ハンザ風の街並みが美しいロシアの飛び地!カリーニングラード観光地12選

ハンザ風の街並みが美しいロシアの飛び地!カリーニングラード観光地12選

バルト海に面したロシアの飛び地カリーニングラードは、「水の都」と称される美しい港湾都市です。ポーランドとリトアニアに挟まれたロシアの陸の孤島のような存在で、ソ連軍の軍事要衝とされたこともあり、冷戦後の現在も人口の多くは軍事関係者が占めています。

もともとはドイツ騎士団の植民地「ケーニヒスベルク」として建設され、後にドイツ帝国となるプロイセン王国は、この町で産声をあげました。

空港は街の北部に位置し、メインステーションとされる南駅まではバスで50分ほど。南駅は街のほぼ中心部にあり、観光にも便利です。今回は、ハンザ風の建物が建ち並びドイツの趣を色濃く残す、カリーニングラードの観光地をご紹介します。

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ハンザ風の街並みが美しいロシアの飛び地!カリーニングラード観光地12選

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1.ケーニヒスベルク大聖堂

カリーニングラード旧市街の中心、クナイプホーフ島(現カント島)の湿地に建つ、観光客に人気の大聖堂です。1333~1380年の間に、ドイツ騎士団によってゴシック様式の教会として建てられました。もともと左右に2本あった塔は、1544年の火災で焼失。その後、右側のみ再建されました。第二次世界大戦でイギリス軍の空爆により破壊するも、近年ドイツの協力もあって復元されました。戦後の再建とは思えないほど、歴史的な趣が残っています。

観光の見どころの一つが、大理石を使った哲学者カントの美しいお墓です。地元の新婚カップルが花を供えに来る名所としても知られています。また、重厚な音を聖堂内に響かせるコンピュータ制御のオルガンも必見ですよ。塔の上部が展示場になっていて、ドイツ時代のカリーニングラードの写真や歴史、カントについての見学もできます。コンサート開催時以外は内部の観光が可能なので、気軽に訪れてみてください。

2.カリーニングラード琥珀博物館

出典: Aikon / PIXTA(ピクスタ)

プロセイン時代に建てられた「ドーナの塔」の中にある、琥珀を専門に展示する博物館。琥珀の産出地であるカリーニングラード州ならではの観光ができます。現在バルト海沿岸で採掘される琥珀の約90%が、カリーニングラード北西部のヤーンタルヌイから産出されています。館内には、琥珀生成の歴史や、虫や植物が入り込んだ珍しい琥珀などが展示されています。中世の美術品や現代アーティストの作品など、2000点以上もの興味深い作品は魅力的ですよ。

ロシアを代表する観光スポットのひとつである、エカテリーナ宮殿の「琥珀の間」の一部も再現されていて、美しい琥珀のパネル装飾は心の底から感動を覚えます。また、16~18世紀に造られた琥珀製の装飾品や時計ケースなどは、見ているだけで華やかな気分にしてくれますよ。ぜひ、カリーニングラードの産物として有名な琥珀の魅力に陶酔する観光をどうぞ。

3.世界の海洋博物館

出典: Sludge G

カリーニングラード近海のみならず、世界の海洋を垣間見ることのできるロシア最大のマリンミュージアムです。カリーニングラード周辺の地質や古生物たちの標本、貝殻や珊瑚のコレクションなど、子供たちが喜ぶ展示もたくさん。国内最大を誇るマッコウクジラの骨の標本も見ものです。

カリーニングラードを貫いて流れるプレゴリヤ川河岸の広い敷地にあり、本館の周りは庭園風の美しい造りとなっています。また、河川沿いには小型の船や錨などが展示されているので、一緒に観光してみてくださいね。新館にはプラネタリウム付きの映画館などもあり、楽しみ方も豊富なんですよ。カリーニングラードはロシアでもっとも重要な港湾都市の1つですから、海洋博物館の観光は外せませんね。

