観光大国【スイスの世界遺産】全12か所をご紹介!

観光大国【スイスの世界遺産】全12か所をご紹介!

観光大国スイスの世界遺産は、自然遺産3・文化遺産9の合計12か所です。世界遺産を自分の目で見て歩きたい、という世界遺産ハンターのために、そしてスイスの大自然に憧れる方のために、スイス世界遺産全12か所を全てご紹介します!

目次

観光大国【スイスの世界遺産】全12か所をご紹介!

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1.世界遺産「レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観」

ランドヴァッサー橋(スイス)

レーティッシュ鉄道は、スイス最大級の私鉄です。アルプスの自然を損なわずに建設した高度な鉄道技術と、美しい沿線風景が評価され、「レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観」という名称で2008年、世界遺産に登録されました。

スイスとイタリアの両国の国境をまたぐ世界遺産で、196の橋と55のトンネルも含まれています。オーストリア、インドに続く3番目の鉄道世界遺産。そう聞くと鉄道ファンは黙っていられませんよね、アルブラ線とベル二ナ線の全区間を乗れば、この世界遺産の登録場所の全制覇になります。

1904年に開通したアルブラ線は、高さ65mに架かるランドヴァッサー橋や、ライン川とドナウ川の分水嶺であるアルブラ峠を越える長さ5866mのアルブラトンネルなど、鉄道技術の傑作と言われる絶景ポイントが続きます。

1910年開通のベル二ナ線は、サンモリッツからイタリアのティラーノまでを縦断。4000m級のアルプスの山々を見ながらの、絶景コースを走ります。夏の観光シーズンには人気区間は予約でいっぱいになるので、早めの予約がおすすめです。

2.ベルン旧市街

ベルン旧市街(スイス世界遺産)

スイスの首都をジュネーブと勘違いする人もいますが、このベルンが首都。中でもアーレ川に囲まれた美しい旧市街一帯が1983年に世界遺産、文化遺産に登録されました。

あまりにも見所が多くてどこをご紹介しようか迷う程ですが、ぜひ一日かけて散策していただきたい素敵な街です。

まずは旧市街のどこからでも見えるベルン大聖堂の塔に登ってみましょう。旧市街全体のパノラマが楽しめます。16世紀から動く街のランドマークになっている時計塔の仕掛け時計や、通りにずらりと並び、凝った装飾をされた11の水飲み場、ヨーロッパ最長のアーケードなど、中世を感じる散歩を楽しめるのがベルン旧市街です。

3.スイスアルプス・ユングフラウ・アレッチ

スイスアルプス ユングフラウ-アレッチ(スイス世界遺産)

2001年にアルプス初の世界遺産に登録された当時は「ユングフラウ・アレッチ・ビエッチホルン地域」という名で、ベルン州とヴァレー州にかけた総面積539平方キロに、スイス三名峰と言われる、アイガー・メンヒ・ユングフラウとアレッチ氷河を加えた地域でした。

2007年に認定エリアが拡張され、ヴェッターホルンやブリュームリアルプなど、ベルナーアルプスの山々が含まれ、総面積は824平方キロまで大幅に拡大。そして、名称もより分かりやすいようにと、「スイスアルプス・ユングフラウ・アレッチ」に変更されました。

スイス観光で欠かせないのが、ユングフラウ鉄道。途中駅のクライネシャイデックから見る、アイガー・メンヒ・ユングフラウ三名峰、山頂駅3454m地点にあるユングフラウヨッホ展望台から見るアレッチ氷河は息をのむ美しさです!

4.ベッリンツォーナ旧市街の3つの城と防壁・城壁群

カステルグランデ「ベリンツォーナ 3つの古城と街を囲む城壁」

アルプス山脈にまで続く渓谷の中にあり、その昔には交通の要ともなっていたベリンツォーナの街。そのため敵から身を守るための城塞もしっかりと築かれていました。

ティッチ―ノの岩の上にそびえる「カステルグランデ城」、東の丘にある「モンテべッロ城」、その2つの城とつながる城壁、そして少し離れた山中にある「サッソ・コルバロ城」の3つの城は、アルプスの拠点を守る中世後期の城塞モデル。2000年に、先人の知恵を今に伝える資産「ベッリンツォーナ旧市街の3つの城と防壁・城壁群」として世界遺産に登録されました。

