ヨーロッパ唯一のアジア系民族の国ハンガリー!世界遺産8か所をご紹介

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ヨーロッパ唯一のアジア系民族の国ハンガリー!世界遺産8か所をご紹介

ハンガリーは東方から来たアジアの騎馬民族マジャール人が1000年に建てた国で、16世紀にはオスマン帝国、18世紀からはオーストリア帝国に支配されてきました。1867年に自治権が与えられて以降、ハンガリーの人々はオーストリアの首都ウィーンやパリなどに負けない都市を作ろうと、ブダペストの街を築き上げました。今ではブダペストは10か国内を流れるドナウ川沿いで最も美しい街と称されています。そんなブダペストの街をはじめとするハンガリーの世界遺産、全8か所をご紹介しましょう。

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ヨーロッパ唯一のアジア系民族の国ハンガリー!世界遺産8か所をご紹介

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1.ホッローケーの古い村落とその周辺

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首都ブダペストから約100キロ北東に位置するホッローケー村にはパローツ様式と呼ばれる独特の建築様式があり、壁は泥と藁で築かれ、表面に石灰を塗って仕上げて、屋根のすぐ下に木板でレースのような飾りがあるのが特徴です。この伝統的なパローツ様式の集落56棟が保存されており、36人程のパローツ人が住むホッローケー村は、ハンガリーで最も美しい村と称され、1987年に世界遺産に登録されました。

世界遺産になり、年間数万人が訪れる観光地になってからは、パローツの民族衣装をまとった女性たちにより、民族舞踏が行われたり、宿泊できる民家もできました。村の暮らしに憧れて移住する知識人は増えていますが、元々の村民は減少傾向にあるのが、伝統文化の継承という点で課題になっています。ブダペストから日帰り観光ができるので、ぜひ訪れてみてくださいね。

2.ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通り

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1987年、ブダペストのドナウ河岸とブダ城地域が世界遺産に登録され、2002年に歴史的な建造物が並ぶアンドラーシ通りが追加登録されています。

ブダペストのシンボル的存在であるブダの丘に建つネオバロック様式が見事な王宮は、13世紀以降ハンガリー王の居城となっています。歴代国王の戴冠式が行われたモザイクの屋根が特徴的なマーチャーシュ教会、二十世紀に建てられたネオゴシック様式の国会議事堂、ハンガリー建国1000年を記念して建てられた聖イシュトバーン大聖堂、これら全部を見おろす展望所にもなっている漁夫の砦など、見どころは尽きません。ドナウ川に架けられたブダとペストの町を結ぶくさり橋のライトアップはブダペスト観光の中でもハイライトとも言えるでしょう。美しいブダペストの景色を堪能したい方にはドナウ川クルーズがお勧めですよ。

3.パンノンハルマの千年の歴史をもつベネディクト会大修道院とその自然環境

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首都ブダペストから約100キロ、人口わずか4000人のパンノンハルマ市にあるベネディクト派の修道院は996年に建立され、ちょうど千年後の1996年に世界遺産に登録されました。12世紀に最初の建物は破壊されてしまいましたが、13世紀にゴシック様式で再建。その後何世紀にも渡り増改築が繰り返され今の姿になりました。小高い丘の上に建つ修道院では現在でも約40名の修道士が共同生活をしています。
内部の見学にはわかりやすい日本語のオーディオガイドがあるので、利用するのをオススメします。修道院のオリジナルグッズも販売していて、自家栽培のハーブで作ったハーブティーやラヴェンダー製品などもあります。ブダペストからの小旅行にピッタリですよ。

4:ホルトバージ国立公園 - プスタ

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ホルトバージ国立公園はハンガリー大平原の一部で、1973年に制定されたハンガリー最初の国立公園です。ホルトバージは現存する中央ヨーロッパ最大の牧草地で、その面積は800平方キロにも及びます。国立公園内にはハンガリー最長で最古の石橋や17世紀から19世紀にかけて建てられた宿屋など、歴史的に価値のある建造物も残されています。そんな自然環境のみならず文化的景観も評価されて、1999年に世界遺産に登録されました。国立公園とはいえ畜産業者により乳牛、肉牛、馬、羊などが飼育されており、300種類以上の鳥類や野生動物の生息地でもあります。この広大な国立公園の観光にお勧めなのが馬車ツアー。放牧されている水牛やハンガリー原産の灰色牛の群れを見たり、チコ―シュと呼ばれる馬使いによる馬術を見学できる人気ツアーです。

