神奈川に現存している貴重な歴史スポット!おすすめ11選

神奈川に現存している貴重な歴史スポット!おすすめ11選

神奈川県には歴史的に重要な拠点や、歴史上の転機となった場所が数多く存在しています。古都・鎌倉は、飛鳥時代から発展した仏教とそれまで信仰の対象とされてきた神道が融合した日本文化の起点。有名な鎌倉大仏や鶴岡八幡宮をはじめ、鎌倉幕府にゆかりのある建長寺や円覚寺などでは歴史と同時に美しい花も楽しめます。

難攻不落の小田原城や箱根関所などは、ゆっくり見学して当時の面影を偲びたい場所。ペリー公園・三笠公園・山下公園は、幕末~明治~大正にかけた歴史的に重要な側面に思いを馳せながら散策してみると、いつもと違った観光になるはず。そんな神奈川県で、ぜひ訪れてほしい歴史スポットを順にご紹介していきます。

目次

神奈川に現存している貴重な歴史スポット!おすすめ11選

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1.神奈川・四季の花が優美な歴史スポット「長谷寺」

長谷寺

神奈川県の古都・鎌倉にある「長谷寺」は、観音山に広がる境内に四季折々の美しい花が咲くことで知られる「花の寺」。春には桜やボタン、初夏は2500株ものアジサイ、秋は萩、冬は椿などが咲き誇り、紅葉も見事。その美しさから「西方極楽浄土」とうたわれる歴史スポットです。

長谷寺は、奈良時代創建とされる古刹で、本尊の十一面観音像は奈良県桜井市にあるもう1つの長谷寺である「大和の長谷寺」の本尊と対になっていると伝わります。元は1本の御神木であった大楠木から彫り出された2体の十一面観音像のうち、1体は大和の長谷寺の本尊として安置。もう1体は祈願して海に流され、15年の歳月を経て三浦半島に流れ着きました。その十一面観音を安置するために創建したのが、この鎌倉の長谷寺です。

観音堂の西にある「観音ミュージアム」には、貴重な宝物である仏像や希少な梵鐘などを展示。また、境内には高浜虚子の句碑や、久米正雄の胸像などが建てられています。鎌倉有数の景勝地のとして有名な長谷寺。相模湾と鎌倉の町並みを一望できる見晴台からの眺望もおすすめです。

2.神奈川・難攻不落の歴史スポット「小田原城」

小田原城

神奈川県にある歴史スポット「小田原城」は、日本を語る上で欠かせない場所のひとつ。織田信長が果たせなかった全国統一という偉業を豊臣秀吉が成し遂げたのは、この小田原城の落城が決め手でした。当時の日本では、「小田原城は難攻不落の城」として知られておりいました。

小田原城の藩主北条氏康は、甲斐の武田信玄や信濃の上杉謙信と並び評されるほどの武将でした。この三者は、お互いにしのぎを削るほどの戦いを見せ、この小田原城も武田軍や上杉軍の猛攻を受けました。その度に攻撃を退けたことから、決して落ちることの無い難攻不落の城といわれるようになりました。甲斐の武田信玄が志半ばにして亡くなった時に、上杉謙信と北条氏康が手を握り、共に天下を目指していたら形勢は大きく変わっていたかも、と思うのも歴史のおもしろさでしょう。

3.神奈川・鎌倉大仏が有名な歴史スポット「高徳院」

高徳院 鎌倉大仏

神奈川県の「高徳院」と聞いてもピンとこない方は多いと思いますが、「鎌倉大仏」といえば知らない人がいないほど有名。この高徳院は、鎌倉の象徴ともいうべき大仏、国宝の阿弥陀如来像を本尊とする浄土宗の寺院。

もともと大仏は大仏殿のなかに安置されていましたが、大風・津波・地震などにより破壊されたとの記述が残っています。また、金箔が貼られた名残が右ほほに残ることから、当初は金箔が貼られた絢爛豪華な大仏であったと考えられています。大仏の内部は空洞で、体内拝観が可能。ぜひ入ってみましょう。

4.神奈川・鎌倉幕府ゆかりの歴史スポット「鶴岡八幡宮」

鶴岡八幡宮

神奈川県鎌倉市の「鶴岡八幡宮」は、鎌倉幕府にゆかりのある神社。源頼義が、京都の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)を由比ヶ浜に鶴岡若宮として祀ったのが起源。衰退後、北条氏綱が再建し、江戸幕府によって仁王門や護摩堂など多くが建立されました。