3つの城とも見学可能で、中でもロンバルディア人によって築かれた最も古い城「カステルグランデ」は、博物館、レストランを備えた施設で観光客の人気を集めています。

5. ル・コルビュジエの建築作品

出典: By Romano1246 - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=16007043 (CC BY-SA 3.0)

スイス生まれのル・コルビュジェは近代建築の父として知られ、主にフランスで活動していました。

ル・コルビュジェの作品は世界中にあり、そのどれもが価値のある作品。今回、登録の判断基準として「近代建築運動への顕著な貢献」という副題がつけられ、近代建築活動に大きく寄与した代表作が選ばれました。

今回世界遺産登録されたのは、7か国(フランス・スイス・日本・ベルギー・ドイツ・アルゼンチン・インド)にある17の建物。スイスからは、両親の為にヴヴェイに建てた「レマン湖畔の小さな家(ヴィラ・ル・ラク)」(1924年完成)と、ジュネーブに建設された集合住宅「イムーブル・クラルテ」(1932年)が選ばれました。

レマン湖畔の小さな家は、現在、博物館になっています。ジュネーブに建設された集合住宅クラルテは、現在、一般住宅なので外側からのみの見学になりますが、その美しい姿は一目見に行きたいものです。

6.アルプス山脈周辺の先史時代の湖畔住居群

ラテニウム【スイス】

「アルプス山脈周辺の先史時代の湖畔住居群」は、アルプス山脈周辺の湖畔や川辺に建てられた杭上住居群です。杭上住居とは、湖や湿地に杭をたて、その上に築いた住居のこと。紀元前5000年頃から500年頃という長期に渡り建てられました。

アルプス山脈がまたがるドイツ、オーストリア、フランス、イタリア、スロヴェニア、スイスの6カ国全体で111カ所の遺跡が含まれていますが、そのうちの半数56カ所がスイスにある遺跡群です。各国の共同登録という形で、まとめて2011年に世界遺産に登録されました。

遺跡の発見から150年たった2001年、大量の遺物が発見されたヌーシャテル湖岸に考古学博物館「ラテ二ウム」がオープンしました。ここでは、杭上住居の復元や、貴重な資料を見学する事ができます。

7.ラ・ショー=ド=フォンとル・ロックル、時計製造業の都市計画

ラ・ショー=ド=フォン(スイスの世界遺産)

時計産業のメッカとして知られる、ラ・ショー・ド・フォンとル・ロックルという隣接する2つの町は、もともとスイスの国定重要文化財でした。

17世紀から続く時計産業の街は度重なる大火の後、19世紀に計画的に再建されました。住居と工房が互いに混ざりながら並び、通りと建物が整然と平行に列を作って並んでいます。一つの産業の為に計画された珍しい町であり、今なお時計産業が続いている点が評価され、2009年に世界遺産、文化遺産に登録されました。

ラ・ショード・フォンには世界最高レベルの時計博物館があり必見です。ジュネーブからヌーシャテルまで行き、乗り換えてラ・ショードフォンまでは2時間弱です。

8.スイスの活発な地殻変動地域サルドナ

スイスの活発な地殻変動地域サルドナ(スイス世界遺産)

「スイス・テクトニックアリーナ・サルドーナ(スイス・テクトニックアリーナ・サルドーナ)」はスイスの北東部に位置し、3つの州をまたぐ広大なエリア。フォーダーライン谷、リント谷 、ヴァーレン湖に囲まれたグラールス・アルプスの一帯で、地球科学の分野において重要な「プレートテクトニス理論」の説明に大きな意味を持つ地形です。この地形が、2008年世界自然遺産に登録されました。

プレート理論とは、地球は何枚かのプレート(岩板)で構成されており、そのプレートの動きによりさまざまな地形が形成されてきたという地球科学の重要な学説。この地域で発見された衝上断層からは、造山活動の変動や影響を見ることができます。

