【世界遺産】ブルゴーニュのブドウ畑のクリマをご紹介!世界最高級ワインの里とは?

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【世界遺産】ブルゴーニュのブドウ畑のクリマをご紹介!世界最高級ワインの里とは?

世界最高峰の赤ワインと謳われるロマネ・コンティや、白ワインのモンラッシェ。お酒やワインを飲まない人でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

フランス中東部ブルゴーニュ地方のコート・ドール地区には、数々の世界最高級ワインを生み出す「クリマ」と呼ばれる小区画化されたブドウ畑があります。瓶のラベルには、畑の名前がそのままワインの名前となって表記されます。

世界遺産に登録されているのは、ワインそのものではなく、それを生み出すブルゴーニュ地方の文化的な環境そのもの。舌だけでなく、五感全体で味わうべき世界遺産といえるでしょう。

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【世界遺産】ブルゴーニュのブドウ畑のクリマをご紹介!世界最高級ワインの里とは?

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「ブルゴーニュのブドウ畑のクリマ」とは?

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フランスの2大ワイン産地とされるボルドーとブルゴーニュ。前者ではシャトーごとの格付けが一般的なのに対し、後者では「クリマ(Climat)」と呼ばれる畑の区画単位で銘柄を分けています。クリマとは大地の傾斜を意味するギリシャ語に由来するもので、英語の「気候(climate)」の語源ともなっています。ローマ時代には土地面積を表す単位としても用いられ、ブルゴーニュのブドウ畑のクリマはその名残です。

世界遺産に登録されているものだけでも、なんと1247ものクリマがあります。隣同士のクリマであっても、土壌や日当たり、風向きなどによって、ワインの味は違ったものになるといわれています。2000年以上に渡って続くブルゴーニュ独特のワイン文化が、「人類の歴史上、他に例を見ない文化的価値」と評価され、2015年に世界文化遺産として登録されました。

ブルゴーニュ地方のなかでもとくに高級なワインの産地として知られているのが、「黄金の丘」という意味のコート・ドール。秋の収穫時になると、その名の通りブドウ畑の広がる地域全体が一面が黄金色に染まります。コート・ドールはさら2つの地区に分かれ、北のコート・ド・ニュイは赤、コート・ド・ボーヌは白の世界的に有名な特級ワインを生み出しています。

ブルゴーニュのブドウ畑へのアクセス

コート・ドールエリアの北端にある都市ディジョンが、世界遺産地区の入り口にあたります。ディジョンへは、パリから特急TGVで1時間ほどです。

また、南端にあるリヨンまで空路を利用するルートもあります。リヨン行きの日本からの直行便はないので、イスタンブールやドバイなどを経由することになります。

当然ながらブドウ畑は郊外にあるので、ディジョンやリヨンからはレンタカーを借りるか、ツアーを利用しましょう。

ブルゴーニュのブドウ畑のクリマおすすめポイント①:コート・ド・ニュイ

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南北に20km、しかし幅は1kmほどしかない細長いコート・ド・ニュイは、「世界で最も偉大な」赤ワインの産地として知られています。かのロマネ・コンティの畑があるのもこのエリア。300平方m弱の小さな畑で、生産量は年間たったの6000本!1本数十万円から数百万円という値が付くので庶民には全く手の届かないワインですが、ここを訪れると誰でもそのブドウ畑を拝むことは出来るのです。ヴォーヌ・ロマネ村には、ロマネ・コンティのほか5つの特級畑があります。

また、人口約3000人のジュブレイ・シャンベルタン村には、ブルゴーニュ地方の村でもっとも多い9つの特級畑があります。なかでも、ナポレオンが愛飲したといわれるシャンベルタンの畑は有名!その昔ベルタンという名の農夫が、最高のワインを作るために試行錯誤しながらブドウを育て、ついに特級に格付けされたという畑です。

ブルゴーニュのブドウ畑のクリマおすすめポイント②:コート・ド・ボーヌ

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南北に約25kmのコート・ド・ボーヌでは、赤2:白1の割合でワインが生産されています。この地区には、世界最高峰の白ワインを生み出す村がいくつかあります。

地区の中心ボーヌの町は、昔のブルゴーニュの首都。町民の多くが、ワインに関係する仕事をしています。ワイン博物館や後述のオスピス・ド・ボーヌなどの見どころもあるので、ワイン畑巡りの合間にぜひ訪ねてみてください。

北から順に、人口わずか200人のアロース・コルトン村には特級畑コルトン・シャルルマーニュがあります。ムルソー村には特級畑はありませんが、日本の皇室晩餐会でしばしば用いられる一級畑レ・シャルムがあります。

そして、ピュリニィ・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがって、世界最高峰の白ワインを生み出す特級畑モンラッシェがあります。作家のアレクサンドル・デュマをして、「膝まずき、脱帽して飲むべし」と言わしめたというこの白ワインは、世界中のワイン愛好家の憧れです。

ブルゴーニュのブドウ畑のクリマおすすめポイント③:オスピス・ド・ボーヌ

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オテル・デューとも呼ばれるこの建物は、慈善施療院として1443年に建てられました。設立者は所有するブドウ畑を病院に寄付し、病院はワインを醸造販売して運営費に充てていました。この慈善活動に共感した他のブドウ畑の所有者たちも次々に畑を寄付し、ついに病院はブルゴーニュ一帯にたくさんのブドウ畑を所有することになりました。

400年間顧客だけに販売してきたワインは、1859年以降より多くの収益が得られるオークションという形式をとり、現在も毎年11月の第3土・日・月曜日に行われています。また、ブルゴーニュ最大のワイン祭りも同時に開かれるようになりました。オークションでの収益は、今でも移転した病院の経営に使われていて、オスピス・ド・ボーヌ(Hospices de Beaune)のワインを買えば、必然的に寄付したことになる特殊なワインでもあるのです。建物は見学可能な医学博物館になっていて、館内には興味深い中世の医療器具やベッドなどが展示されています。

注意事項

世界中のワイン愛好家が訪れるコート・ドールで絶対にやってはいけない行為。それはブドウ畑に足を踏み入れることです。

ブドウがたわわに実る収穫前の時期、一粒ぐらいは…とつまみたくなる衝動に駆られますが、2000年以上も続くこの世界で最も偉大なブドウ栽培地区に敬意を示して我慢しましょう。

◎まとめ

なぜフランスのワインは世界中で愛されるのでしょうか。そこには、2000年にわたる厳格なクリマの指定基準とブドウ栽培者、醸造者の計り知れない努力があります。

ワインの味がわかるようになってきたなと思ったら、ぜひコート・ドール産のワインを試してみてください。なぜブルゴーニュのワイン文化が世界遺産に指定されたのかを、体で感じることができるでしょう。

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