名称:エル・エスコリアル修道院(Monasterio de El Escorial)
住所:Avenida Juan de Borbon y Battenberg s/n, 28200 San Lorenzo de El Escorial, Spain
公式・関連サイトURL:http://monasteriodelescorial.com/
サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院(エル・エスコリアル修道院)は、スペインの首都・マドリード郊外のサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルにある広大な修道院、宮殿、霊廟、博物館、そして図書館の複合建築物です。「マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地」として1984年に世界遺産に登録されています。
サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルは、マドリードの北西約45kmに位置する、マドリード県の小さな美しい町です。夏の避暑地として人気のある町でしたが、この町が世界的に有名になったのは紛れもなくエル・エスコリアル修道院が世界遺産となったからです。今回は、そんなエル・エスコリアルの世界遺産をご紹介しましょう!
目次
【世界遺産】エル・エスコリアル修道院とは?|優雅で荘厳な複合建築物
マドリードのエル・エスコリアルの修道院とは?
世界遺産であるエル・エスコリアル修道院は、フェリペ2世が父カルロス1世の意志を継いで造らせたもので、1557年8月10日、サン・キンティンの戦いでスペイン軍がフランス軍に勝利したことを記念して建てられた巨大な複合施設です。
巨大な修道院が中心となり、宮殿、霊廟、博物館、そして図書館なども兼ねています。また、スペインの首都マドリードから北西に約45㎞と比較的近いため、日帰りで訪れる観光客にも大変人気となっています。
1563年に着工し、わずか21年で、幅207m、奥行き161mの壮大な修道院は完成しました。高さ95mのドームの聖堂を中心として右に修道院、左に宮殿が構えていますが、外観はシンプルで、中の華麗な造りと対象を成しています。
マドリードのエル・エスコリアルの修道院へのアクセス
マドリードから近いこともあり、サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルへのアクセスは良いです。バスで行くのであれば、マドリードの地下鉄モンクロアMoncloa駅地下のバスターミナルから約1時間です。1時間に3~4本運行しています。
鉄道の場合は、マドリードのターミナル駅であるアト―チャ駅から近郊列車で約1時間。約30分~1時間間隔で運行しています。エル・エスコリアル駅に着いたら、徒歩で約20分、もしくはバスで5分で世界遺産のエル・エスコリアル修道院に到着します。
マドリードのエル・エスコリアルの修道院のおすすめポイント
膨大な芸術作品
世界遺産のエル・エスコリアル修道院には、膨大な芸術作品が収められています。まず、聖堂の天井のフレスコ画が目に入ってくるでしょう。ティッツィアーノ、ティントレット、エル・グレコ、ディエゴ・ベラスケス、パオロ・ヴェロネーゼと、そうそうたる画家たちの作品が美術館を中心に収められています。
注目はエル・グレコの「聖マウリシオの殉教(Martirio de San Mauricio)」です。スペイン絵画の3大巨匠の一人とまで言われていますが、フェリペ2世の注文を受けて完成させたこの絵は王に気に入られず、宮廷画家としての可能性を絶たれサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルからトレドに追われる羽目になったというエピソードがあります。
美術館以外でも、宮殿の各部屋のタペストリーの飾りも見事ですし、ゴヤが下地を描いたものもあります。圧倒的な外観の建物の中は、まるで芸術の宝庫ですよ。
霊廟
エル・エスコリアル修道院は王家の墓所としての目的もあって建てられています。そしてここにも、5世紀にもわたるスペインの王たちがこの霊廟に眠っています。※
もちろん、サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアル修道院は「王家の墓所」なので、王たちのみならず、マリアナ・デ・アウストリアと言った王妃たちも眠っています。
※カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)、フェリペ2世、フェリペ3世、フェリペ4世、カルロス2世、ルイス1世、カルロス3世、カルロス4世、フェルナンド7世、イサベル2世、アルフォンソ12世、アルフォンソ13世
◎まとめ
いかがでしたか?サン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルという町にありながら、「マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地」という登録名が示すように、マドリードから気軽に行ける世界遺産として多くの観光客が訪れます。
優雅で荘厳な外観と、内部にある数々の芸術の傑作はまさに世界遺産にふさわしいサン・ロレンソ・デ・エル・エスコリアルはマドリードに滞在中にぜひ訪ねてほしい世界遺産の町です!