大峰山で自然と歴史を観光しよう。大峰山女人結界門と修験道を巡る旅5選

画像出典:Mass Ave 975 (CC BY-SA 3.0)

大峰山で自然と歴史を観光しよう。大峰山女人結界門と修験道を巡る旅5選

吉野熊野国立公園にある大峰山は、2004年にユネスコ世界遺産に登録された観光と登山のスポットとして人気があります。修験道の修行場としても知られています。修験道は日本に昔からある山を神様とする山岳信仰と仏教が混ざり合った教えで、極めて厳しい山岳地帯の自然の中でつらい修行を行うことにより徳を得られるというものです。

そんな修験道を実践する山伏たちが居る大峰山には「大峰山女人結界」があり、今も女性の立ち入りが禁止されています。男性の方は世界でも珍しい女人結界のある大峰山へ、歴史と自然を知る旅に行ってみませんか?

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大峰山で自然と歴史を観光しよう。大峰山女人結界門と修験道を巡る旅5選

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1.女人結界門

女性立ち入り禁止の由来には諸説あります。昔の日本では高い山には魑魅魍魎が住み、山の神は嫉妬深い女神であるとされていました。そのため、女性は身を守るため険しい山には近づかないという文化ができ、他者に惑わされず修行したい山伏たちが敢えて険しい大峰山を修行場に選んだことが始まりと言われています。大峰山を山伏たちの修行の場として開いた役の行者の母も、現在の母子堂までは共にいったものの、険しい大峰山の山道に一緒に行く事を諦め、母子堂で子の無事を祈り待ったそうです。

今では現代の生活事情に合わせて大峰山女人結界の範囲は変更されています。以前は母子堂に女人結界門がありましたが、林業や土木に関わる女性が増えたことをきっかけに、大峰山頂を望む橋遙拝所の位置まで決壊が後退されました。女性は門の中に入れませんが、今も山伏たちの修行する幽玄な大峰山の一端を垣間見るのは貴重な体験ですよ。

2,大峰山の鍾乳洞

出典: Yama / PIXTA(ピクスタ)

大峰山では近畿地方には珍しい大きな鍾乳洞を2つも観光できます。五代松鍾乳洞は天然記念物に指定された鍾乳洞。近くでは大峰山でろ過された「ごろごろ水」が湧き出し、面不動鍾乳洞は奈良県の文化財に指定されています。どちらも内部の観光が可能。鍾乳石が間近に迫る内部は、まるでゲームのダンジョンのよう。徒歩でも行けますが、急な山道を登るモノレールの利用がおすすめです。

五代松鍾乳洞観光の帰りにはぜひ「ごろごろ水」を持ち帰りましょう。「ごろごろ茶屋」で利用料を払えば持ち帰れます。なのでペットボトルや水筒をお忘れなく。

面不動鍾乳洞観光の帰りは、歩いてスリル満点の「かりがね橋」を渡ってみましょう。長さ120m、高さ50mの吊り橋からは、大峰山と洞川温泉をぐるりと見渡せます。

3.大峰山に登ろう!

大峰山は山登りを楽しむ観光客に人気です(大峰山山上ヶ岳は女人禁制)。他の山とは違う険しい山道の連続で、大峰山頂までは往復約12km・約6時間の行程になので、山頂観光目的でもしっかり装備と計画を整えて向かいましょう。大峰山山上ヶ岳山頂には日本最高所に建つ重要文化財である大峰山寺があり、本道の扉を開ける5月3日から9月23日まで、たくさんの観光客&登山客が参拝します。

女性には女人大峰山とも呼ばれる稲村ヶ岳登山がおすすめ。花の百名山としても有名で、希少な山野草や高山植物をが観光できます。山頂の展望台からは世界遺産「大峯奥駈道」などをパノラマで見渡せます。

観音峯展望台までのハイキングコースなら、往復約3時間と登山観光初級者向き。稲村ヶ岳や大峯奥駈道に連なる大峰山の山並みを一望できるので、気軽な観光登山コースとして楽しめます。