5:トカイのワイン産地の歴史的・文化的景観

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ハンガリー東北部のトカイ地方は、12世紀から続く世界的に有名なワインの生産地です。この地の代名詞にもなっている貴腐ワインは、17世紀にトカイ地方がオスマントルコ軍の攻撃を受けた時に収穫が遅れたという偶然から生まれたのだそう。独特の甘みと深い香りはルイ14世をはじめとする王侯貴族にも好まれていました。トカイの駅から一本道を進むと街の広場があり、ホテルやレストランが集まっています。ワイン好きな方は、ここで一泊してゆっくりとトカイワインの里を訪ねるのもいいですね。歴史博物館や、最近オープンしたワイン博物館も興味深いですよ。ワインの里、トカイは2002年に世界遺産に登録されました。

6:フェルテー湖・ノイジードラーゼー湖の文化的景観

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オーストリア東部とハンガリー北西部にまたがるヨーロッパ最大の塩水湖で、オーストリア側ではノイジードラーゼ、ハンガリー側ではフェルテー湖と呼ばれています。湖周辺では800年前から集落があったと言われており、ハンガリー側の町ショプロンはバロック様式の教会や宮殿が残る中世の町で、湖畔には貴族の館などが残されています。湖周辺の湿地帯は野鳥の楽園で280種類もの鳥類が生息しています。近年、ダム計画が持ち上がったり、オーストリア側で橋を架ける計画も出ましたが、いずれも環境保護の点から実現しませんでした。2001年に世界遺産に登録されています。

7:ペーチ(ソピアナエ)の初期キリスト教墓所

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かつてのローマ帝国の属州パンノニアの都市ソピアナエ、現在のハンガリーのペーチにあるキリスト教墓所は、初期のキリスト教美術が残され、歴史的に重要な建造物と評価されて2000年に世界遺産に登録されました。ソピアナエの都市は入植者たちによって2世紀に造られた町で、交易や軍事上の要衝として4世紀には大いに繁栄。その4世紀頃に建造されたのがこの墓所で、キリスト教が公認された後も地下墓地(カタコンベ)のスタイルで埋葬が行われていました。8世紀頃まで多くのキリスト教徒が埋葬されたこの墓所が最初に発見されたのが18世紀初頭で、その後の断続的な発掘でも周囲から様々な遺跡が見つかっています。現在は地下博物館になっていて、見学可能です。

8:アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群

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ハンガリーとスロバキアの国境を越えて広がるカルスト台地内には700を超える洞窟が密集する洞窟群があります。2000年に世界遺産に登録されたのはハンガリー側がアグテレク国立公園、スロバキアがスロバキア・カルスト景観保護区とドブシンスカ氷穴です。

中でも一番有名なのはハンガリーとスロバキアの国境をまたぐバルドラ洞窟で、全長は26キロメートル。高さ25メートルにおよぶ世界最大の石筍があり、ヨーロッパで一番の美しさと称賛されています。200万年前から形成され始めたという鍾乳洞は、まるで彫刻のようで圧巻です。ガイド付きの見学は1時間程度、途中にある大きな空洞ではコンサートが行われる事もあるそう。洞窟内には262種類物もの生物が生息しています。スロバキア国境近くなので、ブダペストからは列車を乗り継いで3時間以上かかりますが、素晴らしい光景が見られるスポットです。

◎まとめ

個性的な世界遺産を有する国ハンガリー。元々アジア系民族がつくり、その後ヨーロッパの様々な民族に支配されたことによって希有な文化を形成していきました。鍾乳洞に干潟など起伏に富んだ自然も見どころいっぱいです。長い歴史によって育まれた世界遺産の数々をみに、ぜひハンガリーを訪れてみてくださいね。

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