これは、地殻変動の衝突によって、約2億5000万から3億万年前の古い地層が、約3500万から5000万年前の新しい地層の上に押し上げられるという、通常とは逆の断層。地球科学の分野では有名で重要な地形です。この一帯の中心部にあるサルドーナ山にちなんで「Swiss Tectonic Arena Sardona」という登録名になりました。

9.ラヴォー地区のブドウ畑

ラヴォー地区のブドウ畑(スイス世界遺産)

スイスは知る人ぞ知るワインの名産地。中でもラヴォ―地区は、レマン湖畔の丘陵地帯に広がる葡萄畑の美しさで知られています。そして「ラヴォー地区の葡萄畑」は2007年に世界文化遺産として登録されました。

きらめくレマン湖と雄大なアルプス山脈、テラス状に広がる葡萄畑、葡萄農家が暮らす小さな村々の美しい景観、そしてワイン作りの伝統と歴史が評価されての登録です。

ラヴォ―地区の葡萄畑の原型は、この地を修道院が支配していた11世紀頃に作られたと言われ、その歴史は1000年にも及びます。葡萄畑を巡るハイキングコースもあり、気軽に訪れる事が出来る世界遺産です。スイスが誇る城、シオン城と合わせて訪れてみて下さい。

10.サン・ジョルジオ山

サン・ジョルジオ山(世界遺産)

イタリアとスイス国境に位置するサンジョルジョ山は、ルガーノ湖の南にある標高1096mの小高い山。ここから中生代三畳紀・トライアシック紀のものと思われる、恐竜の祖先ティキノスクスやタニストロフェニスなど、1万点以上の無脊椎動物・魚類・海生爬虫類などの化石が見つかったことで世界中から注目を集めました。

三畳紀とは約2億4千万年前の時代というから驚きです。サンジョルジョ山の発掘現場には、研究者や学生などがよく訪れています。

周辺にはハイキングコースが整備されており、恐竜が歩いていた場所をハイキングするという貴重な体験ができますよ。

11.ミュスタイアのベネディクト会ザンクト・ヨハン修道院

ミュスタイアのベネディクト会ザンクト・ヨハン修道院(スイス世界遺産)

1983年に世界遺産に登録された「聖ヨハネ・ベネディクト会修道院」は、スイス東部にあるグラウビュンデン州の小さな村「ミュスタイル村」にあります。

人口1000人もいない小さなこの村で、ひときわ大きな修道院。8世紀にカール大帝の命により、クール司教によって建てられた古い歴史ある建物にもかかわらず、1167年から現在に至るまで、女子修道院として機能しているという貴重な建築物です。

外見は簡素ながら、世界的に見てもまれなほどの良好な保存状態。内部には9世紀から12世紀のロマネスク様式のフレスコ画や、1000年以上前に描かれた聖書の82場面などが残されています。19世紀末と20世紀半ばに行われた改修工事の際には、壁画の下からさらに古き時代のロマネスク様式の壁画が発見され、注目を集めました。

12.ザンクト・ガレン修道院

ザンクト・ガレン修道院(スイス世界遺産)

612年に修道士ガルスがつくった小さな庵に始まり、8世紀に創設されたザンクト・ガレン修道院は、文化と科学知識が集結された学問の総本山として、中世ヨーロッパにその名を広く知られていました。

現在は修道院としては使われていませんが、18世紀に改装されたバロック建築の傑作と言われる建物に付属する図書館は見学できます。この修道院が果たしてきた歴史的な意義、荘厳な建築、図書館に残る貴重な文献、9世紀に描かれた建築設計図などのすべてが高い評価を得て、1983年、世界遺産に登録されました。

◎スイスの世界遺産全12か所まとめ

レーティッシュ鉄道のランドヴァッサー橋(スイス世界遺産)

スイスは、鉄道、バスなどの公共機関が発達していて、観光地には登山鉄道、ロープウェイ、ケーブルカー、遊覧船などの各種乗り物が整えられていて便利です。何よりも治安が良く、人々が親切、宿泊施設も数が多く清潔、各地のインフォメーションも充実している、など本当に観光しやすい国です。

物価は比較的高めですが、観光客用に各種割引チケットや鉄道パスなどもあるので、有効活用しましょう。魅力的な世界遺産の数々があなたを待っていますよ。

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