名称:国民保養温泉地 酸ヶ湯温泉
住所:青森県青森市荒川字南荒川山国有林小字酸湯沢50
公式・関連サイトURL:https://sukayu.jp/
青森県八甲田山系の中腹に位置する「酸ヶ湯温泉(すかゆおんせん)」は、豪雪地帯で知られる秘湯の温泉宿です。海抜900mの高地に湧く白濁した酸性の硫黄泉が特徴で、訪れる人々を魅了しています。自然豊かな十和田八幡平国立公園内にあり、四季折々の美しい風景を楽しめる静かな環境と、心身ともにリフレッシュできる温泉が魅力。周辺には、火山を起源とする観光地や高山植物が息づく湿地、沼地が点在し、東北大学植物園などもあります。
秋の紅葉シーズンには「城ヶ倉大橋」や「八甲田ロープウェー」などの名所を巡りながら、酸ヶ湯温泉の温かい湯に浸かるひとときを楽しめます。自然に囲まれたこの秘湯の魅力と、酸ヶ湯周辺の観光スポットをご紹介します。
目次
酸ヶ湯温泉と周辺観光スポットをご紹介【青森県】
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酸ヶ湯温泉とは
JR青森駅から車で1時間あまり。「酸ヶ湯温泉」は北八甲田連峰の主峰・大岳の西麓にある温泉宿です。
300年を超える歴史をもつ硫黄泉の酸ヶ湯温泉は「国民保養温泉地第1号」。山の秘湯の1軒宿としては規模が大きく、旅館棟のほか湯治棟も完備。もちろん日帰り入浴もOKです。
そんな酸ヶ湯温泉の名物は、「千人風呂(せんにんぶろ)」と呼ばれる総ヒバ造りの巨大風呂です。青森県の県木にも指定されている青森ヒバは、「ヒノキアスナロ」とも呼ばれるヒノキ科の香木。そのヒバで造られた酸ヶ湯温泉を代表する大浴場の千人風呂は、160畳もの広さにもかかわらず柱が1本もありません!
千人風呂にある複数の浴槽についてもご紹介します。下から源泉が湧く「熱の湯」は、名前と違って意外とぬるいのですが、保温効果がとても高いお湯。温まり具合が半分程度というのが名前の由来になった「四分六分の湯」は、熱の湯より湯温が高いのが特徴です。打たせ湯の湯滝は、鹿が傷を癒やしていたという開湯伝説から「鹿の湯」とも呼ばれています。温度の低い冷泉「冷の湯」は上がり湯にもどうぞ。
ヒバ千人風呂は基本的に混浴ですが、女性の脱衣室から入りやすいように目隠しの仕切りが付けた配慮がなされ、湯あみ着も販売されています。さらに、朝・晩の8時~9時は女性専用タイム!1時間ずつとはいえ、ヒバ千人風呂に気兼ねなく入浴することができて、混浴に抵抗がある女性に大好評!
ヒバ千人風呂のほか、男女別の大浴場「玉の湯」ならいつでものんびり浸かれます。
酸ヶ湯温泉では、温泉旅館、湯治客向けの長期宿泊プラン、日帰り入浴まで、さまざまなニーズに対応。この魅力的な温泉を目当てに、全国から多くの湯治客や観光客が訪れます。
旅館棟では、八甲田山の秘湯宿とは思えないイキング形式の豪華な夕食と、バリエーション豊かな朝食が楽しめます。どちらも美味しいと評判なので、ぜひ2食付きのプランで宿泊して温泉と観光をゆっくり満喫してください。また、八甲田山系の登山拠点としても便利に利用できます。
アクセスは、JR青森駅やJR新青森駅からJRバスで約80~100分。さらに、宿泊者限定でJR青森駅からの無料送迎バスも利用可能です。ご希望の方は事前にお問い合わせください。
それでは、酸ヶ湯温泉周辺の観光名所をご紹介します。まずは、歩いて巡れるスポットからご案内。レンタカーを利用すれば、周辺に点在する観光スポットもドライブしながら楽しめますよ。
1.地獄沼
酸ヶ湯温泉から国道沿いの遊歩道を十和田湖方面に少し歩くと、「地獄沼」という少し怖い名前の沼があります。約800年前の爆裂火口跡に、高温の強酸性温泉が湧き出してできた火口湖で、魚は生息していません。沼のすぐ近くまで行けますが、危険なため立ち入りは控えましょう。
八甲田火山は約110万年前から火山活動を始めたとされ、現在も各地で火山ガスを噴出しています。酸ヶ湯温泉から地獄沼へ向かう自然観察遊歩道の途中にも、水蒸気や硫化水素ガスが立ち上る荒涼とした裸地が広がっています。
「地獄沼」といっても雰囲気はそれほど怖くなく、気軽に散策できるスポットです。酸ヶ湯温泉でのんびり過ごした後、空いた時間にプチ観光として訪れてみてはいかがでしょうか。
名称:地獄沼
住所:青森県青森市荒川字南荒川山国有林内
公式・関連サイトURL:https://aomori-tourism.com/spot/detail_95.html
2.まんじゅうふかし
