南太平洋のミステリー・アイランド、イギリス領の世界遺産ヘンダーソン島

画像出典:Makemake at de.wikipedia (CC BY-SA 3.0)

南太平洋のミステリー・アイランド、イギリス領の世界遺産ヘンダーソン島

ニュージーランドとペルーの中間あたり、南太平洋に浮かぶ「ヘンダーソン島」は、世界遺産に認定されているイギリス領ピトケアン諸島に属する島。かつてポリネシア人が暮らしていましたが、現在は無人島です。

かつて存在した社会がなぜ忽然と姿を消してしまったのか?未だに判明していないことも多いミステリアスな島には、貴重な植物や珍しい島固有の生物が生息しています。世界遺産に登録されながら、まだまだ知られなていないミステリー・アイランド、ヘンダーソン島の魅力をご紹介しましょう。

目次

南太平洋のミステリー・アイランド、イギリス領の世界遺産ヘンダーソン島

ヘンダーソン島とは?

出典: Angela K. Kepler

イギリスの世界遺産のひとつであるヘンダーソン島は、面積約37平方キロメートルの珊瑚礁でできた島です。1606年にスペイン人航海士のキロスが発見した時はすでに無人島でしたが、古代ポリネシア人が暮らしていた痕跡が残っていたことから、ミステリーアイランドとして注目されました。それからしばらくは忘れられた存在になってしまっていたこの島を、1819年にイギリス人の船長ヘンダーソンが再発見。「ヘンダーソン島」と名付けられ、1829年には正式にイギリスの海外領土となりました。

古代ポリネシア人の社会がなぜ消滅してしまったのかは、現在も謎のままです。未だに多くの謎が残るミステリアスなヘンダーソン島は、美しい自然が手つかずの状態で残る秘境にあり、サンゴ礁でできた島の周囲は岩礁で覆われています。

ポリネシアの遺構を残すヘンダーソン島は、自然美と生物多様性を守るため、1988年に世界自然遺産に登録されました。にもかかわらず、現在、環境問題を抱えている秘境中の秘境、世界遺産のヘンダーソン島。悲しい現実とあわせて、絶海の孤島であるヘンダーソン島に迫ります。

ヘンダーソン島へのアクセス

出典: Ron Van Oers (CC BY-SA 3.0)

ピトケアン諸島は、ピトケアン島、ヘンダーソン島、オエノ島、サンディ島、デュシー島の5島からなります。そのうち唯一の有人島であるピトケアン島にも空港はないため、ピトケアン諸島へのアクセス方法は船だけ。

さらに、ヘンダーソン島に上陸するにはピトケアン島で発行される許可証が必要で、観光目的で上陸することはできません。

ヘンダーソン島のおすすめポイント:島の固有種

出典: Ron Van Oers (CC BY-SA 3.0)

世界遺産ではあるものの、長い間無人島だったヘンダーソン島には手つかずの自然が多く残っています。そんな自然界で生き抜いてきた動植物は、この島固有の種が多く、大変貴重です。

ヘンダーソンオウムをはじめとする5種類の鳥、10種の植物、さらにヘンダーソン島で見られる昆虫やカタツムリの大半が固有種であることがわかっています。1980年代にアメリカの実業家がこの島を開発しようと計画しましたが、イギリスの環境保護団体による自然環境を保護する活動が行われ、開発計画が中止された経緯もあるのです。

ヘンダーソン島の環境問題

ご紹介してきたとおり、世界遺産のヘンダーソン島は、固有種が棲むサンゴ礁が美しい島でした。しかし現在、ビーチがゴミだらけになっているショッキングな映像が流れ、大きな問題になっています。

ヘンダーソン島は無人島であり、周囲にも環境を破壊するような場所はありません。にもかかわらず、ちょうど南太平洋環流の中に位置していることから、廃棄物が集積する場所になってしまっているのです。世界遺産の貴重な生物を守るためにも、美しい地球を残すためにも、一人ひとりが地球環境のためにできることをしていかなければならないと警鐘を鳴らしているのではないでしょうか。

◎まとめ

出典: Makemake at German Wikipedia (CC BY-SA 3.0)

南太平洋の秘境の無人島、ヘンダーソン島をご紹介しました。世界には多くの世界遺産がありますが、ヘンダーソンはその中でも秘境中の秘境。なかなか行くことが叶わない遠い存在です。ずっと無人島ではなく、かつては住人がいたというのも謎めいていて興味深いですよね。世界遺産ヘンダーソン島のビーチからゴミがなくなり、美しい海と真っ白なビーチが一日も早く戻ることを願ってやみません。

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