日本人なら一度は訪れたい法隆寺周辺の観光スポット17選

日本人なら一度は訪れたい法隆寺周辺の観光スポット17選

斑鳩といえば法隆寺ですが、この斑鳩周辺には法隆寺以外にも多くの観光名所が点在します。「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」と有名な和歌のイメージからか、秋の観光がしっくりくるように感じる方も多いかもしれませんが、実はお花の名所も数多くあるんです。史跡以外にも花を訪ねる観光もいいですね。

昨今の歴史ブームでまた一段と有名になった法隆寺と聖徳太子、そして周囲の神社仏閣。一度自分の足で歩いて観光するのも良いものです。TVで見るのとはまた違った歴史の重みを感じる事ができますよ。さあ、大和路の歴史観光の旅へ出かけましょう。

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日本人なら一度は訪れたい法隆寺周辺の観光スポット17選

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1.法隆寺

法隆寺

出典: Wakko / PIXTA(ピクスタ)

斑鳩の地で絶対に外せない観光名所といえばなんといっても法隆寺。またの名を斑鳩寺といい、推古天王の命で聖徳太子が建立したお寺です。この縁起については歴史にあまり興味のない方でもご存知でしょう。この寺の建立とともにつくられた薬師如来像が法隆寺のご本尊。現在も金堂に安置され、当時のままのお姿を拝む事ができます。

法隆寺といえば金堂や五重塔など多くの建造物が国宝として大切にされています。観光に来たなら見逃せないですね。その貴重な建物を囲む四季折々の境内の様子も美しいお寺。春には境内の桜が咲き、秋にはススキが風情を添えます。何度来ても、いつ来ても心洗われるような清浄な空気にあふれた名刹です。

「観光だけでは物足りない、法隆寺により親しみたい」という方は、夏に行われる「法隆寺夏期大学」へのご参加を。毎年全国津々浦々から老若男女が仏教や仏教史、仏教美術などを学ぶ為に集います。日本で最も有名なお寺といっても過言ではないですが、その門戸は広く一般に開かれています。

2.法起寺

法起寺

法起寺は、太子建立七ケ寺の一つとされる歴史の古い寺院です。聖徳太子が建立したお寺は法隆寺以外にもあり、この法起寺・中宮寺・四天王寺など全7ケ寺であったという事なのです。7つもお寺を建てるとは、当時の仏教界において聖徳太子がどれほどの重要人物であったかがわかるような気がしますね。

この法起寺は、推古14年に聖徳太子が法華経についての教えを説いた岡本宮を推古天皇の崩御に際して寺に改めたものと言われています。そのため、別名岡本寺とも岡本尼寺とも言われています。

現在残っている建造物は三重塔。この三重塔は世界最古の非常に貴重なもので創建は708年。気の遠くなるような昔から修理を繰り返し保存されてきた塔です。観光にいったなら、法隆寺だけでなく聖徳太子ゆかりのこの三重塔もぜひとも見ておきたいですね。この寺は一時かなり衰退していたのを江戸時代以降に再興したという歴史があり、そのため当時の建造物跡が見られます。

3.中宮寺

中宮寺

太子建立七ケ寺の一つで、聖徳太子の母が太子に希ってつくられた尼寺です。かつての建造物は失われ、場所も少し変わっていますが当時は法隆寺の有名な若草伽藍と対をなす造りであったと言われています。尼寺としては飛鳥時代から続く寺として日本最古の歴史があります。女性は特に、行ってみたい観光スポットではないでしょうか。

このお寺で特筆すべきはその所蔵の品々のすばらしさ。ご本尊の「菩薩半跏像」は飛鳥時代の彫刻の最高傑作とされ、国宝に指定されています。印象的な黒の色と、優しいお顔立ちがいつまでも印象に残る菩薩様です。

もう一つ、太子の妻が太子の死を悼み太子がいるであろう天寿国の様子を刺しゅうさせ作ったと言われているのが「天寿国曼荼羅繍帳」。現存するのはごく一部ですが、当時の染色技術や服装・仏教についてなど数多くの事がわかる歴史的資料としても貴重なもの。太子を偲んで作ったその細やかさに圧倒されます。中宮寺にあるものはレプリカで実物は奈良国立博物館にありますから、観光ついでに足を延ばして見学しては?

