ナイル川の流れと共に歴史を刻み続ける、エジプトの世界遺産

画像出典:Roderick Eime

ナイル川の流れと共に歴史を刻み続ける、エジプトの世界遺産

世界一長いナイル川の近くに栄えた4000年もの歴史を持つ古代エジプト文明。その歴史的遺産は世界的にも有名です。砂漠の中に耐え佇む多くの遺跡は、いつの時代も多くの人々を魅了しています。今回はその中でも、世界遺産に認定されている遺跡を紹介します。

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ナイル川の流れと共に歴史を刻み続ける、エジプトの世界遺産

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1.メンフィスとその墓地遺跡‐ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯

出典: Jorge Láscar

多くの人々が訪れている有名な世界遺産、「ギザの三大ピラミッド」。一つ一つの石は人の背丈よりも高く、何トンもの重い石が規則正しく並び、何千年前に誰がどのような目的で建設したか今も不明なこの神秘的なピラミッドに、多くの人が魅了され訪れています。そんなエジプトのピラミッド群は、1979年に世界文化遺産として登録されました。

このギザのピラミッドが一番有名ですが、この他にもサッカラやメンフィスなど30kmの広範囲にわたり多くのピラミッドがあって、全てを含めて世界遺産と認定しています。ギザのピラミッドのように正三角錐のような完全な形から、試行錯誤を重ねたようなサッカラのピラミッドまで、どの遺跡も魅力的です。

今現在も調査が続いて、新しい発見や新説が発表されているこの偉大なエジプトのピラミッド。ぜひ一生に一度は訪れて欲しい世界遺産です。

2.古代都市テーベとその墓地遺跡

出典: Elena Pleskevich

ルクソール近郊に多くの観光客が訪れている世界遺産があります。そこは古代エジプトの首都として1000年以上も栄えた都、テーベがあった場所。テーベには数多くの遺跡があります。その遺跡は1979年に世界文化遺産として認定されました。

ナイル川を挟んで東岸と西岸に別れ、東は太陽の登る尊い場所として「カルナック神殿」や「ルクソール神殿」のように重要な祭祀を行う神殿が造られました。巨大な石が規則正しく積まれ、天にも届くような巨大な柱が続く荘厳な神殿は、何千年も前の遺跡とは思えないほどで訪れた人はただただ息を飲むばかりです。

逆に西側は太陽が沈むことから死者の国として、男装で有名なハトシェプスト女王の葬祭殿などが残っています。そしてこのエジプトを何よりも有名にした、貴重な「ツタンカーメンの墳墓」もありますよ。その他にも見所の多い場所なので、全てを見学すると2日ほどかかってしまいますが、それだけの価値のある世界遺産です。

3.アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群

出典: Vyacheslav Argenberg

エジプトとスーダンの境目にあるこの場所に、世界遺産条約のきっかけになった世界遺産があります。1960年代にアスワン・ハイ・ダムの建設計画が持ち上がり、貴重な遺跡を水没の危機から救おうと国際的規模で救済活動が行われました。

夏は気温50度を超える熱砂の中、ひと際目立つ巨大な岩山。その岩山に古代エジプト王国時代のラムセス2世王の22mにもなる巨大な座像が4体あります。これが有名な「アブ・シンベル大神殿」です。ここから100mほどのところにはアブ・シンベル小神殿もあります。

最も権力のあった王に相応しく、中も至るところにラムセス2世王の活躍を描いた壁画で埋め尽くされています。その他の遺跡も含め、水没から守られた世界遺産は訪れる価値ありますよ!

4.カイロ歴史地区

出典: Mark Fischer

エジプトの首都カイロは、アフリカ大陸の最大都市。旧市街とカイロ発祥の地、オールドカイロの広大な地域が1979年に世界文化遺産として認定されました。別名「千の塔の都」とも呼ばれるように、7世紀から20世紀に建てられたモスクとミナレットが町の至るところに建てられ、様々な建築様式のモスクはイスラム文化の歴史を顕著に表現しています。

実はモスクだけではなく、ユダヤ教のシナゴーグやキリスト教教会など、ありとあらゆる宗教が交じっている町でもありますよ。そんなたくさんの建物をまとめて世界遺産としているので、全てを見学するのは少し難しいですが、有名な「ムハンマド・アリ・モスク」、「イブン・トゥールン・モスク」は必見の世界遺産です。

そしてエジプト観光に来たらぜひ行って欲しいスポットがハーン・ハリーリ(市)。14世紀に開かれた市場は、今も面影を残しつつ活気に溢れている楽しい場所です。

5.アブ・メナ

出典: Institute for the Study of the Ancient World

アレクサンドリアから45kmほど行ったところに「アブ・メナ」という遺跡があります。この遺跡は広大な砂漠の石組みやローマ式浴場、教会やワイン貯蔵庫のようなものまで見つかっている貴重な遺跡で、1979年に世界文化遺産として登録されました。

元々は「アレクサンドリアの聖メナス」が埋葬されていましたが、4世紀頃にコンスタンティヌス1世の娘を送ったところ、病気が治癒。奇跡の場所として多くのキリスト教徒が巡礼する地となりました。しかし、その後イスラム教の信仰により衰退してしまい、現在は荒廃した遺跡と近くに小さな修道院が残っているのみとなっています。

6.聖カタリナ修道院地域

出典: ja.wikipedia.org

旧約聖書の逸話で、モーセが神より「十戒」を授かったと言われているエジプトのシナイ山。そのシナイ山の麓にある聖カタリナ修道院は、現在も活動している最古の修道院です。バチカン図書館に次いで、多くの初期の写本や手記、最古のイコンを所蔵しています。この修道院は2002年に世界文化遺産として登録されました。

元はモーセが燃やしても燃え尽きない「燃える柴」を囲むように礼拝堂が建てられ、その後聖カタリナが天使により遺体をこの場所に運ばれた新逸話から、新たに修道院が建てられ、聖カタリナ修道院となった歴史ある世界遺産です。

このシナイ山はキリスト教徒だけではなく、ユダヤ教やイスラム教にとっても聖地で重要な場所でもあります。荒涼の場所にあるため訪れるのは大変ですが、エジプトの価値ある世界遺産です。

7.ワディ・アル・ヒタン

出典: ja.wikipedia.org

エジプトの西部砂漠地帯にあるワディ・アル・ヒタン。別名「クジラの谷」と呼ばれ、多くの貴重なクジラ類の化石が見つかっていることから、2005年に世界自然遺産として認定されました。

クジラ類とは言っても私たちがよく知っているクジラではなく、約4000万年前に生きていたバシロサウルスなどの、クジラの祖先にあたる化石のことです。海洋生物の進化を知る上でとても貴重な世界遺産になっています。エジプトというと、ピラミッドや巨大神殿などの世界遺産が際立ってしまいますが、それよりさらに古い進化を知ることができる自然遺産もぜひ訪れてみてください。

まとめ

エジプトの世界遺産は、訪れる人を圧倒させる壮大なピラミッドや巨大な神殿、そして世界的有名で貴重なツタンカーメンの墓などを見るために、今も多くの観光客が訪れています。現在も発掘や研究が進み、次々に出てくる新しい発見は多くの人々を魅了してやみません。7000年もの歴史を持つエジプトの古代遺産は、エジプトのみならず人類の宝と言っても過言ではないでしょう。

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