地獄沼から国道を渡り、少し下ったところに「まんじゅうふかし」という観光客に人気の癒しスポットがあります。ユニークな名前の由来は、お尻をまんじゅうに見立てて温めることからきています。東屋には木製のベンチがあり、内部に約95度の温泉が流れる仕組みになっています。
「熱いかな?」と少し心配しながら座ってみると、ちょうど気持ちいい温かさ!ただし、時期や服装によっては熱く感じる場合もあるので、火傷しないよう様子を見ながら「まんじゅう」気分で温まってみてください。まんじゅうふかしは、酸ヶ湯温泉周辺で火山活動を身近に感じられる観光スポットとしておすすめです。
名称:まんじゅうふかし
住所:青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢
3.東北大学植物園 八甲田山分園
まんじゅうふかしから、「東北大学植物園八甲田山分園」へと遊歩道が続いています。小川に架かる小さな木橋を渡ると、そこはもう植物園の中。園内は自由に散策でき、酸ヶ湯温泉方面に戻るルートとして通り抜けることもできます。
植物園の案内表示はありますが、入口付近に設置されている全体地図を写真に撮っておくと安心です。遊歩道沿いには高山植物が生えており、それぞれ丁寧に紹介されています。地図を参考にしながら、撮影を楽しみつつゆっくり散策してみましょう。この植物園は自然の姿をそのまま残しているため、足元は最低でもスニーカーを着用するなど歩きやすい靴でお出かけくださいね。
名称:東北大学植物園八甲田山分園
住所:青森県青森市荒川南荒川山1-1
開園期間:6月1日~10月30日
※冬期11月1日~5月30日は閉鎖
開園時間:日出~日没まで自由
公式・関連サイトURL:https://web.tohoku.ac.jp/garden/hakkoda.html
4.酸ヶ湯インフォメーションセンター
東北大学植物園八甲田山分園から酸ヶ湯温泉方面へ戻る場合、国道に出たら左へ進みましょう。
酸ヶ湯温泉方面へ歩いていくと、左手に「酸ヶ湯公共駐車場」があります。そこには「酸ヶ湯インフォメーションセンター」が併設されており、酸ヶ湯温泉や八甲田山に関する情報を収集できます。館内には、八甲田山の模型や写真等が展示されていて、八甲田の全体像を学ぶことができます。また、各種リーフレットも置かれているので、ぜひ立ち寄ってみてください。
名称:酸ヶ湯インフォメーションセンター
住所:青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50
5.八甲田ロープウェー
「八甲田ロープウェー」は、山頂からの展望や散策を楽しむ観光用として、また冬には八甲田スキー場のロープウェーとして、年間を通じて運行されている101人乗りのロープウェーです。
八甲田ロープウェーを利用すると、北八甲田山系の西部にある田茂萢岳(たもやちだけ)の山頂まで一気にアクセスできます。沼や湿地帯を散策しながら、雄大な大自然を堪能してみませんか?
山頂公園駅舎内には屋内展望室がありますが、天気が良ければぜひ屋上の展望デッキにも上がってみてください。八甲田山系や岩木山、青森市街から津軽半島、下北半島までの素晴らしいパノラマ絶景を一望できます。
田茂萢岳山頂一帯は湿地が広がり、沼や高山植物が点在する高山植物園です。散策できる遊歩道は数字の「8」の形に整備されており、「ひょうたん(Gourd)」から「八甲田ゴードライン」と名付けられています。短いコースは約30分、両方回っても約1時間と手軽に楽しめる人気の観光コースです。山頂駅にはレストラン、カフェ、売店があり、多目的トイレや身障者専用エレベーターも完備されています。
また、八甲田ロープウェーはトレッキングの拠点としても利用されています。毛無岱(けなしたい)を経由して酸ヶ湯温泉へ向かう「毛無パラダイスライン」や、大岳を経由して酸ヶ湯温泉まで縦走する「大岳登山コース」などがあり、トレッキング客にも人気です。
八甲田ロープウェー山麓駅へのアクセスは、酸ヶ湯温泉から八甲田・十和田ゴールドラインを青森市街方面へ車で10分ほどです。
名称:八甲田ロープウェー
住所:青森県青森市荒川寒水沢1-12
公式・関連サイトURL:http://www.hakkoda-ropeway.jp/
6.城ヶ倉大橋
紅葉の名所として知られる「城ヶ倉大橋(じょうがくらおおはし)」は、酸ヶ湯温泉から黒石方面へ車で約5分ほどの場所にある絶景ポイント。アーチ支間長は約255mと日本最長で、橋全体の長さは約360m、高さ約120mと、まさに日本一の上路式アーチ橋です。城ヶ倉大橋からの美しい風景とともに、この橋と八甲田連峰がコラボレーションした絶景を眺めに多くの観光客が足を運びます。
