世界遺産知床半島!日本を代表する大自然を生きる野生動物11選

画像出典:mihiro / PIXTA(ピクスタ)

世界遺産知床半島!日本を代表する大自然を生きる野生動物11選

世界遺産「知床半島」は野生動物の宝庫!陸でも海でも、たくさんの野生動物に出会うことができます。知床半島の中心線に沿って、背骨のように1200~1600m級の険しい山々が続いていて、季節が変わるたびに大自然のさまざまな姿を見ることができます。動物だけでなく、貴重な植物が数多く自生しているのも知床半島の魅力。湖沼や湿地にはワタスゲやミズバショウが咲き、低い標高の場所でも高山植物が見られます。また、海と陸をつなぐ川は77本ほどもあり、多くの生物に豊富な栄養分を送り届ける役割を果たしています。今回は、知床半島の代表的な野生動物をご紹介します。

目次

世界遺産知床半島!日本を代表する大自然を生きる野生動物11選

目次を閉じる

1. ヒグマ

出典: ルカ / PIXTA(ピクスタ)

北海道ならではの動物といえば、ヒグマを思い浮かべる人は多いでしょう。溯上するサケやマスなどを豪快に捕まえて食べている姿が有名です。ヒグマは日本の陸棲哺乳類のなかで最大で、クマ科でも最も大きいとされています。

知床では、野生のヒグマと道路などで遭遇することもあり、近年では人里でもしばしば目撃されています。知床を訪れる観光客がたまにヒグマを見つけて、写真を撮ったり近づいたりしていますが、ヒグマは時速50km以上で走れるといわれてるので大変危険です。もし遭遇してしまったら、走らずゆっくりと立ち去るようにしましょう。大声を出したり走って逃げてしまうと、追いかけられる危険性があります。

そんなヒグマですが、知床では安全に野生のヒグマを観察できるツアーがあります。知床半島ウトロクルーズの「ヒグマウォッチングコース」では、95%以上という高い確率でヒグマを目にすることができます。船で海から眺めるので、襲われる心配もありません。双眼鏡のレンタルもあるので、手ぶらでの参加でも大丈夫です。

2. キタキツネ

出典: kazu / PIXTA(ピクスタ)

キタキツネも、北海道を代表する野生動物の1種として有名です。知床半島のどこででも見られるので、野生動物の中でも出会える確率が高いです。とくに自然が山間部なら、走行中の車内からでも目にすることができます。逆に、車道に出て来て交通事故に遭うキタキツネも多いので、運転の際は気をつけましょう。

外見がモフモフしていてとてもかわいいキタキツネですが、寄生虫エキノコックスに感染してしまうリスクがあるので、可愛くても絶対に触らないように注意しましょう。エキノコックス症は基本的に北海道にしか存在せず、死に至る可能性のある恐ろしい寄生虫症です。水を介しても感染するので、知床半島をはじめ北海道では決して生水を飲まないようにしてください。

せっかく知床半島を訪れたのに、野生のキタキツネが見られなかったという人は、「北きつね牧場」を訪ねましょう。「北きつね牧場」では、広大な敷地にキタキツネ達を放し飼いにしているので、野生の姿そのままのキタキツネが愛くるしい表情を見せてくれます。知床半島からはやや離れていますが、ここに来ればキタキツネのかわいさをたっぷり堪能できますよ。ただし北きつね牧場でも、キツネに触れることはご法度です。

3. エゾシカ

出典: Is.R.rocks / PIXTA(ピクスタ)

北海道全域に出没するエゾシカは、知床半島でも最も身近に見られる野生動物かもしれません。増えすぎたエゾシカによるさまざまな被害が出ていることから、ジビエとして狩猟の対象にもなっています。

知床半島の森や山の中をドライブしていると、よく野生のエゾシカに遭遇します。知床半島ではほかにもいろいろな野生動物が車道に飛び出て来る可能性があるので、細心の注意を払って運転しましょう。

よく知られていることですが、エゾシカのオスだけが持つ角は、毎年春にポロリと落ちて生え変わります。そして10~11月に繁殖期を迎え、メスは6~7月頃に出産します。つまり、4~6月の間を避ければ、立派な角を生やしたオスか、可愛い子鹿を連れたメスの姿を見ることができます。

知床半島の観光スポット「知床五湖」周辺でも、多くのエゾシカに高確率で会えます。知床の定番スポットを観光する際も、思わぬ野生動物がいないか周囲に少し気を配ってみてください。

4. シマフクロウ

出典: feathercollector / PIXTA(ピクスタ)