4.法輪寺

法輪寺

法隆寺からまっすぐ北へむかった場所、斑鳩の北端・三井(みい)の地にあるお寺。風致地区(歴史的に重要な場所を維持するための特定地域)にあり、のどかな風景の中に佇むお寺です。聖徳太子の息子・山背大兄王(やましろのおおえのおう)が太子の病気平癒を願って建立したお寺と言われ、土地の名をとって三井寺とも呼ばれます。

このお寺では、珍しい風鐸(ふうたく)の音を聞く事ができるかもしれません。風鐸というのはお堂や塔の屋根の4隅に飾りとしてつるす青銅製の鐘型の鈴の事。お寺で屋根に何かぶら下がっているなと気づいた事はありませんか?

古い風鐸は壊れて鳴らないものが多いのですが、こちらの風鐸は1975年の修理で新調したばかりなので、風が吹くとちゃんと鳴ります。鳴る仕組みは風鈴と同じ、その音色は・・・乾いたような独特の音色なのだとか。音を訪ねる観光に興味はありませんか?

5.吉田寺(きちでんじ)

吉田寺

別名「ぽっくり寺」で知られる吉田寺は、実は天智天皇の勅願により作られたという由緒正しいお寺。別名がユーモラスなので親しみを覚えますね。境内には天智天皇の妹・間人内親王の御陵があります。

ぽっくり寺と呼ばれるのは、吉田寺開基の上人である恵心僧都が臨終の床にある母君に浄衣を着せかけて「南無阿弥陀仏」を唱えたところ、母君が安らかに逝かれたという言い伝えがある為。これにあやかり、長患いをしないようにと御祈祷に来る人が後を絶ちません。高齢化社会の今、今後ますます観光客も御祈祷の参拝者も増えそうですね。

ここでは今ブームの御朱印帳の手作り体験が可能。オリジナルの御朱印帳を作ったら、念仏を唱え法話を聞いて最初のページに吉田寺の御朱印を頂きましょう。要予約なので、10日前までには申し込んで下さいね。オリジナルの御朱印帳があれば、観光で神社仏閣めぐりをする楽しみが一つ増えますね。

6.松尾寺

松尾寺

「日本最古の厄除け霊場」とうたっている通り、厄除けで有名なお寺です。718年、天武天皇の息子舎人親王が日本書紀を編纂中、厄年なので日本書紀が無事に完成する事と自分の厄除けの為に建立したお寺だという事です。

建立の際には親王が松尾山に修行に入り、御祈願を行うまさにその日に東の山に瑞雲と言われる紫色の雲を見て、千手千眼観世音菩薩が降臨されたとの伝説が。まさに「紫立ちたる雲」、このころの日本人は感性が今よりずっと豊かだったのではないでしょうか。この時降臨された千手線眼観世音菩薩がご本尊の厄除け観音様です。

このお寺でさすが厄除け寺、と感心するのはおみくじで凶や大凶を引いてしまった人のアフターフォロー。ご住職の書いた書を下さるのです。大凶って、引くとけっこうダメージ受けてしまうもの。こんな風に優しく救いの手を差し伸べて下さるあたり、まさに厄払いの精神ですね。ここに観光に来たら安心しておみくじを引きましょう。

7.龍田大社

龍田大社

風の神をお祀りする「風神・龍田大社」。その歴史は今から2100年も前、崇神天皇の時代に凶作や疫病に苦しめられる民を救うために創建されたと言われています。神話の時代から続くそのご利益、ぜひともあやかりたいものですね。

こちらの神社で眼を引くのは、葉が八つに分かれた楓のマーク。「ご神紋」というものです。家紋のようなもの、現代風にいうとアイコンという事になるでしょうか。このご神紋には意味があり、龍田大社がお祭りする風の神は陰陽五行では木気に当たる事から風に木の文字で「楓」・さらには八方に風の神のすがすがしい気が行きわたるよう八重の楓となったという事です。なるほど、とうなずけるばかりでなくかわいらしいマークです。観光にきたらいくつ見つけられるか探してみましょう。

四季折々の行事もあり、特に7月に行われる風神大祭では風神花火の奉納が見もの。手持ちの花火が並んで空に向かって火花を散らす様は美しく迫力も抜群。ぜひともこの時期に観光に来たいものです。春の境内を彩る桜も見事ですよ。

8.斑鳩神社

斑鳩神社

法隆寺観光へ行ったらこちらもおすすめ。法隆寺の北東、天満池の近くにある斑鳩神社は法隆寺を守護する為の神社と言われています。現代の私たちには仏教と神道はまるで別物に感じますが、当時は神道が仏教を守る立場だった・・・?かなり難解な問題なので、これはちょっと置いときます。

この神社には菅原道真公が祭られています。つまり天満宮。天満宮といえば牛がつきものですが、この神社にも狛犬ならぬ狛牛さんがいます。小高い山の上にあって古びた感じがなんとも心地いい神社です。