橋の約120m下には城ヶ倉渓流が流れ、美しい渓谷美も楽しめます。特におすすめの季節は、山一面が紅葉する秋。城ヶ倉渓谷に広がる赤・黄・オレンジの色鮮やかな景色を眺めることができる酸ヶ湯温泉のおすすめ観光スポットです。
1995年に完成した城ヶ倉大橋は、四季折々の酸ヶ湯温泉周辺の自然を贅沢に味わうには最適。そして雄大な絶景を眺められる観光スポットでありながら、津軽と南部をつなぐ重要な役割を果たす橋でもあります。シーズンごとに違った表情を見せてくれるので、リピーターの観光客にも人気のある場所のひとつになっています。
名称:城ヶ倉大橋
住所:青森県青森市荒川字南荒川1-1
公式・関連サイトURL:https://aomori-tourism.com/spot/detail_130.html
7.睡蓮沼
青森県の八甲田山周辺には多くの湿原があります。酸ヶ湯温泉から国道103号線を車で約10分ほど走ると、十和田湖方面に「睡蓮沼(すいれんぬま)」があります。スイレン科のエゾヒツジグサが自生していることから睡蓮沼と呼ばれるようになりました。
国道沿いのバス停「睡蓮沼」から階段を上って、バイカモやオオタチツボスミレなどの植物を観察しながら少し歩くとすぐに到着。その先に、知る人ぞ知る酸ヶ湯温泉の観光スポット「睡蓮沼」が見えてきます。
睡蓮沼周辺は湿地帯なので、観光するための木道や柵、展望台が整備されています。睡蓮沼や八甲田の風景をゆっくり眺めることができますよ。オススメの観光シーズンは、ミズバショウが白い花を一面に咲かせる6月初旬。そのあとにはレンゲツツジやワタスゲ、夏にはエゾヒツジグサの花を鑑賞できます。紅葉で色づく秋の絶景も見逃せません。
静かに過ごしたいときや、のんびりと自然に囲まれてリラックスしたい方におすすめ。自然に囲まれ綺麗な空気を吸い込みながら、目の前に広がる山々の姿と水面が揺らめく沼の景色に癒されたいときにはぜひ訪れてみてください。
名称:睡蓮沼
住所:青森県十和田市大字法量
公式・関連サイトURL:https://hakkoda9spa.com/sightseeing/suirennuma/
8.八甲田「雪の回廊」
青森市街地から十和田湖方面に行く国道103号線は、「八甲田・十和田ゴールドライン」と呼ばれる観光道路です。この道路沿いに位置する酸ヶ湯温泉は、大雪のニュースでよく目にする有名な豪雪地帯。青森市街地から酸ヶ湯温泉までは年中通行できるのですが、少し東の八甲田ホテルから谷地温泉(やちおんせん)間の約8kmにわたる道路は、冬の間、閉鎖されてしまいます。
雪に埋もれた長い冬が終わる4月初旬、この冬季閉鎖区間が「雪の回廊」としていよいよ開通します。高さ約5~10mの雪壁に囲まれた回廊を、ドライブで楽しんでみませんか?
なお、猿倉温泉(さるくらおんせん)や前述の睡蓮沼はこの閉鎖区間内にあるため、冬季は訪れることができません。猿倉温泉旅館は冬季閉鎖となりますが、湧出量が豊富なため、一年を通して奥入瀬(おいらせ)エリアのホテルや旅館に送湯されています。冬場でも奥入瀬で猿倉温泉のお湯を楽しめるのはうれしいですね。
名称:八甲田「雪の回廊」
住所:青森県青森市荒川沢口国道103号線
公式・関連サイトURL:https://hakkoda9spa.com/activity/snowwalk/
◎酸ヶ湯温泉と周辺の観光スポットまとめ
青森県青森市にある酸ヶ湯温泉周辺の観光スポットをご紹介しました。酸ヶ湯温泉は温泉そのものが素晴らしいだけでなく、周囲には雄大な自然を感じられる見どころがたくさんあります。散策すれば火山としての側面を楽しめる名所や、高山植物を観察できるスポットにも出会えます。また、レンタカーやバスで少し足を伸ばせば、八甲田ロープウェイや城ヶ倉大橋、睡蓮沼など、八甲田の大自然を満喫できるエリアも充実。温泉を目的に訪れたつもりが、観光も楽しめてしまいます。
酸ヶ湯温泉へのアクセスは、JR青森駅から路線バスで約70分。日帰り入浴もできますが、宿泊者は無料送迎バスを利用できます。広い駐車場があるので、レンタカーでも安心。「どこか旅行に行きたい」とお考えの方や、次の休日の行き先に迷っている方は、ぜひ酸ヶ湯温泉を訪ねてみてはいかがでしょう。
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