知床半島に生息するシマフクロウは、世界最大のフクロウです。野生では140羽ぐらいしか生息していないといわれ、絶滅危惧種に指定されています。

シマフクロウは、アイヌでは古くから村の守り神として崇められてきました。絶滅危惧種の野生動物なので、知床半島といえども簡単に見つけることはできません。そのため、全国で唯一シマフクロウの人工繁殖に成功した「釧路市動物園」で見るという人も多いでしょう。

ただし知床半島にも、シマフクロウにいつでも会える「シマフクロウオブザバトリー」という観光施設があります。ここは、渓流沿いの「鷲の宿」という民宿が運営する施設。観察小屋やシマフクロウの目に優しい照明装置を設置し、夜間にシマフクロウが狩りをするようすを見学することができます。宿泊客であれば、利用料は宿泊費に含まれています。宿泊客でなくても、利用料を支払えば観察可能なので、ぜひ日没後に訪れてみてください。

5. タンチョウ

出典: ken_aqua / PIXTA(ピクスタ)

特別天然記念物にもなっているタンチョウは、日本で繁殖する唯一の鶴です。翼を広げると2.4mほどにもなり、日本で最大の鶴でもあります。一時は絶滅したと考えられていましたが、1924年に釧路湿原に生息していることが判明し、今では知床半島でも見られるようになりました。

タンチョウは漢字で「丹頂」と書きますが、「丹」は「赤」、「頂」は「てっぺん」の意味。頭頂部が赤いということから名付けられ日本を象徴する鳥としても認識されています。繁殖期は2月下旬~4月下旬で、1個か2個の卵を産み、ヒナはおよそ100日で飛べるまでに成長します。

今も釧路湿原がタンチョウの最大の生息地とされ、知床半島では必ず見られるとはいえません。釧路湿原の北西の阿寒郡鶴居村にある「鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ」なら、タンチョウのエサが少なくなる11~3月頃に給餌を行っています。ここにはネイチャーセンターもあり、生息環境保全のためにレンジャーがさまざまな活動をしています。時期が合えば、給餌場に集まるタンチョウを近くで観察できます。

6. シャチ

出典: ゆ~や / PIXTA(ピクスタ)

世界遺産知床半島では、海でもいろいろな野生動物を目にすることができます。知床羅臼沖にはイルカやシャチ、マッコウクジラなどの野生動物が生息していますが、なかでもオススメなのは、海のギャングともいわれるシャチ!アザラシやペンギンを襲い、ときには集団でクジラを狩ることもあるという海の王者です。

知床ネイチャークルーズでは、長年の経験に基づいて、遭遇率の高いポイントへ観光客を運んでくれます。とはいえ野生動物なので、絶対見られるわけではありません。ですがシャチは好奇心旺盛で賢いので、警戒することなく船に近寄ってくることもあります。本当に運が良ければクルーズ船のすぐ側まで近づいてきて、乗客からは歓声が上がります。一般的に野生のシャチに遭遇できる確率が最も高いのは5~7月あたりです。

知床半島は、真夏でも気温が20度以下になることもあり、海に出ればさらに寒く感じるでしょう。クルーズに参加する時は、しっかり防寒するようにしてください。

7. エゾリス

出典: Shyn / PIXTA(ピクスタ)

エゾリスは、北海道でしか見れない野生動物の1つです。体長は約25cmほどで、シッポも約20cmくらいの大きさがあります。ぬいぐるみみたいな愛くるしい姿に、思わず笑みがこぼれてしまいます。

知床半島の森で遭遇することができますが、小動物なので肉眼で見つけるのは難しいかもしれません。運が良ければ、向こうから目の前に現れることもありますよ。自然豊かな知床半島をゆっくり時間をかけて散策すれば、出会える確率も上がるでしょう。

野生のエゾリスには残念ながら会えなかったけど、ぜひ本物を見てみたいという人には、「momo cafe(モモカフェ)」を訪れるという手もあります。野生のエゾリスが窓をトントンしてくるという可愛らしさで人気のお店です。知床半島からはだいぶ離れた苫小牧市の近くにありますが、多くの観光客でいつも賑わっています。

8. オジロワシ

出典: rion / PIXTA(ピクスタ)

渡り鳥のオジロワシは、北日本では冬に飛来しますが、北海道では一年中留まって暮らす個体もいます。国の天然記念物で絶滅危惧種にも指定されているオジロワシの美しい雄姿を、知床ならいつでもクルーズ船から見られる可能性があります。

