伝統文化から自然までバラエティー豊かに揃ったセネガルの世界遺産!

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伝統文化から自然までバラエティー豊かに揃ったセネガルの世界遺産!

セネガル共和国は、サハラ砂漠の西南端に位置する国です。西側を大西洋に面するアフリカ最西の国として知られており、アフリカ大陸最西端のヴェルデ岬もこのセネガルにあります。長い間フランスの植民地であったことから、公用語としてフランス語を用いてるいるほか、各地に当時の面影を残す町並みが点在しているのが特徴。アフリカならではの豊かな自然も魅力ですよ。今回は、そんなセネガルにある7つの世界遺産を一挙にご紹介していきます。

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伝統文化から自然までバラエティー豊かに揃ったセネガルの世界遺産!

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1.セネガンビアの環状列石

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「セネガンビアの環状列石」は、セネガルとガンビアの両国をまたぐセネガンビア地域に存在する不思議な巨石群です。およそ39,000平方kmの広大なエリアに1965ヶ所もの遺跡があり、石碑や石柱の数は16,000基以上にも及びます。そのうち、世界遺産に登録されているのは4つの遺跡群。ガンビアのケルバッチとワッス、そしてセネガルのワーナーとシンンガイエンにあります。

これらは8~12世紀にかけて造られたと言われており、石一つの高さは1m~2.5mまでさまざま。巨石20個前後が環状に並べられる様子は、まるでオブジェのようです。しかし、今から10世紀以上も前にどのようにしてこの巨石を運んだのか気になりませんか?環状列石が作られた理由も未だ謎というから驚きです。7つあるセネガルの世界遺産の中でも、最も謎に包まれた世界遺産であることは間違いないでしょう。

2.バサリ地方 : バサリ、フラ、ベディクの文化的景観

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ギニア共和国やマリ共和国との国境から目と鼻の先にある「バサリ地方」には、バサリ族とフラ族、べディク族が暮らしています。長年にわたって培われてきた彼らの伝統的な生活や、それに追随する祭礼など文化的景観が世界遺産として登録されたのは2012年のこと。セネガルでもまだ新しい世界遺産です。

バサリ族が暮らすサレマタ地区は、土地の大部分が未開墾のため、彼らはわずか10%ほどの開拓地で農業を営んでいます。村には棚田や水田があり、長閑な田舎の景色が広がります。

かつて遊牧民であったフラ族は、11世紀頃からダンデフェロ地区に定住し始めました。彼らはムスリム(イスラム教徒)で、村の中央にはモスクがあります。また、宗教だけでなく独特の言語も特徴です。

ベディク族は、マリ共和国や国境沿いに暮らす民族との交流が盛んなことで有名。文化や生活スタイルも、どちらかと言うとセネガルよりマリの人々に近いと言われています。

このように民族によって生活形態や宗教が少しずつ異なりますが、彼らは争いが起こらないようお互いを尊重し合って昔ながらの生活を営んでいるのです。そんな暮らしをいつまでも見守ろうという目的で、世界遺産に選ばれました。

3.ニョコロ=コバ国立公園

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ギニア共和国との国境付近に位置する「ニョコロ=コバ国立公園」は、西アフリカ最大の国立公園です。
ニョコロ=コバ川とクルントゥ川を含めた広大な自然公園が、丸ごと世界遺産になっています。乾燥地帯から湿地帯へのちょうど移行地帯にあたることもあり、独特の植物や動物が生息しているのが特徴です。

園内にあるアシリク山は、絶滅危機にあるアフリカゾウや、体重1トンにも及ぶジャイアントエランドの生息地として知られています。また、シマンティにある沼地は乾季になっても干上がらないため、いつ訪れてもサバンナの動物たちに出会える穴場スポットとなっています。

4.ゴレ島

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セネガルの首都ダカールの沖合いにぽっかりと浮かぶ島「ゴレ島」。1444年にポルトガル人が上陸して以来、オランダ、フランスとヨーロッパ各国の支配下に置かれたゴレ島は、ちょうど沖合にあったことから「黒い黄金」と呼ばれる奴隷貿易の拠点として栄えました。

