大自然の宝庫、オーストラリアの世界遺産全19ヶ所を紹介!

画像出典:Jason Ho

大自然の宝庫、オーストラリアの世界遺産全19ヶ所を紹介!

オーストラリアの世界遺産は文化遺産3件、自然遺産12件、複合遺産4件の計19件ですが、気軽に行ける場所が少ないかもしれません。オーストラリアは広大なので、近くに町がないことも理由の一つですが、立ち入りが規制されていたりとハードルの高い場所もあります。最近流行の世界遺産ハンターの方には、簡単に行けない方が達成感があるという意見もあるそうです。この記事ではオーストラリアの世界遺産を全て紹介していきます!

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大自然の宝庫、オーストラリアの世界遺産全19ヶ所を紹介!

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1.オーストラリアの囚人遺跡群

出典: THPStock

18世紀から19世紀にかけて、イギリスがオーストラリアの各地に建設した数千にも及ぶ囚人の収容所跡。中から代表的な11ヶ所が選ばれて、2010年に世界文化遺産に登録されました。流刑の歴史や文化を伝承する貴重な遺跡です。

かつてヨーロッパ諸国が植民地拡大政策の中で、囚人を労働力として利用していた植民地時代の様子がよくわかります。何万もの人々が収容所に送り込まれ、懲罰として植民地建設のための過酷な労働を強いられていました。流刑にされたほとんどが軽犯罪で処罰された人々で、また先住民アボリジニも強制移住させられました。シドニーのハイドパークなど訪れやすい場所もあるので、ぜひ訪れてみてください。

2.王立展示館とカールトン庭園

出典: Boyloso

1880年と1888年に開催されたメルボルン万国博覧会のために、カールトン庭園の中に建てられた王立の展示館です。他の万博会場は、撤収したり作り替えたりして当時の姿を残すことは少ないですが、ここは世界最古の万国博覧会会場と呼ばれ、メルボルン市民に親しまれています。2004年に世界文化遺産として世界遺産に登録されました。

英国から独立した際、最初の臨時国会が開かれ、独立宣言が行われた場所としても有名です。ゴシック様式やロマネスク様式が混ざり合ったデザインで、オーストラリアで初のヨーロッパ風の建築物になります。街中にあるためアクセスも便利。夜のライトアップも綺麗で人気がありますよ。

3.シドニーオペラハウス

出典: Travel-Picture

オーストラリアのシンボルとも言えるオペラハウス。1959年に着工しましたが、完成したのは1973年で、完成まで14年もの年月がかかっています。その理由は複雑なデザイン。貝殻やヨットの帆のような外観を作るのには多額の費用がかかりました。特徴的な白い屋根は、汚れにくい加工をしたスウェーデン製のタイルが使われています。白だけではなくクリーム色を混ぜていて、その枚数は105万6000枚にも及びます。

オペラハウスはオペラ・オーストラリア、シドニー・シアター・カンパニー、シドニー交響楽団の本拠地です。コンサートホールやオペラ劇場、ドラマシアターやプレイハウス、スタジオシアターなどのホールもあります。ガイド付きツアーがあるので効率よく観光したい方にはおすすめです。2007年に世界文化遺産に登録されました。

4.オーストラリアの哺乳類化石地域(ナラコート/リバースレー)

出典: Alpha

1994年に世界自然遺産に登録された2ヶ所の哺乳類化石地域は、2000kmも離れた場所にあります。1つはアデレードから車で4時間のナラコート。ビクトリア洞窟から17万年以上前に絶滅した動物「フクロライオン」の化石がほぼ完全な形で発見されました。肉食カンガルーや大ニシキヘビなどの化石も多数発掘され、現在も発掘が続いています。ビクトリア洞窟、アレクサンダー洞窟、バット洞窟、キャセドラル洞窟の4つの洞窟は一般公開されているので、見学することも可能ですよ。

もう1つはクイーンズランド州北西部にあるリバースレ―。一般公開はされていないですが、世界有数の化石埋蔵地で多くの哺乳類化石が出土しています。

5.フレーザー島

出典: holgs

フレーザー島はクイーンズランド州南東部のサンシャインコーストの北、ハービーベイ沖合いにある世界最大級の「砂で出来た島」です。大阪府を一回り小さくした程度の島内には、標高200mの砂丘の上には熱帯雨林があり、世界でここでしか見られない大木群があります。また、先住民族アボリジニの人々が5000年以上も前に使っていた貝塚や漁の道具や野営地を見学することもできますよ。