この神社では10月中旬に「ふとん太鼓」の奉納があります。ふとん太鼓とは大型の太鼓台の事で、山車の一種ですが山車の屋根に大きな布団をたくさん積み上げるのが特徴。大きく重い山車を担ぐ姿が勇ましいお祭りです。この斑鳩神社では5台ものふとん太鼓が祭りに登場するのだとか。最近では珍しくなったこのお祭り、秋の観光シーズンに合わせて訪れるならぜひ一度見てみたいものです。

9.藤ノ木古墳

藤ノ木古墳

法隆寺に観光で訪れたなら、ぜひともこちらも観ておきましょう。藤ノ木古墳は法隆寺のすぐ西横にあり、歩いても数分で行ける場所です。未盗掘で発見された古墳として、発見当時は大きな話題になりました。それどころかいざ開けて見ると中からは予想をはるかに超える国宝級の副葬品がたくさん出土し関係者を驚かせたそうです。当時の熱気が想像されますね。

現在は整備が終わり、観光客も石室の外から中を見る事ができます。石棺が一つ、でもその中にはお二人分の亡骸が収められていました。未だ誰の墳墓なのか解明されていない為、北川の被葬者・南側の被葬者と呼ばれています。このような合葬墓に埋葬されるのは夫婦が多いようですが、この2体はいずれも男性のような骨格である事から未だに論争の種になっているとか。解明される日が待ち遠しいですね。

10.西里の町並み

古い町並みを散策する観光が好き、という方には「西里の街並み」がおすすめ。法隆寺の西側にあって、古い民家の土塀が延々と続きます。実は法隆寺ととても関連が深い場所なんですよ。

西里

このあたりは法隆寺の西門に近く、法隆寺の作事に携わった大工などが多く住んだ場所。東側にも同じように東里という場所があり、ともに法隆寺を支える人々が生活する場であったようです。法隆寺は大きな建造物ですので、その日常には様々な人が出入りをしていたのでしょう。

白い漆喰壁が並ぶ街並みは、当時の法隆寺周辺に暮らした人々の息遣いを現代に伝えてくれる場所。カメラ片手に観光散歩はいかがですか?

11.斑鳩の里のコスモス

斑鳩の里

斑鳩の里、つまり法隆寺や法起寺、法輪寺などの周辺あたりはハイキングコースとして観光客にも人気。古いお寺が点在し風情があるばかりでなく、雰囲気を壊すような建物がすくないので歩いていてとても気持ちのいいところ。ビルが無いと心地よい風が通ります。

コスモスは、法起寺近くの休耕田を利用して盛んに植えられています。コスモスって意外と生命力が強く、抜いても抜いてもまた生えてくるのだそう。可憐な姿からは想像がつかないですよね。

可憐に見えて生命力の強いコスモス、ピンクの花が風にそよぐ様はやはり見ていてカワイイという印象。法起寺の日本最古の三重塔と一緒に写真に収めましょう。三重塔は高さが高すぎないので、お花と一緒にうまい具合にフレームインしてくれます。ここでしか撮れないとっておきの一枚、観光の良い思い出になりそうですね。

12.奈良県立竜田公園

奈良県立竜田公園

竜田公園は、竜田川の川畔を公園として整備した県立の公園。古今和歌集にも竜田の紅葉を詠んだ在原業平の歌があり、いにしえより紅葉の名所として知られています。見ごろは11月下旬~12月上旬。晴れた日に川面に映る紅葉の美しさは格別です。

川沿いに公園が長く伸びているので、公園内を川に沿ってぶらりと観光。途中「もみじばし」という赤い欄干がカワイイ橋があったり、土手に敷かれたタイルがもみじの模様になっていたりと写真を撮りたいスポットがたくさん。観光のお土産はたくさんの写真!という方、秋に法隆寺観光に来たならこの竜田公園にもぜひ。

秋の紅葉観光がイチオシですが、川が浅く水辺に降りられるので夏はお子さんと一緒に水遊びにくるのもいいかもしれませんね。水辺の憩いの場は、季節を問わず遊びに来たい場所です。

13.古裂ギャラリーおおたに

古裂(こぎれ)って、ご存知でしょうか?様々な意味で使われる言葉のようで、舶来の価値ある織物のことだとか少なくとも戦前までの古い生地の事だとか所説あるようです。古い織物、という事は間違いないようですね。

