名称:バット、アル・フトゥム、アル・アインの考古遺跡群
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/434/
オマーンはアラビア半島の東端に位置し、アラビア海とオマーン湾に面する国。 長い海岸線と、標高3000m級の高い山脈や、どこまでも続く砂漠など変化に富んだ美しい国として知られています。オマーンの人々は昔から航海術にすぐれていて、ダウ船を操って海で活躍してきました。特に16世紀から17世紀にかけては、アフリカの東海岸からインドの西海岸までオマ-ンの王様が支配する大海洋帝国でした。そんなオマーンの世界遺産をご紹介します。
目次
アラビア半島の美しい国!オマーンの世界遺産4選をご紹介します
1. バット、アル・フトゥム、アル・アインの考古遺跡群
最初にご紹介するオマーンの世界遺産は バット、アル・フトゥム、アル・アインの考古遺跡群です。オマーン北部のアフダル山地に点在するこれらの古代遺跡群は、1988年に世界遺産に登録されました。このオマーンの世界遺産は、紀元前2500年ごろからアフダル山地で銅の採掘を行い、メソポタミアと交易することで富を得ていたマガン国が築いた青銅器時代の集落跡です。
住居の多くは扁平な石を積み上げたもの。また、石を積んだものや、細かく加工した石を組んだものなど、さまざまな形の墓が残されているのが特徴です。バットでは、直径約20m、高さ約10mの巨大な塔が5基発掘されていますが、その目的はまだ解明できていません。
2. アフラージュ オマーンの灌漑システム
オマーンの灌漑システム「アフラージュ」は2006年に登録されたオマーンの世界遺産。オマーンはアラビア半島東端にあり、国土の8割が砂漠。今でも「ファラジ」と呼ばれる灌漑施設が全国の約 3,000ヵ所で稼働しています。なお、「アフラージュ」は、「ファラジ」の複数形です。
オマーンの人々は古代からこの灌漑施設を生活用水として使い、ナツメヤシの畑の灌漑と栽培を行ってきました。ファラジはわずかな高低差を利用して水を供給するというたいへん優れた灌漑施設で、高度な土木技術によって作られていました。世界遺産に登録されたアフラージュは、オマーンで最も古い5つのファラジです。周囲の観測施設や日時計、水の競売所、住居跡なども世界遺産に登録されています。
名称:アフラージュ オマーンの灌漑システム
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/ja/list/1207
3. 乳香の土地
乳香の土地は、中東オマーンにあるユネスコの世界遺産。古くから奢侈品の一つであった乳香の交易で栄えたオマーンに残る遺跡のうち、ドファール特別行政区内にあるオアシス都市遺跡、港湾遺跡、交易路跡や乳香の群生地が世界遺産の登録対象となっています。
オマーンの世界遺産に登録されている遺跡は次のようなものがあげられます。シスルの考古遺跡は紀元前2世紀頃に栄えていたオアシス都市。ホール・ルーリの考古遺跡と自然環境は紀元前1世期末に建造された港で、当時の乳香の交易に使われていました。現在は要塞跡が残っています。また、アル=バリードの考古遺跡は鉄器時代の港町で、ワジ・ダウカの乳香公園は乳香の重要な産地となっていました。
名称:乳香の土地
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/1010/
4. バハラ城塞
1987年にユネスコの世界遺産に登録されたバハラ城塞は、アフダル山の麓に位置する4つの歴史的城塞の1つ。13世紀から14世紀にかけて建設された城塞で、バハラはオアシス都市としての繁栄しました。街は約 12 km の城壁に囲まれていて、オアシス、市場(スーク)、ヤシの木立などがあります。今日、このバハラは陶磁器でも知られています。
バハラ城塞は世界遺産に登録されるた翌年に危機遺産のリストにも登録されました。1990年代からオマーン政府によって修復作業が進められ、2004年には危機遺産リストから除外されました。
名称:バハラ城塞
公式・関連サイトURL:http://whc.unesco.org/en/list/433/
◎まとめ
オマーンの世界遺産は4件です。国土の大半が砂漠であるオマーンは、昔から様々な工夫をして生活をしてきました。砂漠のオアシスには要塞が作られ、高度な土木技術が発達し優れた灌漑施設も作って来ました。世界遺産に登録されている遺跡はオマーンの首都マスカットからはやや離れていますが、中東オマーンの歴史を考えるうえでとても興味深いスポットとなっています。マスカットを訪れる機会がありましたら、ぜひ観光に訪れてみてください。