ヨルダンの世界遺産は紀元前の遺跡がいっぱい。あの映画のワンシーンにも!

画像出典:Diego Delso (CC BY-SA 4.0)

ヨルダンの世界遺産は紀元前の遺跡がいっぱい。あの映画のワンシーンにも!

ヨルダンの世界遺産は全部で5ヶ所登録されています。そのうち、文化遺産がペトラ、アムラ城、ウム・アル=ラサス、洗礼の地「ヨルダン川の向こう側、ベタニア」(アル=マグタス)の4ヶ所、複合遺産がワディ・ラム保護地域の1ヶ所です。自然が作り出した美しい岩山や砂漠、紀元前の歴史を今に伝える遺跡の数々がヨルダンの世界遺産の特徴。そして、ヨルダンの世界遺産は世界で有名な映画にも登場しています。この映画のあのシーンがここで!と驚かれる方もたくさんいるのでは?さあ、ヨルダンの世界遺産をご案内しましょう。

(注意:ヨルダンは情勢により外務省から渡航危険情報がだされていますので、状況によっては細心の注意が必要です。)

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ヨルダンの世界遺産は紀元前の遺跡がいっぱい。あの映画のワンシーンにも!

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1. ペトラ

出典: Berthold Werner

ヨルダンの世界遺産といえば、最初に思い浮かぶのがこのペトラでしょう。砂漠地帯で周囲を断崖と岩山に囲まれていて、簡単に中に入ることはできない自然の要塞のような場所です。別名「バラ色の都市」と呼ばれる世界遺産ペトラを囲む岩は、その名に恥じないバラのように美しい彩り。そのペトラにある数多くの遺跡の中で特に有名なのが、映画『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』のクライマックスで登場したエル・カズネという宝物殿です。

このエル・カズネまではシークという狭い渓谷を抜けていきます。場所によっては幅が3~4メートルほどしかなく、こういった渓谷が1.5キロメートルほど続いてペトラに入っていきます。ペトラには1000ほどの遺跡があるといわれていて、エル・カズネはそのうちの一つ。ペトラ世界遺産を全部見るには2~3日かかるので、ヨルダンへの世界遺産めぐりは計画的に行きましょう。

2. アムラ城

出典: GregAsche〜commonswiki (CC BY-SA 3.0)

世界遺産アムラ城は、ヨルダンの首都アンマンから東へ80キロメートルほど行ったところにあるウマイヤ朝時代の城館遺跡です。この世界遺産の見所はその建築物にあり、城館遺跡であるアムラ城は浴場施設を中心にした遺跡で、館内の壁画が有名です。天体図や動物、裸婦が描かれたフレスコ画が今もその時代を受け継いでいて、悠久の時を感じる世界遺産。

現在残っているイスラーム帝国以降の浴場施設としては、この世界遺産アムラ城が最も古いもののひとつ。屋根のドームや天井のヴォールとよばれるアーチ部分など、ほぼ建物全体が完全な原形を保っているというのが驚きです。そして天井のフレスコ画は後期ヘレニズム様式の影響が見られ、美術史においてもこの世界遺産は貴重な資料として知られています。

3. ウム・アル=ラサス

出典: Jean Housen (CC BY-SA 3.0)

ヨルダンのマダバから南東へ30キロメートルほどいったところにある世界遺産。古代ローマ帝国、東ローマ帝国、初期イスラム王朝支配の下で築かれた要塞や教会などがこの場所にあります。しかし世界遺産ではありますが、実はヨルダンの中でもまだあまり知名度がありません。それもそのはず、遺跡の大半がまだ完全に発掘されていない未知数の世界遺産なんですよ。

現在一番の見所は聖ステファン教会で、これは785年に建築されたもの。この教会の床にはヨルダンで最も大きいといわれているモザイクがあります。描かれているのは狩猟の様子やマダバ、エルサレムとガザなどの町です。世界遺産に登録されたのは2004年で、これからどんな発見があるのか楽しみですね。

4. 洗礼の地「ヨルダン川の向こう側、ベタニア」(アル=マグタス)

出典: Producer (CC BY-SA 3.0)

ヨルダンにある世界遺産の中で最も最近登録されたのが、この洗礼の地「ヨルダン川の向こう側、ベタニア」(アル=マグタス)です。ここはヨルダンの考古遺跡で、アル=マグタスはアラビア語で洗礼を意味します。

洗礼者である聖ヨハネがかつて活動し、イエスの洗礼も行われた場所とされています。第三次中東戦争以降はこの地域に地雷が埋められましたが、2010年代半ばまでには地雷の除去や発掘調査がされて、ヨルダンを訪れる観光客や巡礼者、そしてローマ教皇もこの世界遺産を訪れました。

この世界遺産は死海から北へ9キロメートルの場所にあり、ヨルダンの首都アンマンからは西へ50キロメートルほどです。この世界遺産は預言者エリヤの伝説が残る「エリヤの丘」という地区と、ヨハネが洗礼を施したといわれるゾル地区の2つに別れています。まだ世界遺産としては新しいですが、聖書に登場する聖なる地は歴史深いものです。

5. ワディ・ラム保護地域

ワディ・ラム世界遺産はヨルダン南部にあって、砂岩と花崗岩でできた谷です。また、ここはヨルダン最大の涸れ川としても有名。ワディ・ラムは月の谷を意味し、その名前を表すかのように美しい砂漠地帯で今までいくつもの映画にも登場しています。この世界遺産がある場所は古くから人類文化が育まれたところで、紀元前2世紀前半のナバテア王国の人々が残した壁画が残されています。

この場所はヨルダンの世界遺産でありながら、世界中からスポーツを愛する人が集まるところでもあります。登山家やロッククライマーにも人気で、トレッカーも多く訪れる場所なんですよ。ジープツアーとキャンプがセットになったツアーなども人気があり、世界遺産でキャンプもオススメです!

◎まとめ

ヨルダンの世界遺産はいかがでしたか?紀元前の遺跡ばかりでなく、人類文化を現代に伝えていたり、壮大な自然が作った造形美を見られたり、スケールの大きい世界遺産にただただ驚くばかりではないでしょうか。また、ヨルダンの世界遺産ではスポーツやラクダ乗り、キャンプを楽しめたり、楽しいことも満載です。しかし、ヨルダンの情勢は比較的安定してきましたが、シリアとの国境付近などは安全とは言い切れません。世界遺産はとても魅力的ですが、ヨルダンへの渡航の判断はどうか慎重に。

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