明治に入り廃仏毀釈などの災難、関東大震災などがあり、寺の大部分が喪失したり宝物が散逸しましたが、現在は復興されました。特筆するのはその国宝の多さで、古神宝類を始め多数の宝剣や朱漆弓、螺鈿の漆硯箱などを見ることができます。特に奈良時代の古刀は、そりが一種独特のもので曲がりが大きいのが特徴。俗に太刀と呼ばれるものが多く、江戸時代の刀とは腰の差し方も逆になっているほど、大きな差異があります。

鶴岡八幡宮の流鏑馬

社殿には、義経を慕って舞を披露した静御前の歌が残されています。機会があれば、秋の例大祭に奉納される「流鏑馬(やぶさめ)」をぜひごらんください。

5.神奈川・鎌倉五山第一位の歴史スポット「建長寺」

建長寺

建長寺は、鎌倉幕府の5代執権、北条時頼が創建した臨済宗建長寺派の大本山で、鎌倉五山第一位の名刹。北条時頼の信心深さは有名で、特に禅宗には深く帰依していたことが知られています。建長寺は福岡市にある「聖福寺」の次に古い禅寺であり、神奈川周辺の禅の心はここから広まったといっても過言ではないでしょう。

総門から方丈に至る一列の伽羅配置は、当時のままとされています。扉や壁がなく、仁王像も置かれていない珍しい「三門」は、禅宗の寺院らしく質素を実践した佇まい。法堂の小泉淳作氏による「天井画雲竜図」、仏殿内の欄間彫刻も必見。参道の桜並木が美しく、ボタンやハス、秋の紅葉も大変見ごたえがあります。

6.神奈川・文豪作品の舞台になった歴史スポット「円覚寺」

円覚寺

神奈川県の円覚寺(えんがくじ)は、鎌倉幕府8代執権である北条時宗が開基した臨済宗円覚寺派の大本。鎌倉五山第二位の寺院で、夏目漱石や島崎藤村の作品の舞台にもなったことで知られています。

この寺は、1度目の蒙古襲来である「文永の役」の追悼供養のために創建。しかしこの間に2度目の侵攻「弘安の役」も起こり、2度にわたる蒙古襲来「元寇」の戦没者を弔うことになってしまいました。敵味方差別することなく戦没供養が行われたことから、日本人の国民性と器の大きさをうかがい知ることができる重要な歴史スポットです。

この円覚寺も、戦火や震災など度々の大火に巻き込まれており、創建当時のものはほとんど残されていません。しかし神奈川で唯一、国宝建造物が存在するのもこの円覚寺。塔頭・正続院の中の舎利殿は貴重な国宝に指定されています。通常は非公開ですが、正月三が日と11月3日前後に外観のみ公開されています。

7.神奈川・義経ゆかりの歴史スポット「白旗神社」

白旗神社

源氏を象徴する「白旗」という名前がついた「白旗神社(しらはたじんじゃ)」は、全国に70社あまりある源氏を主祭神とする神社。神奈川県にも、鶴岡八幡宮境内や法華堂跡、藤沢市、三浦市、横浜市などいくつかあります。なかでも、藤沢市の白旗神社の主祭神は「源義経」。周辺には、源義経首洗井戸や弁慶塚が残っています。

牛若丸と弁慶の逸話でも知られる「源義経」は、後に判官贔屓(ほうがんびいき)という言葉も生み出すほどの人気のある人物。兄である頼朝のために戦い抜いた猛将で、鎌倉幕府にとっても立役者でしたが、結局は鎌倉幕府を開く兄にうとまれ、命を狙われる羽目に陥ってしまいます。義経は奥州平泉に逃れますが、追手から逃げ延びることができず、自害。白旗神社は、義経の霊を鎮めるため、頼朝が建立を指示したと伝えられています。

8.神奈川・江戸の要所で堅固な歴史スポット「箱根関所」

箱根関所

箱根山には「箱根八里」といわれるほど長く伸びた、有名な「箱根関所」がありました。には神奈川の歴史スポットとしても有名な場所です。本来、関所というのは国境にあり敵の侵入を防ぐという意味合いが強かったのですが、次第に税を取るための場所になっていきました。徳川3代将軍家光は、各国の大名の力をそぐために「参勤交代」という制度を創設。妻子を江戸に住まわせることで人質とし、年に一度、自国と江戸を往復させる事で旅費をねん出させ、経済力までも奪ってしまおうと策略しました。

