境です。世界遺産見学と共にのんびりとオビエド郊外で観光するのも良いですね!

オビエド歴史地区の観光ポイント②:カマラ・サンタ・デ・オビエド

出典: michel (CC BY 2.0)

オビエドの旧市街に、荘厳なゴシック様式のカテドラルがあります。トレドの聖遺物をまつるために造られた9世紀の建物カマラ・サンタ、つまり聖室を基礎として、15~16世紀にかけて建設されています。現在もカテドラルの中にカマラ・サンタは残っています。それが世界遺産のカマラ・サンタ・デ・オビエドです!

9世紀に建造されて以来、聖遺物を防衛するような仕方でカテドラルも建てられたため、カマラ・サンタ・デ・オビエドは守護者としてアストゥリアス王国時代の工芸品、スペイン王国の宝物を守り続けているのです!

オビエドはスペイン内戦の激戦地のひとつで、このカテドラルも大きな損傷を受けて、かなりの部分が内戦後に修復、再建されています。それでも、世界遺産のカマラ・サンタ・デ・オビエドを保護し続けてきた歴史を考えると、大いに見学する価値のある建造物です!

◎まとめ

いかがでしたか。かつてはアストゥリアス王国の首都として君臨し、スペイン王国の原点となった激動の地、オビエド。近代の二つの内戦はそんな歴史的価値に敬意も表さず、オビエドの歴史的建造物の多くを破壊してしまいましたが、それでもこうしてオビエドにいくつかの建造物が残され世界遺産となっています。

その建造物群が日本の平安時代のものであることを考えると、確かに世界遺産として高い価値があるのを感じるでしょう!

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

スペインでおすすめの記事

スペインのアクセスランキング