名称:シエナ歴史地区
住所:Piazza del Campo, 1, 53100 Siena SI
公式・関連サイトURL:http://www.enjoysiena.it/en/index.html
トスカーナ地方にあるシエナ歴史地区は、1995年に登録されたイタリアの世界遺産。小高い丘に築かれたシエナの旧市街地は独特の茶色い色合いが美しく、絵の具にシエナ色というのがあるほどです。長きに渡りライバルだった隣国フィレンツェとは、覇権争いだけではなく、街の美しさも競い合ってきた歴史があります。
世界一と称されるカンポ広場をはじめ、華麗なシエナ大聖堂、伝統的行事のパリオなど、シエナは魅力がいっぱい詰まった街。そんなイタリアの世界遺産、シエナ歴史地区についてご紹介しましょう。
目次
【世界遺産】シエナ歴史地区とは?|世界一美しい広場を訪ねよう!
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シエナ歴史地区とは?
フィレンツェから南へ約50kmに位置し、トスカーナ地方の中でも特に優美な雰囲気を持つシエナ。中世にタイムスリップしたような美しい街です。
12世紀頃から市民による政治組織「コムーネ」ができ、商業や金融の中心となる自治都市として発展。数百年にわたり銀行家などの大商人からなるコムーネが指揮をとり、13世紀から14世紀にはヨーロッパの金融業の中心として栄えました。その頃からのライバルは隣国フィレンツェで、何度も激しい抗争が行われました。この時期に市民が一致団結して建てたのがシエナ大聖堂です。
シエナの街を歩いていると、あちこちで旗を見かけます。これは各町内会であるコントラーダの旗で、それぞれのシンボルが描かれています。シエナでは7月2日と8月16日の年2回、伝統的な有名な祭り「パリオ」を開催。そのメインイベントとして、コントラーダ対抗の競馬競技が行われます。
カンポ広場の外周に土を敷き詰めて、馬が全速力で駆け抜ける勇壮なパリオは、1644年から続く大人気の伝統行事。さあ、シエナの歴史地区を散歩してみましょう。
シエナ歴史地区へのアクセス
フィレンツェからシエナへは列車でも行けますが、駅はシエナ歴史地区から離れているのでバスが便利。フィレンツェから、特急の直行バスだと約70分、各駅停車のバスでも90分ほどで行くことができます。
シエナ歴史地区おすすめポイント①:カンポ広場
世界遺産シエナ歴史地区の観光なら、まず「カンポ広場」へ向かいましょう。カンポ広場は美しい扇形で、付け根の部分に向けて緩やかに下るようにデザインされた「世界で一番美しい広場」と名高い広場です。
広場の周りをぐるっと見渡すと、目の前の建物は14世紀に建てられた市庁舎と、カンポ広場のシンボル「マンジャの塔」。ここに集まる人々は、広場に面したレストランで食事をしたり、カフェでのんびりしたり。気候が良い時は広場に直接寝そべる人もいるんですよ。広場に面したショップでは、パリオの写真や、各コントラーダの旗などが売られています。
シエナ歴史地区おすすめポイント②:マンジャの塔
美しい世界遺産の街を、高い所から眺めてみましょう。カンポ広場の市庁舎プッブリコ宮の隣にそびえるのが、レンガ造りの「マンジャの塔」です。中世ヨーロッパでは、自由と権力の象徴として街に高い塔を造るという流行がありました。14世紀に建てられた高さ102mの塔からの眺めは、眼下にカンポ広場、その周りには茶色の屋根がずらりと並ぶ旧市街、そして遠くにはトスカーナの丘陵地帯が見渡せるというまさに絶景ポイント!ただしエレベーターはなく、狭い階段のみ。下りてくる人と譲り合わないと上れないような場面も出てきます。
合わせてプッブリコ宮の中にある市立美術館も見学してみましょう。《荘厳の聖母》《善政の効果》《悪政の効果》などのフレスコ画や彫刻が見どころです。
シエナ歴史地区おすすめポイント③:シエナ大聖堂(ドゥオモ)
3つの丘の上にまたがるシエナの街の、一番高い丘の上にそびえるのが「シエナ大聖堂(ドゥオモ)」です。増築拡張工事が繰り返された歴史があり、建物全体はロマネスク建築ですが、正面のファサードは白をベースに、赤と黒の大理石で構成されたゴシック様式になっています。
外観だけでなく、内部も白と黒の大理石を組み合わせて表現した横縞模様が印象的です。
そして、最も重要な芸術作品と言われているのが、大理石モザイク装飾の床。図柄に合わせてカットした大理石を組み合わせた後、描く線を刻み込むグラッフィート技法で作られています。聖書など56の場面が描かれた大変貴重なもので、公開されている時期にシエナを訪れるなら必見です!
名称:シエナ大聖堂(Duomo di Siena)
住所:Piazza Del Duomo 8, 53100 Siena
公式・関連サイトURL:https://operaduomo.siena.it/it/
注意事項
荘厳華麗なシエナ大聖堂(ドゥオモ)は、世界遺産シエナ歴史地区を訪れたなら見逃すわけにはいきません。ファザードや建物自体はもちろん、内部の装飾もぜひ見ておきたい素晴らしいものです。
しかし、前述の大理石モザイク装飾の床は、損傷や磨耗を防ぐために通常は保護材で覆われています。毎年日程を決めて公開しているので、事前に日程を確認しておくようにしましょう。
まとめ
2018年1月時点で、世界遺産の数が53か所と世界一のイタリア。世界遺産であるシエナの街を歩いていると、街全体の雰囲気が統一されていて上品な雰囲気が漂っています。中世の時代からシエナの人々が自分たちの街に誇りを持っていたことを感じることができます。
シエナの名産はトスカーナ地方のオリーブやワイン、チーズが有名ですが、伝統的な菓子店のウィンドウに必ず飾られているのが、シエナ名産のパンフォルテ。ドライフルーツやナッツ、ハチミツがたっぷり使われた、食べごたえのある、ずっしりとしたケーキです。保存が効くのでお土産にもいいですね。