名称:ヴェネツィアとその潟
住所:Venezia, italia
公式・関連サイトURL:http://en.turismovenezia.it/
1987年に世界遺産に登録された「ヴェネツィアとその潟」は、文化遺産の登録基準である六項目の全てを満たしているとても珍しい世界遺産です。(2017年1月現在、三か所のみ)
ヴェツィアの楽しみ方は、なんといっても街歩き。車が乗り入れできないヴェネツィア本島での移動は、網の目のようにはりめぐらされた運河を走る水上バスかゴンドラのみ。ヴェネツィアには見所と言われる観光スポットがいくつもありますが、路地裏にこそヴェネツィアの良さがあります。下町の雰囲気漂う一角を歩いてみましょう。どんなに迷っても島を出る事はありません。ヴェネチアの街歩きのスタートです。
目次
【世界遺産】ヴェネツィアとその潟とは?|アドリア海の女王をご紹介
ヴェネツィアとその潟とは?
ヴェネツィアの歴史は、3世紀以降の民族大移動に始まります。5世紀になりヨーロッパには、ゲルマン民族などによる破壊と侵略が繰り広げられ、やがてイタリアにも侵入してきました。ヴェネツィア周辺に住んでいた人々は潟に杭を打ち、その上に家を建てたり島に運河を巡らせて海上生活を開始。陸からは干潟なので攻めにくく、海路は砂州や島々によりアドリア海から隔離されており、天然の要塞のような海上都市になりました。
7世紀に潟全体を統括する政体、ヴェネツィア共和国が誕生。その後、地中海貿易の拠点として発展を続け、14世紀から15世紀にかけて全盛期を迎えました。18世紀のナポレオン侵攻によりヴェネツィア共和国は滅亡し、19世紀のプロイセン・オーストリア戦争によりイタリア王国に組み込まれたという歴史があります。
世界遺産登録されたのは、ヴェネツィア本島だけではありません。ヴェネツィアンガラスで有名なムラーノ島や、レースが特産品のブラーノ島、「ヴェニスに死す」の舞台となったリド島など大小177もあるという島々も立派な世界遺産です。水上バスで簡単にアクセスできるので、島めぐりをするのも楽しいですよ。
ヴェネツィアとその潟へのアクセス
日本からヴェネチアまでの直行便はないため、ローマやミラノまで行き、そこからの移動になります。鉄道の場合は、ローマからは約5時間半、ミラノ、フィレンツェからは約3時間です。イタリア国内から飛行機で行く場合は、およそ1時間10分程なので楽ですよ。
ヴェネチア本島の駅は、サンタ・ルチア駅。車の乗り入れはローマ広場までなので、街中の移動手段は水上バスや水上タクシー、ゴンドラ、徒歩になります。水上の移動を楽しみながら観光してくださいね。
ヴェネチアとその潟おすすめポイント3
サンマルコ広場
ヴェネツィアの中心的な広場で、海からの玄関口にあるサンマルコ広場。ナポレオンが世界で最も美しい空間と称したとも言われており、建物に囲まれ広々としています。広場の正面に建つのはサンマルコ寺院で、9世紀に聖人マルコの遺骸が持ち込まれ、それを祀る為に建てられました。ビザンチン建築の傑作と言われ、黄金のモザイクは必見。
サンマルコ寺院の前に建つ赤煉瓦と大理石で作られた鐘楼は、高さ98mで元々は16世紀の物でしたが、1902年に倒壊したので後に再建されたものです。この鐘楼にはエレベーターで昇る事が出来ますが、小さなエレベーターなので行列が出来るのもしばしば。それでも並んででも見たい絶景があり、眼下にはサンマルコ広場や、ヴェネツィアの街並み、そして周辺に浮かぶ島々はまるで絵葉書のような景色が広がりますよ。
広場には老舗カフェのフローリアンもあり、優雅な演奏を奏でています。ヴェネツィアらしい雰囲気が楽しめるので、ぜひお茶を飲んでみてはいかがでしょうか。
ドゥカーレ宮殿
サンマルコ広場に建つドゥカーレ宮殿は、ヴェネツィア共和国の政庁であり、宮殿としても使われていました。大きな中庭をぐるりと建物が囲む形で、現在はヴェネチア映画祭の会場として使用されています。
宮殿の中には、15世紀から16世紀に活躍したヴェネツィア派と呼ばれる、ティントレットを代表とする画家たちの壁画や天井画が多く残されていて、その豪華さは圧巻。二階にある大評議会の間は、長さ54m、幅25mの大きな部屋で、ここでヴェネチア共和国の大評議会が行われていました。部屋の正面を飾るのは、世界一大きなキャンパス画、ティントレットの作品『天国』です。
他にも数々の部屋があり、目安箱や牢獄など、かなり見応えのある宮殿なので、入場に行列が出来ていても、ぜひご覧になってくださいね。
リアルト橋
ヴェネツィアには大小さまざまな橋が400近くあり、150以上の運河を結んでいます。ヴェネツィアのメインストリートとも言える大運河にかかる一番有名な橋がリアルト橋。全長48mのリアルト橋は、12世紀頃は木製でしたが崩壊や火災により、16世紀には石の橋に改装されました。リアルト橋の周辺は少し高くなっているため高潮の被害が少なく、早くから人が住み始め商業の中心として栄えました。リアルト橋の周辺にはお土産屋さんも多く、写真を撮る人や景色を眺める人々で、いつもごったがえしています。
サンマルコ広場からリアルト橋までの約1kmは、細い道の両側にブランドショップやカーニバルのお面の専門店、お土産屋さんが並びます。横道にそれると迷子になりそうですが、コンパクトな街なので安心。どの道にも、サンマルコ広場やリアルト橋という矢印がついた案内板がつけられているので、自由に歩いてステキな景色を探してみて下さい。
◎まとめ
世界遺産ヴェネツィアの見所はとても多く、駆け足で観光するのは勿体ない場所です。ちょっと奮発してヴェネツィア本島にあるホテルに泊まると日中の騒がしい雰囲気とは違ったヴェネツィアを味わますよ。ヴェネツィア名物のイカ墨のパスタや、新鮮な魚介のフライも欠かせません。忘れてならないのはヴェネツィアンガラスです。ムラーノ島にはいくつもの工房があり、実演を見せてくれるので是非訪ねて見ましょう。周辺の島めぐりも楽しい、そんな世界遺産ヴェネツィアとその潟へ行ってみてください。