5.B-413潜水艦博物館

世界の海洋博物館内には、第二次世界大戦時代に活躍した潜水艦「B-413」が展示されています。海洋調査船の「ヴィチャズ号」と「宇宙飛行士ヴィクトル・パサエフ号」と共にプレゴリヤ川に係留されていて、カリーニングラードの観光名所の1つとなっています。

B-413は、1999年の退役後、2000年からカリーニングラードの地に展示されています。1968年10月7日にバルト海に入港して以来、1969~1990年まで、第4潜水艦飛行隊の一員として活躍しました。全長90メートルを超える巨大潜水艦は迫力満点ですよ。また、ロシア語ですが、B-413のガイドツアーもあります。潜水艦内での生活や魚雷、潜望鏡、潜水艦の歴史も垣間見ることができるでしょう。

6.クルシュー砂州

クルシュー砂州は、ロシアの飛び地カリーニングラード州と隣国リトアニアにまたがる砂州です。バルト海とクルシュー・ラグーンを隔てて全長98キロに渡って伸びる砂州で、紀元前3000年前にあったモレーンの島々が砂でつながってできたといわれています。形成の原理は京都の天橋立などと同じなんですよ。

リトアニアの世界遺産となっていますが、美しい自然の風景はカリーニングラード州側でも見られ、人気の観光地となっています。カリーニングラード市街からは、北に30kmほど行ったところにあります。

13世紀のドイツ騎士団による占領と開発で、16世紀までには森林破壊が進んでしまいました。危機を感じた住民によって緑化活動が行われ、現在は美しい景色を取り戻しています。緑と白い砂、バルト海の美しい景観は感動ものです。

6.カリーニングラード動物園

出典: PhotoRoman / PIXTA(ピクスタ)

カリーニングラードがまだドイツ帝国のケーニヒスベルクだった1896年に設立された動物園です。1945年にカリーニングラード動物園と改名されましたが、ロシア国内で最も古い動物園の一つです。また、約16.5ヘクタールとロシア最大の動物園でもあり、315種の約2260頭もの動物たちを飼育しています。なかには、戦争などの辛い経験を一緒に耐えてきた動物たちもいました。カリーニングラードの人々にとっても、思い入れが深い観光地です。

アムールトラのターニャが雪玉を作る技術を身に付けたことや、可愛い動物の赤ちゃんの誕生など、カリーニングラード動物園は話題も豊富なんですよ。ライオンやキリン、孔雀などなど、たくさんの動物たちと出会える観光が楽しめます。

7.ケーニヒスベルク城跡

カリーニングラードがケーニヒスベルクだったころの1255年に、ドイツの騎士団によって築城された城跡です。大聖堂の北対岸にある中央広場には、かつて「王の城」と呼ばれた城の遺跡が今でも残っています。築城から増改築を重ねたお城は、82メートルもの高さの塔を持っていたということで、当時の堂々たる姿をうかがい知ることのできる観光スポットです。

第二次世界大戦で大きく損傷したお城を、ソ連は終戦から15年後に完全に破壊しました。地盤の緩さもあり、未だ再建が叶わないままですが、素のままのカリーニングラードを観光することができます。発掘された瓦礫なども展示されているので、かつてのお城の姿を想像しながら観光してみるのもいいですね。大聖堂など市内のあらゆるところで、このお城のジオラマや写真を展示しているので、往時をしのぶのも難しくはないでしょう。

8.王の門

出典: commons.wikimedia.org

カリーニングラードの中心部に残る城門の一つで、観光客が多く集まるスポットです。2005年に再建された王の門は、かつて王の通りと呼ばれたフルンゼ通りにあり、ケーニヒスベルク時代には主要な門とされていました。観光客もこぞって写真を撮る塔の正面にある彫像は、左から「ボヘミア王オットーカール2世」、「プロイセン王フリードリヒ1世」、「アルブレヒト公爵」の3体です。カリーニングラードの青空に栄えるレンガの赤茶色の中に、白く堂々たる姿がとても印象的ですよ。