知床半島でオジロワシを観察するなら、地元のネイチャーガイドツアー「星の時間」が企画している「オオワシ・オジロワシ観察 天然記念物のワシや野生動物を観よう!」がおすすめです。こちらは船ではなく車で海岸線を移動しながらオジロワシを探すツアーで、双眼鏡とフィールドスコープで姿を探し、見つけられれば写真撮影も可能です。

ちなみに、知床半島では冬にオオワシを見ることもできます。オジロワシとオオワシは似ていますが、オオワシの羽は鮮やかな黒で、オジロワシは褐色をしています。くちばしも、オオワシの方が太くて鮮やかな黄色です。どちらも相対的な違いなので、初めて見る人には判別は難しいかもしれません。そのときは、遠慮せずガイドや詳しい人に聞いてみましょう。

9. トド

出典: 12345 / PIXTA(ピクスタ)

トドという呼び名は、アイヌ語でなめし革を意味する「トント」から来ています。ですが、アイヌ語でトドのことは、「いびきをかく者」という意味の「エタシペ」といいます。体長2~3m、体重は240kg~1tにも達し、アシカ類の中では最大の動物です。知床半島ではポピュラーな野生動物で、北太平洋とその周辺の沿岸海域に生息していて、イカやタコ、魚類などを幅広く食べてます。そのため、漁師が仕掛けた網を食いちぎって獲物を横取りすることがあり、漁業関係者の間では嫌われ者となっています。

知床半島には、毎年多くの野生のトドがやってきます。それでも知床半島でトドを観察できるのは12~1月と短く、2月頃になるとほとんどのトドが沖合に出てしまいます。「知床海獣ツアー」は、その少ないチャンスを活かせる野生動物ウォッチングツアーの1つ。数十頭のトドが集まるポイントに、息を間近に感じられるぐらいの距離まで小型ボートで迫ります。目の前で見るトドの群れは大迫力ですよ!

10. マッコウクジラ

出典: たけひろ / PIXTA(ピクスタ)

マッコウクジラはハクジラ類の中では最大で、歯のある動物としては世界最大です。大きな頭が体長の約3分の1を占めていて、イカ類を主食としています。3000m以上の深海まで潜ることができ、一度潜ると40分ほどは浮上しなくても平気です。深く潜る直前に尾ビレを高々と上げるので、この瞬間がシャッターチャンスですよ!

マッコウクジラは全世界の海に生息していますが、継続して観察できるところは海外を含めても非常に少なく、知床半島の羅臼沖はその貴重なポイントの1つとなっています。知床半島では、羅臼港発着の「知床半島ラウスクルーズ」という観光船が運航されていて、7~9月にかけて沖へ出れば、かなりの高確率で何十頭ものマッコウクジラを間近に観察することができますよ。

11. エゾクロテン

出典: nrpn / PIXTA(ピクスタ)

エゾクロテンは、北海道以外ではあまり聞かない名前でしょうか。日本では北海道にしかおらず、知床半島など主に道東や道北に生息している警戒心の強い野生動物です。2010年冬季国体のマスコットキャラクターにも選ばれている、とても可愛らしいい動物です。

明治時代には北海道全域に生息していましたが、毛皮目的での乱獲により個体数が減少し、今では狩猟が禁止されています。森の中の木の上を中心に生活していて、ネズミや昆虫、果実を主食としています。真ん丸の目がとても愛らしいく、ときおり二本足で立ちあがる姿もとってもチャーミングです。

一年中昼夜を問わず活動している生き物ですが、とても素早いので写真撮影はおろか遭遇するのも難しいでしょう。もし知床半島で目にすることができたら、とってもラッキーですよ!「釧路市動物園」に行けば、愛らしいエゾクロテンを近くで観察することができます。

◎まとめ

世界自然遺産の知床半島では、海から山までさまざまな場所で野生動物と出会えるチャンスがあります。ただし、知床半島の貴重な生態系を崩さないよう、静かに観察しましょう。野生なのに人慣れしてしまうと、無警戒に近寄って来て車に轢かれたりしてしまいます。決してエサは与えず、また細菌やウイルスをもつ動物も多いので直接触れないことも大事ですよ。また、ほかの観光客の迷惑にならないように危険な場所に駐車しない。夜間野生動物に対してフラッシュ撮影をしない。ガイドツアーに参加して、指示に従いながら行動するなど、ルールを守って楽しく観察しましょう。

国内のエリア一覧

海外のエリア一覧

カテゴリー一覧

skyticketならこんなにおトク!

最新の知床行き格安航空券

知床でおすすめの記事

知床のアクセスランキング