こちらで扱っているのは、科学染料や機械織が導入される前の明治期以前のものばかり、かなりの年代物です。江戸時代の身分の高い女性たちのために織られた美しい織物が並んで、日本の布文化のすばらしさを実感できるギャラリーです。

日本各地から着物を愛する人々がこぞって訪れるこのショップ、外国人観光客にも人気がありそうですね。日本人としても、これほど古いものを目にする機会はありませんし、全国的にも希少な収集をしているギャラリーですから法隆寺観光の際はぜひともたちよりたいもの。法隆寺から歩いてすぐです。

14.法隆寺カントリークラブ

法隆寺カントリークラブ

歴史観光の土地、斑鳩で法隆寺の名を冠するゴルフ場を発見。ゴルフ好きで歴史も好きならこんな名前のゴルフ場で一度はプレイしてみたくなるのでは?気分はまるで聖徳太子。こちらのゴルフ場、コースは松林でセパレートされ、途中に池も多数見られる景色抜群のとても美しいコース。背景には奈良の山々が。奈良といえば吉野に代表される通り標高が低く頂上が丸い形の山々が特徴的ですよね。

その奈良の山を見渡すコースは開放的で最高のロケーションです。奈良の自然を観光しつつゴルフも楽しめる贅沢な環境ですね。ただし松林や池にはプレイ上は悩まされるかも?!あなたの腕次第、というところでしょうか。

観光都市で歴史に触れる旅もいいけど、ちょっと趣向を変えたいなと思ったらぜひこちらへ。爽快なスポーツ体験はやはり気分がいいですよね。さわやかな汗を流しに行きましょう。

15.斑鳩町文化財活用センター

斑鳩町文化財活用センター

法隆寺周辺・斑鳩の地はとにかく多くの歴史的建造物や古墳があります。それらを現地で見学するのはもちろん、より深く学習する為の施設がこちら。歴史観光をするならぜひとも立ち寄りたい施設です。

特に藤ノ木古墳関連の展示や解説はこちらにお任せ。出土した数々の副葬品のレプリカは常設。本物は国宝として橿原考古学研究所付属博物館に常設展示されていますが、せっかく古墳を見たら現地の近くで副葬品がどんなだったか知りたいもの。ここはそんなあなたの欲求を満たしてくれるんです。レプリカならでは、本物よりも色鮮やかな埋葬当時の状態が楽しめますよ。

映像ホールでは藤ノ木古墳やここ斑鳩の歴史について学ぶ事ができます。施設の庭には古墳内にあった石棺を象ったオブジェも。観光ついでに気楽に、でも詳しく学習できる場所なんです。

16.道の駅大和路へぐり

道の駅大和路へぐり

こちらは平群町にある地元の人にも人気の多目的な施設。大人から子供まで楽しく過ごせます。買い物は道の駅・へぐりくまがしステーションへ。地元野菜や手作り大福など、道の駅特有の地元密着!な感じが楽しめます。その土地の思わぬ名物を発見したりするので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

17.松本屋

法隆寺観光のあとは、観光の醍醐味の一つ・お土産探し。法隆寺の門前町で最大規模を誇り、ここにくれば法隆寺・斑鳩のお土産はなんでも揃います。売れ筋はわらびもちや奈良漬など、その土地ならではのもの。「柿食えば・・・」の和歌にちなんで松本屋オリジナルの「柿うどん」も人気です。

館内にはお食事処も完備。お土産としてご紹介した柿うどんはこちらで頂く事も出来ます。ざるうどんで供される柿うどんは麺が薄いオレンジの柿色。こんもり丸くもった柿うどんのてっぺんに少し緑のうどんを載せて、うどんで作った柿の形。これは観光記念に写真を撮らなくては!

柿を使ったメニューは他にもあって、柿ソフトも人気です。こちらもほんのり柿の色。法隆寺気分が増し増しです。広い館内でゆっくり食事や買い物を楽しんだら、さあまた次の観光に出かけましょう!

◎まとめ

法隆寺からその周辺の斑鳩一帯は、いにしえの雰囲気を残しながらも楽しく町おこしもしている魅力的な観光地。一度の観光旅行では回り切れないほど、観光したい場所が多すぎて困ってしまうかも。珍しいイベントもあり何度も出かけて斑鳩通になるのもいいですね。いつ観光に訪れても楽しめるという場所のは、なかなかないのではないでしょうか。

法隆寺には修学旅行で行ったというあなた、大人になったらもう一度行かなきゃ法隆寺の本当の良さは味わえないかもしれません。まずは観光旅行の王道中の王道・法隆寺をもう一度訪ねる旅へ。きっと素敵な観光旅行になりますよ。

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