名称:アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群 (Arles, Roman and Romanesque Monuments)
住所:6 Rond Point des Arènes 13200 Arles France
公式・関連サイトURL:
フランス南部のプロヴァンス地方にある「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」は、南フランスでも人気の観光地。ローマ時代の歴史ロマンと中世の静寂が、街の中に残っています。このアルルに残る古代から中世にかけて築かれた遺跡があることから、1981年に世界遺産に登録されました。
この街を散策すると所々に古代ローマを偲ぶ、歴史的スポットが点在しています。今回は、ローマの支配下になったことで、さまざまな建築物が建てられた、アルルにある世界遺産についてご紹介します。
目次
【世界遺産】アルルのローマ遺跡・ロマネスク建造物とは?
アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群とは?
出典: Gerhard Roethlinger/shutterstock
まぶしい太陽、雲一つない青空にオレンジ色の屋根の景色が美しい南プロヴァンスの都市アルルには、ローマ遺跡とロマネスク様式の建物群という世界遺産があります。アルルは「ガリアのローマ」と呼ばれる地で、旧市街地には古代ローマを讃える遺跡群と、中世に巡礼者で賑わったロマネスクの教会が点在。アルルの街を訪れただけで、同時にローマ遺跡とロマネスク様式建造物群を楽しめます。
また、この「アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群」は単体の世界遺産だけでなく、「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼地」においても世界遺産の一部となっています。紀元前123年ごろに、プロヴァンス地方随一の大都市として繁栄したアルルと、南フランスの巡礼路トゥールーズの始点となったアルルに訪れてこの街の歴史に浸ってみてはいかがでしょうか。
アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群へのアクセス
パリからは、リヨン駅SNCFのTGVマルセイユ方面行に乗ると約3時間でアヴィニョン駅に着きます。そこからは急行に乗って約20分でアルル駅に到着。
アルル駅は、ローヌ川の近くにある便利な駅で、アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群へ繋がる街の入り口までは、徒歩で約10分です。アルル駅を出てすぐの所には、かつてゴッホがアルルに住んだ時の住居があったラマルティーヌ広場などがあるので、観光しながら世界遺産へ行くのもおすすめです。
アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群おすすめポイント3
アルルの円形闘技場
円形闘技場は、アルルがローマ時代に商業的拠点だった紀元前90年頃に建設された、2層で60のアーチから成るローマ遺跡です。このローマ遺跡は、5、6世紀に要塞としての役割も果たしていました。やや楕円形をしており、直径は最も広いところで約136m、短いところで約107mあり、2万5千人を収容する施設。フランスでも最も大きく保存状態の良い世界遺産となっています。
美しい景色が望めるプロヴァンス地方の日の光を浴びるのに最適な、闘技場の頂上に上がっているのもおすすめ。そこから見下ろす闘技場は、かつて市民が声援を送る中、血なまぐさい闘技が行われた古代ローマの様子が甦ってくるようです。ローマ遺跡の中でも人気の円形闘技場にぜひ訪れてみてくださいね。
サン=トロフィーム教会
世界遺産のサン・トロフィーム教会は、プロヴァンス地方の中で最も美しいロマネスクの教会の一つといわれています。この教会は、世界遺産のサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路沿いにある教会としても有名。建物は、プロヴァンス地方のきめ細やかな石を使って建てられており、色合いも美しいです。ロマネスク様式の教会のファサードは、ゴシックほどではありませんが、典型的なロマネスク様式のレリーフが施され、多くの人が写真に撮るスポット。
またサン・トロフィーム教会に付属する回廊の美しさは、プロヴァンス地方随一で、紀元前40年ごろの古代ローマのフォーロム(公共集会場)の地下回廊として造られたものです。これはアルルに残る最も古いローマ遺跡。地下回廊の長さは、約89m、幅約59mという広さで見応えがある世界遺産です。
古代劇場
出典: Leonid Andronov/shutterstock
1世紀に造られたローマ遺跡の古代劇場は、建設当初は1万人もの人を集客しており、満員でも肉声が後部座席の人々にまで届いていました。劇場なので当たり前かもしれませんが、音響の技術力の素晴らしさに感動する世界遺産です。中世には採石場として利用されており、その後要塞になりました。19世紀になり、現在の形で復元されています。
劇場は、半円形の階段式座席が舞台を見下ろすように造られており、数本の大理石の柱が残っているのが印象的。また、17世紀にここから発掘された「アルルのヴィーナス像」も有名で、現在はルーヴル美術館に収蔵されています。夏になると今でも、オペラやバレエ、アルル写真祭のスライドショーなどの公演に利用されていますよ。アルルの世界遺産で、フランスのパフォーマンスを体感してみてくださいね。
◎まとめ
アルルでは、毎年多くのお祭りやフェスティバルが行われ、世界中から観光客が訪れています。復活祭では、円形闘技場で闘牛ショーが行われ、人気のイベント。また古代劇場では、伝統的な民族衣装を着た、「アルルの女」を見られる衣装祭が行われています。世界遺産で行われる伝統的なお祭りに、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。