真っ白な砂浜から、運が良ければ近海にやってくるザトウクジラを見ることができるかも知れません。アボリジニの人々はこの島を、パラダイスという意味の「カガリ」と呼んでいました。そんなフレーザー島は、1992年に世界自然遺産として登録されました。

6.オーストラリア・ゴンドワナ多雨林

出典: E SSK

34の自然保護地域が含まれている、オーストラリアのゴンドワナ多雨林群。ケアンズのあるクイーンズランド州から、シドニーのあるニューサウスウェールズ州までにまたがる自然保護地域の総称です。本来は冷温帯、温帯、亜熱帯、乾燥帯の別々の環境で見られる植物が、ここでは世界最古のシダをはじめ、ゴンドワナ大陸時代からの多様な植物類の観察をすることができます。70種類の鳥類、75種の哺乳類、希少種の絶滅危惧種も多く生息していますよ。

中でもおすすめは、ゴールドコーストから車で約1時間半のところにある、ナチュラルブリッジ国立公園です。公園内には滝の水圧でできた巨大岩穴があって、夜暗くなってから訪れると、洞窟の中でキラキラとした光を放つ土ボタルを見ることができますよ。その姿は幻想的で人気があります。オーストラリア・ゴンドワナ多雨林は1986年に世界自然遺産として登録されました。

7.グレートバリアリーフ

出典: TonyFeder

グレートバリアリーフとは、オーストラリア北東部に広がる世界最大のサンゴ礁地帯。全長2300kmにも及び、総面積は約35万平方kmもあるので日本の本州がすっぽり入るほどの大きさです。1981年に世界自然遺産として登録されました。サンゴ礁としては世界初です。

グレートバリアリーフの誕生は約1800万年前にさかのぼります。約200万年前から石灰岩が堆積し、その上にサンゴが生息し始めました。400種以上のサンゴや1500種類の魚類、クジラやイルカ、ジュゴンやウミガメ、イソギンチャクなどたくさんの種類の生物が生息しています。

しかし、近年の気候変動による海水の温度上昇で、サンゴが白化し死滅する恐れが予測されそうです。水質汚染やサンゴを食べるオニヒトデの大量発生などの問題もあるため、政府は環境保護に力を入れています。

8.グレーター・ブルー・マウンテンズ地域

出典: mollypix

オーストラリアの南東に広がる大渓谷で、面積は13000平方km。渓谷にはコアラの大好物のユーカリの木が生い茂り、その油分の気化によって地域の大気が青みを帯びていることから、ブルーマウンテンの呼び名が付いたと言われています。

シドニー郊外のブルーマウンテン国立公園は、日帰り観光ができる人気の観光地です。世界一の急勾配というトロッコ列車に、ケーブルカーやスカイウェイなどの乗り物に乗ったり、展望台から有名な「スリーシスターズ」と名付けられた奇岩を眺めたりしながら、ブルーマウンテンを満喫することができますよ。シドニーから様々なツアーが出ているのでぜひ利用してみてください。グレーター・ブルーマウンテンズ地域は、2000年に世界自然遺産として登録されました。

9.ハード島とマクドナルド諸島

出典: commons.wikimedia.org

パースの南西4100km、南極大陸に近いところにある島々。ここは一般人が訪れることができない世界遺産です。1853年、キャプテン・ジョン・ハードによって発見されたのがハード島。1854年、キャプテン・ウイリアム・マクドナルドによって発見されたのがマクドナルド島です。亜南極気候に属する島々なので、強風や豪雪など過酷な自然環境と絶海の孤島という立地から、生物学上貴重な生態系を維持しています。

諸島全体はオーストラリアの領土。オーストラリア環境と遺産省、オーストラリア南極局が管理しています。ハード島にはオーストラリア最高峰2745mのモーソン・ピークがあります。政府の方針で、研修者のみに公開されている厳正保護地域なので、調査目的以外では入島できません。1997年に世界自然遺産に登録されました。

10.ロードハウ諸島

出典: AGoyen

ロードハウ諸島は、シドニーからもブリスベーンからも飛行機で二時間弱の沖合にある小さな島々。ニューカレドニアとグレートバリアリーフの間に面しています。コーラルシーからは暖かい潮が、タスマン海からは冷たい潮が流れてきて、ちょうどロードハウ諸島の沖合いで合流。そのため、暖流と寒流のそれぞれに生息する魚類、貝類、珊瑚たちがこの島の近くまでやって来ます。

