名称:Val d'Orcia
住所:Val d'Orcia
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1026/
世界で最も世界遺産が多い国イタリア共和国。歴史文化遺産だけではなく自然遺産も豊富で、総数は50以上に及びます。そんな数多くあるイタリアの世界遺産の中でも絵画のような美しい景色をもつ世界遺産がヴァル・ドルチャ(オルチャ渓谷)。多くの芸術家も訪れた場所としても知られており、名前の元となったオルチャ川が中央を流れ中世に起源を持つ歴史ある街も点在しています。
「自然、芸術、文化」公園ともいわれるのも納得の、すばらしい世界遺産「オルチャ渓谷」をご紹介します。
目次
【世界遺産】オルチャ渓谷とは?|一面に絵画のような絶景!
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オルチャ渓谷とは
イタリア語の「ヴァル・ドルチャ」はオルチアの谷、もしくはオルチア渓谷と訳されます。イタリアのトスカーナ州シエナ県にあり、広い谷になっており中央には名前の由来といわれるオルチャ川が流れています。この美しく広がる田園風景は初めからあったわけではなく、元々耕作に向かない痩せた土地だったものを何百年もの月日をかけて土壌改良してきた賜物なんです。現在は葡萄栽培が盛んにおこなわれています。
このオルチャ渓谷のあまりにも美しい景色は古くから芸術家たちを惹きつけてきました。たくさんの絵画の題材とされてきた場所としても知られています。このようなことから自然遺産ではなく芸術の保存、文化遺産として世界遺産登録されました。オルチャ渓谷の景色を見ることを目的にイタリアを訪れる観光客も多いんですよ。ぜひ実際に見てほしい、絶景の世界遺産です。
オルチャ渓谷へのアクセス
イタリアのトスカーナ州シエナ県にあります。オルチャ渓谷は広大な範囲をカバーしており、ピエンツァ、モンタルチーノ、カスティリオーネ・ドルチャ、サン・クイリコ・ドルチャ、ラディコファーニの5つの街の全域が含まれています。
アクセス方法は電車は通っていないので基本的に車かバスでの移動となります。イタリア、ローマからシエナ県へは、バスで約三時間ほどかかります。ローマのバスターミナルのあるティブルティーナ駅からバスに乗ることができます。シエナ県からはバスの乗り換えが必要です。ピエンツァへは同様にバスが運行しています。
範囲の広いオルチャ渓谷ですがガイド付きツアーも開催しているので、効率よく巡りたい方はこちらがオススメですよ。
おすすめポイント①:季節によって変わるオルチャ渓谷の景観
オルチャ渓谷は季節によって景観がガラリと変わります。訪れる際には、見たい景色のシーズンを狙って訪れることをおすすめします。季節の見所をご紹介しますね。
3月から5月頃は、緑が一面に広がる春。写真や絵画でお馴染みの景色を見ることができます。
6月から8月は、小麦が黄金色に輝く夏。緑が濃いというよりは乾季に入ります。茶色の部分も見えてきて、緑と茶色のコントラストが美しいです。
10月下旬は、紅葉が美しい秋。緑・オレンジ・茶色のコントラストは素晴らしく、癒されますよ。
冬は緑はほとんどなくなりますが、茶色が広がる景色は砂漠のような美しさ。また雪景色も素敵で、楽しめます。
すべての季節によって違った美しさを見せてくれる世界遺産オルチャ渓谷です。
おすすめポイント②:オルチャ渓谷にある糸杉
出典: canadastock / shutterstock
世界遺産オルチャ渓谷のシンボルのひとつともいえる糸杉。均等な間隔で道沿いに糸杉がぽつぽつと並び、美しい田園風景をより一層引き立たせてくれます。この糸杉はここに自生していたものではなく、もともとは東地中海や中近東から移植されたものなのです。人工的に植えられた歴史を知ると、この美しい風景の裏にも人々の努力を感じさせられますね。
古今の芸術家達の絵画に多く描かれているオルチャ渓谷の糸杉。その姿は数々のアーティストたちにインスピレーションを与えてきました。ぜひ世界遺産であるオルチャ渓谷に訪れた際には、糸杉に注目してみてくださいね。
注意事項
事前にバスの時間を事前に調べておくことをおすすめします。乗車するバスによっては乗り換えが必要であったり、アクセスが悪かったりする場合もありますので、前日までにはバスターミナルで確認しておきましょう。
高台からの眺めも最高なオルチャ渓谷。歩いてみたい方は、トレッキングしやすい靴と服装でいきましょう。飲み物などの準備もお忘れなく。
◎まとめ
イタリアの世界遺産「オルチャ渓谷」についてご紹介しました。この素晴らしい景色も先人たちの長い年月をかけた努力によって造られたのかと思うと、より尊く感じますね。四季折々で様々な表情を見せてくれるオルチャ渓谷。数々の芸術家たちにインスピレーションを与えてきた風景を体感しに、ぜひ訪れてみてくださいね。