名称：古都トレド
住所：
公式・関連サイトURL：http://www.toledo-turismo.com/jp
スペインのほぼ中央に位置する古都トレドは、マドリッドから約70kmの所にある街。1561年に首都がマドリッドに制定されるまでは、スペインの首都として機能していました。
その後、内戦を繰り返しながらも16世紀の街並みを残した美しい景観は、歴史的背景や歴史的建造物などが評価されて、1986年に世界遺産に登録されました。今では世界中の観光客に人気の街となり、古都トレドに魅了される人は多いです。スペインで一日しかなければ、迷わずトレドへ行け！という諺まであるという世界遺産の街、古都トレドの散策に出かけてみませんか。
目次
【世界遺産】古都トレドをご紹介｜中世の街並みを散歩しよう！
古都トレドとは？
古代ローマ時代から重要な街とされ、中世には多様な文化が交錯した歴史を持つトレド。三方を川に囲まれた街は、川が自然の要塞となり地理的にも恵まれていました。小高い丘の街にどう水を引くか、各時代の「知恵」が集約されています。迷路のような街には教会やモスクが見られ、キリスト教とイスラム教が共存し繁栄した歴史がうかがえますよ。
西ゴート王国の首都となり栄えていたトレドは、711年にイスラム勢力のウマイヤ朝が侵攻し、イスラムの支配になりました。この時代に様々な文化とや医学、天文学や数学などの学問がトレドに持ち込まれます。11世紀に入り国土再征服運動やレコンキスタにより、キリスト教の支配で現在へ。
学問的に知られているのが、12世紀から13世紀に活躍したトレド翻訳学派と呼ばれる学者たちで、古代ギリシア・ローマ時代の哲学・神学・科学の文献が、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒たちによって翻訳されました。これが西ヨーロッパの12世紀ルネサンスに、大きな影響を与えたといわれています。
古都トレドへのアクセス
マドリッドからのアクセスは、列車かバスが便利です。スペイン国鉄の特急AVE/AVANTで約35分。バスだと、マドリッドの地下鉄6番線または11番線のプラザ・エリプティカ駅にあるバス発着所から、ALSA社がトレド行きで、1時間の直行便と村々を経由していく1時間半の二種類が運行しています。料金は列車の方が二倍かかりますが、時間と快適さから考えると列車の方をお勧め。
トレド駅には列車の発着に合わせてバスが待機しています。Toledo City Toursバスは、旧市街のポイントや対岸の展望所まで乗り降り自由の便利なバス。旧市街の入り口までは、徒歩でも20分程度なので散歩がてら歩くのもよいですね。
古都トレドおすすめスポット
トレド大聖堂（カテドラル）
スペインゴシックの最高傑作と言われるトレドの大聖堂は、大司教座があるスペインカトリックの総本山です。1226年の着工以来、何度も増改築を繰り返し完成したのは、1493年でした。世界でも有数の大きさを誇る外観だけでも圧巻ですが、内観も圧巻。
内部の見所は、たくさんありますが、まずは主祭壇へ。高さ30mもある主祭壇には、キリストの生涯の20場面を描いた木彫りの衝立が置かれています。数々の礼拝堂の装飾やステンドグラスも見ごたえ充分。聖具室には、エル・グレコの「キリストの聖衣はく奪」やゴヤ、ティッツアーノの作品もあり、まるで美術館のようです。
そして忘れてならないのは、宝物殿。イザベル女王の王冠や、16世紀に作られた聖体顕示台は金・銀・宝石が散りばめられていて豪華絢爛です。総重量は約200kgあり、年に一度だけお神輿のように担がれてトレドの街を練り歩きます。
サント・トメ教会
出典： Takashi Images/shutterstock
サント・トメ教会は、12世紀にアルフォンソ6世が建立した教会で、オルガス伯ルイスが14世紀に私財を投じて再建した小さな教会です。1312年にルイスが亡くなり、埋葬される時に聖ステファノと聖アウグスティヌスが天国から降臨し、葬送に参列していた人々の目の前で、ルイスを埋葬したという伝説があります。
この伝説に基づいて、エル・グレコが描いた名画「オルガス伯の埋葬」が飾られている事から、サント・トメ教会は有名になりました。エル・グレコの傑作と言われ、門外不出の絵とされているので、世界中の観光客がこの絵の為にサント・トメ教会を訪れています。
エル・グレコはスペイン黄金期の16世紀から17世紀にかけて活躍したギリシャ人画家。35歳から73歳で亡くなるまでスペインで活躍しました。トレドには、エル・グレコ美術館もあり、20点以上の作品を鑑賞する事ができるので、是非訪ねてみて下さい。
◎まとめ
狭く曲がりくねった道が続くトレドの旧市街は、迷路のようですが中世の街並みを散策するのは楽しいですよ。トレド名産の武器や金銀細工のお土産屋さんを覗いたり、地元の人で賑わうバルでコーヒーを飲んだりと雰囲気も抜群。時間がある方は是非一泊だけでもして、世界遺産の散歩を堪能して下さいね。
