【世界遺産】コルドバ歴史地区の観光情報|さまざまな背景を持つエリアとは?

【世界遺産】コルドバ歴史地区の観光情報|さまざまな背景を持つエリアとは?

世界遺産であるコルドバ歴史地区についてご紹介します。

コルドバは人口約35万人の町です。歴史は古くまずローマ帝国の属州として栄え、中世にはイスラム王朝の首都として大きく発展を遂げました。昼間は観光客であふれている旧市街も、夜になると静まり返ります。あたりの建物とも相まって独特の雰囲気を楽しめるでしょう。

本記事ではそんなコルドバ歴史地区の観光情報を記載しています。以下で覗いてみてください。

目次

【世界遺産】コルドバ歴史地区の観光情報|さまざまな背景を持つエリアとは?

コルドバ歴史地区とは?

出典: ja.wikipedia.org

コルドバの文化が花開いたのはローマの植民地「ベティカ」の時代です。6世紀にはキリスト教勢力の支配下になり、8世紀にはイスラム勢力の後ウマイヤ王朝の首都になりました。まったく異なる国と宗教によって文化が栄えていたことがわかりますね。

後の10世紀イスラム教カリフ王国の時代に全盛期を迎えます。当時のコルドバの人口は100万近くに達したとも言われ、メスキータをはじめ市内には300ものイスラムのモスクがありました。現在の人口で換算すると1000万人を超えるかもしれない大都市、と思うととんでもない都市であったことがわかります。

また医学・天文学・哲学・文学等など諸学問の中心地であり、世界中の文献がここで翻訳されヨーロッパ全土へと流布されていきました。すぐれた学者を輩出し、国外からの留学生も多数受け入れていた、まさに学問の都だったのです。

11世紀に後ウマイヤ王朝が衰退した後、13世紀になり国土再征服運動(レコンキスタ)の成功により、キリスト教支配になり、現在に至ります。これらの複雑な歴史から、ユダヤとイスラムとキリスト教の宗教と文化が入り混じった独特の景観を見ることができます。

コルドバへのアクセス

コルドバへのアクセスは、マドリードから高速列車AVEで約1時間40分です。1時間に1.2本の運行ですが夏の観光シーズンには予約で埋まる事もあるので、日程が決まったら早めにネットでの予約をするのがベストです。またセビリャ、グラナダ、マラガからは高速バスで2,3時間ほどです。

コルドバ駅とバスターミナルからメスキータがある旧市街へはバスかタクシーが便利です。バスは3番に乗るとメスキータに近い場所まで行けます。チケットは運転手さんから買うタイプです。巡回型のバスなので乗降場所が違うので確認しておきましょう。

コルドバ歴史地区のおすすめスポット

コルドバ歴史地区

メスキータ

コルドバ歴史地区

メスキータが建てられた場所は、元々教会があった場所でした。街が発展して人口が増え、手狭になったので785年アッラフマーン1世の命により建設され、後に何度も拡張されて987年に現在の形になりました。25,000人が1度に礼拝できるという当時の世界最大規模のモスクには、1,000本の円柱が支える紅白アーチが延々と続く円柱の森のようだと言われていました。

完成から250年後、コルドバは再びキリスト教支配になり、メスキータは聖堂として使用されるようになりました。1523年に国王カルロス一世はメスキータを壊して大聖堂を建立するように命じましたが、市民の反対に合い破壊はせず、モスクのど真ん中に大聖堂がある、という建物に改装されました。完成を見たカルロス一世は「他のどこでも出来る建物の為に他のどこにもない物を壊してしまった」と後悔したと言われています。

ユダヤ人街と花の小道

メスキータの北側に広がるユダヤ人街は、かつてスペインの政治経済を支える存在であったユダヤ人によって造られた一角です。迷路のように入り組んだ路地の両側には、花の小鉢を飾った白壁の家が並び、各家にはアンダルシアの暑い夏を快適に過ごすためのパティオ(中庭)があります。

イスラムの歴代の支配者に厚遇され、コルドバがキリスト教支配になった後でも地位を保持し、シナゴーグも建てていたユダヤ人ですが、1492年にスペイン全土がキリスト教支配になると、その地位は一変します。カトリック両王と呼ばれたイサベル女王とフェルナンド国王により、ユダヤ人追放令が発布され、この街からユダヤ人は姿を消しました。

有名な花の小道はメスキータからすぐで、観光客が細い道を入っていくのですぐに分かります。人だかりがすごいので写真を撮るのも一苦労。ユダヤ人街全てが写真スポットなので、自分だけの花の小道を見つけてみてもいいですね。

アルカサール

コルドバをイスラムから奪回したカスティーリャ王アルフォンソ11世の命により建てられた王宮アルカサールは、ムデハル様式で14世紀前半に造られました。ムデハル様式とは、イスラム教徒の職人を使い、イスラム装飾を用いたキリスト教の様式で、セビージャのアルカサールも同じ手法で作られています。

この王宮ではコロンブスが新大陸航海の資金援助を仰ぐ為にカトリック両王(イザベル女王とフェルナンド王)に謁見した事でも知られていて、中庭には記念の像が建てられています。もとローマ時代の要塞の上に建てたので、周辺から発掘されたローマ時代の石棺やモザイクの展示も見ることができます。広大な庭園は良く手入れがされていますが、アルハンブラ宮殿を見た方は、庭園を模した造りだと言う事にすぐ気が付くでしょう。

◎まとめ

世界遺産コルドバの歴史地区、いかがでしたでしょうか?コルドバでは、毎年5月に中庭の美しさを競う「コルドバのパティオ祭り」が開催されています。パティオ祭りは、無形文化遺産に登録されており、世界中から多くの観光客が訪れています。

この時期は宿泊が難しくなりますが、セビージャやグラナダから2,3時間の距離なので日帰りで訪ねて見るのもいいですね。ユダヤ人街には何度も賞をとった中庭もあるそうですよ。メスキータだけじゃないコルドバ歴史地区、ぜひ訪れて見てくださいね!

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