火山の隆起から誕生した島が海水による浸食によって形作られた背景と、険しい山並に珊瑚礁を抱え、このロードハウ諸島でしか見られない固有植物があることから、1982年に世界自然遺産として登録されました。行政的にはシドニーのあるニューサウスウェールズ州に属しています。住人はたったの350人。一日あたり400人しか観光に訪れることができないように制限されています。

11.マーコリー島

出典: VargaJones

オーストラリアと南極の間に面し、タスマニア州に属するマーコリー島は60万年前に2つのプレートがぶつかり、海底が隆起してできたと推測されました。地球で唯一地下6kmにマントルが噴出している場所で、世界中の地質学者から大きな関心が寄せられています。

植物はほとんど育たない過酷な環境ですが、海鳥やペンギン、ゾウアザラシなどが生息しています。特に85万羽をこえるロイヤルペンギンは、マッコーリー島の固有種。現在、島への立ち入りは制限があるため、許可証が必要です。タスマニアのホバートから出航する南極クルーズでは、レンジャー同行でマーコリー島に上陸するコースもあります。そんなマーコリー島は、1997年に世界自然遺産として登録されました。

12.ニンガルーコースト

出典: indianoceanimagery

西オーストラリア州北西部の海域を含む、海の秘境とも言えるニンガルー。世界でも珍しい、ビーチから歩いて行くことができる、美しく透き通るような海を誇る海洋公園です。サンゴ礁が海岸線に260kmも続き、200種類以上のサンゴと500種類にも及ぶ魚が生息しています。

ニンガルー海洋公園が一番の賑わいを見せるのは4月から7月初旬。この時期にやってくる全長18メートルのジンベイザメを観ようと、多くの観光客で賑わいます。ジンベエザメは穏やかなので、シュノーケリング初心者でも一緒に泳ぐことが可能ですよ。リーフにはほぼ同じ時期に、イルカやジュゴン、オニイトマキエイやザトウクジラもやって来るので、人気のダイビングスポットにもなります。ニンガルー海洋公園は2011年に世界自然遺産として登録されました。

13.パヌルル国立公園

出典: Photon-Photos

3億5000万年前に誕生し、先住民アボリジニが4万年ものあいだ聖地として守り続けてきたバングル・バングル。アボリジニの言葉で「砂の山」という意味があります。パヌルル国立公園にある、迷路のように入り組んだオレンジと黒の縞模様の岩峰群は、巨大な蜂の巣のような形だと言われています。この独特な横縞模様は、微生物によって変色した黒い粘土層と、鉄分を多く含んだオレンジ色の固い砂岩層が交互に折り重なってできました。

おすすめは飛行機やヘリコプターで空から自然を楽しむ遊覧ツアーや、4WDでの探検ツアーです。公園が開園する時期は4月から12月。雨季は立ち入り禁止になっています。パヌルル国立公園は、2003年に世界自然遺産として登録されました。

14.西オーストラリアのシャーク湾

出典: Totajla

西オーストラリア州のパースから約850kmのところにあるシャーク湾は、海洋生物と動物の宝庫として有名です。ここは絶滅危惧種「ジュゴン」の保護区でもあって、1万頭のジュゴンが生息しています。13ヶ所が保護区に指定され、1991年には世界自然遺産として登録されました。白い貝殻で出来たシェルビーチや、野生のイルカがやってくるモンキーマイアなど、見どころがたくさんあります。

シャーク湾のハメリン・プール海洋自然保護区は、世界最古の生命体と言われている「ストロマトライト」の群生地として有名。地球上で初めて酸素を作った生物で、その起源は35億年前とも27億年前とも諸説があるので定かではありませんが、恐ろしいほど長い年月を生き続けている驚異の生物です。近年注目を集めているシャーク湾に訪れてみませんか?