18世紀に建てられた王の門は、フリードリヒ1世によりネオゴシック様式へ改装され、レンガは軍事的な用途にも耐えられるよう3度焼かれた強化レンガが使われています。現在は、外交の歴史などを展示する資料館としても使用され、日本が誇る外交官杉原千畝が勤務していた日本大使館も紹介されています。カリーニングラードに残る他の門と共に観光してみてくださいね。

9.ソ連の家

出典: amok / PIXTA(ピクスタ)

カリーニングラードにある、ソビエト連邦時代の1975年に建てられた21階建ての建築物です。美しかったレンガ造りの中世城塞都市は、ソビエト政権よってほぼ全て破壊され、その跡地に当時コンテンポラリーな建物を建てたという、社会・共産主義時代の歴史を象徴する観光スポットです。

ソ連の家は、カリーニングラードの中央部、かつてのケーニヒスベルクの城壁があったところに建てられています。ここの地下にはお墓がありましたが、地盤が弱かったために95%ほど建てたところで、旧ソ連が壊してしまいました。そのため、地元の人々は「ケーニヒスベルクの呪い」や「モンスター」などと呼んでいるそうです。当時カリーニングラードのランドマークとなるはずだった近代的な建物は、今では廃墟となっています。ここを訪れると、カリーニングラードの時代の流れを感じられますよ。

10.地下壕博物館

カリーニングラード中心部の広場には、地下へと続く入口があります。ちょっと不気味だけど、観光客に人気のある地下1階の防空壕です。第二次世界大戦の時にも、ナチス・ドイツ軍がケーニヒスベルク攻防戦の時に、本部としてこの地下壕を使っていました。戦争中のカリーニングラードの写真やジオラマなどが展示されていて、戦争中のようすを知ることができます。

この地下壕は長さ7メートル、幅42メートルあり、コンクリートで作られているのが特徴です。見逃せないのが、14号室。1945年4月9日にドイツの司令官オットー・ラッシュがこの部屋で降伏を決め、ケーニヒスベルクが陥落しました。この部屋は当時のままで再現されているので、どことなく戦時の緊迫感が漂っています。

11.漁村

出典: Aquamethods / PIXTA(ピクスタ)

カリーニングラードらしい観光を味わいたい方におすすめの観光スポットです。プレゴリヤ川沿いには、ドイツスタイルの木組みの建物が並び、カリーニングラードの川風を感じながら心地よい観光が楽しめます。また、高さ31メートルの灯台からの景色も、素晴らしく魅力的です。

川に架かる跳ね橋やウィンターガーデンの観光からも、カリーニングラードの趣を感じられますよ。ショッピング街にはお土産屋さんやレストランなども建ち並んでいます。ウォーターフロントで街灯やオブジェなどを眺めながらの散策もおすすめです。

12.勝利広場

出典: www.istockphoto.com

中央広場からレーニン大通りへ行くと、勝利広場に着きます。ここでの観光の見どころは、やはり2005年に建てられた勝利の柱でしょう。カリーニングラードの青空に聳え立つ姿が印象的です。この柱は、ケーニヒスベルク成立750周年の記念に建てられたものです。広場の中心にある噴水が、勝利の柱をより一層際立たせています。

また、第二次ロシア革命の指導者レーニンの大きな像も見どころの一つで、記念写真を撮る観光客の姿も多く見られます。堂々たる姿は迫力満点ですよ。夏の夕方に訪れると、音楽ライブが行われていて、心地よい雰囲気を味わえます。夕日と柱、噴水のコラボはとっても素敵なので、カリーニングラード観光の思い出に訪れてみてはいかがでしょう。周囲にはレストランなどもあり、観光客でとっても賑やかです。

◎まとめ

カリーニングラードは琥珀の産地として有名で、歴史的な観光地も多く点在する魅力的な都市です。ロシアの飛び地として知られる町ですが、かつてドイツ領だった雰囲気も感じられます。

街の中心部にはデパートなどもたくさんあるので、ショッピングを通してカリーニングラードの日常に触れる観光も素敵ですね。近郊には、カリーニングラードの人々が夏に出向くリゾート地も多く、とくにスヴェトロゴルスクへは気軽に行くことができるので、合わせて観光してみてはいかがでしょう。

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