4.大峰山の自然を堪能したい人は遊歩道散策へ

大峰山山上ヶ岳や稲村ヶ岳の登山といった起伏の激しい山道。「もう少し気軽登れないかしら?」という人は、洞川旅館街から面不動鍾乳洞 ⇒ 展望台 ⇒ 女人結界門等を巡って旅館街に戻る行程(約5時間)にチャレンジしましょう。洞川遊歩道を歩けば、自然の厳しさと美しさの中に息づく古い歴史が身近に感じられます。

家族連れで手軽に渓谷を歩きたい方は「みたらい遊歩道」がおすすめ。紅葉の時期は関西随一とも言われるみたらい渓谷の絶景が楽しめます。春なら山野草や新緑、夏なら渓谷を吹き渡る涼しい風とむせ返るような緑。四季折々の自然が魅力的です。

遊歩道には手すりなどが整備されていますが、急な上りや吊り橋もありますので、大峰山まで行かない方でも運動に適した服装とトレッキングシューズやスニーカーでお出かけください。

5.洞川温泉

出典: Bakkai (CC BY 3.0)

大峰山の麓にある洞川(どろがわ)温泉は関西では有数の避暑地。「西の軽井沢」と呼ばれることもあるほどです。

20軒ほどの旅館や民宿が立ち並ぶレトロで小さな温泉街は標高約820mにあります。夏は涼しく、秋は紅葉や渓谷美、大峰山登山を楽しめるとあって観光客に人気です。宿泊だけではなく天然温泉に入れる村営の温泉センターがあるので、日帰りで入浴を楽しむことも可能です。気軽に観光したい方でも洞川温泉の美人の湯に浸かれますよ。

洞川温泉センターでは桧風呂の内湯や薬草風呂のほか、露天風呂もあるので、大峰山の山歩きで疲れた体を存分に癒しましょう。洞川温泉の泉質は弱アルカリ性単純温泉。筋肉痛、関節痛、消化器病などに良いと言われています。大峰山の自然観光で疲れた体を癒すのにぴったりです。

6.歴史ある和漢薬「陀羅尼助丸」をお土産に

大峰山観光のお土産といえば、まるで時代劇の薬問屋が扱っているかのようなクラシカルな包装の「陀羅尼助(だらにすけ)丸」です。

陀羅尼助丸は大峰山周辺の山々に多く自生するキハダの皮を主原料に、ショウガ科のガジュツ、ゲンノショウコなどをあわせて煎じられている和漢胃腸薬。なんと飛鳥時代の斉明天皇3年(西暦657年)からあるともいわれています。

キハダは黄柏(オウバク)とも呼ばれ、近代の和漢薬にもよく使われる生薬。胃を丈夫にして下痢を止める効果があります。ゲンノショウコは古くから優れた整腸薬として日本で用いられていて、現代にも通じる処方なのが驚きです。

陀羅尼助丸を購入できるお店はいくつかありますが、銭谷小角堂では陀羅尼助丸だけでなく陀羅尼助キューピーやようかんといったアイテムも購入できます。大峰山観光のお土産を買いに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

7.大峰山からしみ出す名水を使った名水とうふ

大峰山登山やハイキングの前に小腹がすいたら、名水百選にも選ばれた湧き水「ごろごろ水」で作られた絶品のお豆腐を食べに山口屋へ立ち寄ってみては?

大岩から湧き出す美味しい水は、洞穴に木霊して「ごろごろ」と音をたてて流れるため、地元の人たちから親しみを込めて「ごろごろ水」と呼ばれています。店先では一皿150円で、特製のしょうが醤油のかかった大豆の味の濃い豆腐が食べられます。

観光客の多い時期は午前中で売り切れてしまうこともありますが、持ち帰れるタイプのものは1丁300円で買えます。お土産として購入する方は、持ち帰りの途中で豆腐が崩れてしまうのを防ぐための専用保冷容器の購入が必要です。

◎まとめ

大峰山の厳しい山岳地帯の中に建てられたお寺や山伏たちの修行場には、その場所を目指した修行者と周辺に住む人の積み重ねた歴史があります。人の意思だけでは制御しきれない険しくも美しい自然に寄り添って生きる人々が暮らす大峰山や洞川温泉で、その歴史に思いを馳せ、自然と心を向かい合わせてみませんか?いつ訪れても新しい発見があり、山々はその時期にしか見られない格別の美しさを披露してくれるでしょう。

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