15.クイーンズランド州湿潤熱帯地域

出典: Jaykayl

クイーンズランド湿潤熱帯地域は、クイーンズランド州北東部にあるオーストリア最大の熱帯地域です。南のタウンズビルから北のクックタウンまでの一帯で、古代の熱帯植物が覆い茂り、古代の特徴的な痕跡があることから「世界最古の場所」と呼ばれています。原種に近いイチジクや世界最古のソテツ、マングローブのジャングルなど、3000種類にも及ぶ植物が生息するまさに原始の森です。

一番訪れやすいおすすめの場所は、ケアンズ駅からキュランダ鉄道に乗って行くキュランダの町です。キュランダの町に着いたら、スカイレールという名のケーブルカーに乗って世界遺産巡りをしましょう。熱帯雨林の中を進むスカイレールは、木々とすれすれの場所もあり、手つかずの自然の中を空中散歩できるとても楽しいアトラクションです。クイーンズランド州湿潤熱帯地域は、1988年に世界自然遺産として登録されました。

16.カカドゥ国立公園

出典: Andrew_Deer

オーストラリア北部の都市、ダーウィンから車で3時間のところにあるカカドゥ国立公園は、オーストラリアで最初に登録された世界遺産として有名です。総面積は約2万平方km。四国とほぼ同じ面積です。

北部は3つの川が流れ、無数の支流に囲まれた緑豊かな湿地帯。南部は乾燥地帯で、荒々しい砂岩層の渓谷が続きます。先史時代から先住民族アボリジニの居住地域で、独特の手法で描かれた岩壁画が多く残されているのが印象的です。カカドゥ国立公園は、文化遺産と自然遺産の両方に登録されている世界でも希少な世界遺産となっています。

17.タスマニア原生地域

出典: shells1

オーストラリア大陸の南に浮かぶタスマニア島の4割は、国立公園や自然保護区に指定されていますが、国立公園の中の4つがタスマニア原生地域として世界遺産に登録されました。タスマニア島はかつてオーストラリア大陸と陸続きでしたが、海面上昇により分断されたので、様々な原生植物が残っている貴重な島です。

内陸部には渓谷があり、調査の結果40以上の洞窟が発見され、中から3万年前から住んでいたタスマニア・アボリジニの住居跡が発見されています。珍しいと言えば、固有種のタスマニアデビルも忘れてはいけません。世界で最も綺麗な空気だと言われているタスマニアで、美味しいシーフードや名産のタスマニアワインを楽しみましょう。

18.ウルル-カタ・ジュタ国立公園

出典: phastflyer

ウルルとは、先住民アボリジニの言葉で「エアーズロック」のことです。エアーズロックは高さ348m、外周9.4kmの赤い砂岩で出来た一枚岩。世界的に有名な観光スポットでもあります。ウルルから30km離れたカタ・ジュタは、マウントオルガのことです。36個の巨大な奇岩が集まっています。ウルル同じくアボリジニの聖地。麓にはいくつもの洞窟があって、太古のアボリジニはそこを住まいとして壁画を描いたりしていました。

たくさんの旅行者が急な斜面を登っていますが、道のりは険しく、悪天候や強風の日には登山路を閉鎖しています。この地域を先祖伝来のものとするアボリジニの人々は、旅行者が岩に登らないことを望んでいるでしょう。数年後にはエアーズロック登山は完全に禁止されるとも言われています。ウルル-カタ・ジュタ国立公園は1987年に世界複合遺産として登録されました。

19.ウィランドラ湖群地域

出典: Ripple100

ニューサウスウェールズ州南西部の砂漠地帯に広がる、4万年前の湖の跡地がウィランドラ湖群地域です。すっかり干上がっているので、ここに湖があったとは思えませんが、他では見られない珍しい地形を見ることができる貴重な場所として世界遺産に登録されました。湖の底の砂と粘土層の浸食によって作られた砂丘は、その形から万里の長城と呼ばれています。

干上がってしまったのは2万年から1万5000年前くらいだと考えられていて、2005年には2万年前の人類の足跡が発見されるなど、今なお研究者が発掘調査をしている地域です。総面積37万ヘクタールの内、約3万ヘクタールがマンゴ国立公園として一般公開されています。

まとめ

日本の約22倍、ヨーロッパ全土を超える面積を誇るオーストラリアは、まさに広大という言葉がふさわしいスケールの大きな国です。その中にある世界遺産は、バラエティに富んでいて興味深いものばかり。オーストラリアへのフライトは現在、日本から5都市に直行便が就航しています。ケアンズまで約7.5時間、ゴールドコーストまで約9時間、シドニーまで約9.5時間、メルボルンまで約10.5時間、広大なオーストラリアの都市間移動は国内線が便利ですよ!

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