東西300m・南北900mと小さな島ですが、島内にはかつての奴隷収容所「奴隷の家」や4つの博物館、砲台、セネガル最古のイスラムモスクなど見どころがたくさんあります。中でも奴隷船に乗り込む際にくぐるという「帰らざる扉」は必見。海側から差し込む光が何とも悲しげです。

ヨーロッパ諸国の影響を色濃く残すゴレ島だけに、セネガルでは見かけない珍しい風景が広がっているのも特徴。負の世界遺産として知られるゴレ島ですが、真っ青な海やカラフルな建物、石畳の歩道を彩る草花など、悲しい歴史を忘れさせてくれるような美しい景色が広がっていますよ。

5.サン=ルイ島

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セネガルの世界遺産の中で最も高い評価を得ているのが、セネガル北西部のセネガル川河口に浮かぶ島「サン=ルイ島」です。島の中心は、かつてフランス領西アフリカだった頃の首都サン=ルイ。その歴史的首都を後世に残すため、2000年にサン=ルイ島がまるごと世界遺産として登録されました。

島と言っても、ここはセネガル川が運んだ土砂が堆積して造られた三角州。セネガル本土とは「フェイデルブ橋」で結ばれています。フランスが植民地の拠点として建設した都市だけに、島内には西洋風の建築物がたくさん残されていますよ。作家サン=テグジュペリが『星の王子さま』を執筆したホテルも必見です。

サン=ルイ島は、大陸に面するエリアと海に面するエリアで雰囲気が全く異なるのも魅力。コロニアル調の建築物や石畳の街並みがお好きな方は大陸側のエリアへ、アフリカンアートが施されたポップな街並みや活気ある漁村、ビーチを散策したい方には大西洋に面する海側のエリアがおすすめです。

6.サルーム・デルタ

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「サルーム・デルタ」は、セネガルのサルーム川とジョンボ川、バンジャラ川によって形成された三角州。西アフリカ屈指の野鳥保護区で、一部が国立公園にも制定されています。渡り鳥の繁殖地として注目を浴びているサルーム・デルタですが、実は絶滅危惧種のウミガメなどたくさんの動物が生息しているんですよ。

しかし、サルーム・デルタが世界遺産に登録された理由は、それだけではありません。数千年にわたって漁業を営んできたことを照明する巨大貝塚が見つかり、文化的景観を作り上げていることが認められたのです。発見された貝塚の数はなんと218ヶ所。中には工芸品などが出土した古墳もありました。

併せて注目して頂きたいのが、サルーム・デルタのあちらこちらで見られるマングローブ林。こちらもセネガルを代表する景観美として人気があります。よく見てみると、マングローブの根っこの部分にへばりつく大量の貝が!これぞまさに、漁業が盛んであったサムール・デルタの真の姿と言えるでしょう。

7.ジュッジ鳥類国立公園

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セネガル川の河口に位置する「ジュッジ鳥類国立公園」は、世界で3番目に大きな鳥類保護区です。1981年に世界自然遺産として登録されました。毎年越冬のために飛来する渡り鳥の数は、なんと300万羽以上!
フラミンゴやペリカン、ガンビアガン、ミサゴなど350種以上の鳥たちが一挙に飛来する姿は圧巻です。

その名の通り渡り鳥の保護区として知られる公園ですが、水辺にはオオトカゲやニシキヘビなどの爬虫類のほか、パタスモンキー、イボイノシシ、ハイエナ、サーバルキャット、ドーカスガゼルなどサファリパーク顔負けの動物たちも現れます。開園は11月初旬から4月末までの6ヶ月間のみ。動物園でしか見られないフラミンゴやペリカンを間近で見るチャンスですよ。

◎まとめ

セネガルと聞いてもあまり観光地としてのイメージが湧かない方もいらっしゃるでしょう。でも実は、比較的治安が良く食べ物も美味しいため、アフリカ旅行初心者にはぴったりの渡航先なのです。1960年の独立以来大きな紛争はなく、治安は安定しており、人々は皆穏やかで親切。女性の一人旅でも安心ですよ。そんなセネガルで自然に囲まれたスポットを巡るも良し、フランス統治時代の街並みを散策するも良し。ぜひこの機会にセネガルの歴史や文化に触れてみましょう。

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