箱根の山は天下の嶮(けん)といわれる難所で、断崖絶壁と芦ノ湖があるため、箱根関所はを無理やり抜けることは困難でした。「入鉄炮出女(いりてっぽうとでおんな)」という言葉で知られるように、江戸に持ち込まれる鉄炮と、大名の家族の女性が江戸から出て行かないように江戸から出る女性は、特に厳しく取り締まられました。明治に入り関所はすべて撤去されましたが、「箱根御関所御修復出来形帳」によって復元。当時の関所の面影や風景を垣間見ることができる重要な施設になっています。

9.神奈川・開国で重要な歴史スポット「ペリー公園」

ペリー公園

江戸末期の1853年、米国のペリー提督が、日本国に対し開国を促すため、神奈川県の浦賀水道に来航。日本はアメリカにとって燃料の補給や食料の調達地点と見なされており、この開国要求は武力行使もいとわないほど切羽詰まったものでした。日本国内は、開国するか戦争するかで意見が真っ二つに分かれ、ついには内乱を招いて江戸幕府の終焉を迎えるきっかけになりました。

「ペリー公園」は、ペリーが上陸したこの久里浜に造られた横須賀市立の歴史公園。園内にはペリー上陸記念碑を中心に、ペリー記念館や児童広場があり、毎年7月にはペリー祭というにぎやかなお祭りが開催されます。

10.神奈川・戦艦三笠が拝めるヒストリーな歴史スポット「三笠公園」

三笠公園

神奈川県の三笠公園は、世界で無敵を誇ったロシアの「バルチック艦隊」を破った「戦艦三笠」が記念艦として保存されている歴史スポット。園内には、噴水ショーのある音楽噴水、芝生広場、東郷平八郎連合艦隊司令長官の銅像などがあり、「日本の都市公園100選」「日本の歴史公園100選」も選ばれています。

日露戦争の連合艦隊旗艦であった戦艦三笠には、連合艦隊司令長官・東郷平八郎が乗り込んでいました。当時のロシア帝国は列強国の中でも無敵の力で世界を圧倒。この弱肉強食の時代に、日本は小国でありながらアジア諸国の植民地化を憂い、植民地解放を旗印に開戦。まさか東の小国であった日本が、ロシア帝国に勝利するなど荒唐無稽の話と思われていましたが、世界史に残る偉業を成し、「トーゴー・ターン」戦法とともに、戦艦三笠の名も世界に名を馳せることになりました。

実は、戦艦三笠は国産ではなく、英国で製造されたもの。当時の日本は国力も財力も無く、英国に借金をしてこの艦を手に入れました。海洋国家であったイギリスと手を組み、ロシアによるアジア侵略を拒むためにこの戦いは行われたのです。三笠公園は、そんな歴史を振り返りながら、実物の戦艦三笠を見られる神奈川県の歴史スポット。戦艦三笠の艦首は皇居、そしてロシアへの方向に向いています。

11.神奈川・横浜のシンボル的な歴史スポット「山下公園」

山下公園

現在は憩いの場として人気のある横浜市の「山下公園」は、関東大震災の爪痕で造られた歴史スポットといえる公園。1923年に起こった関東大震災は、この横浜でも深刻なダメージを与えました。荒れ果てた大地に復興を促すため、この地をがれきで埋め立てることで整備を推し進めていったのです。

園内には、復興記念として建てられた施設や設備などが点在しており、童謡「赤い靴」で知られる女の子像や、水の守護神像、「カモメの水兵さん」の歌碑などもあります。「カモメの水兵さん」は10か国語に翻訳され、現在でも世界各地で歌われています。

山下公園に係留されている大きな船は「氷川丸」。美しい船体と豪華な設備から「北太平洋の女王」とも呼ばれていた旅客船で、船内は見学が可能。海岸沿いの山下公園は、青い海と空、たくさんのカモメが飛び、爽やか海風を受けながら汽笛が耳に心地よい場所。「未来のバラ園」をはじめ四季の花が美しく、家族でもカップルでも、1人でも、ベンチや芝生に座ってのんびり楽しめます。夜景も見事で、みなとみらいや氷川丸のイルミネーションなど、復興した素晴らしい港町横浜を堪能しましょう。

◎神奈川に現存している歴史スポットまとめ

神奈川県には古都鎌倉、箱根関所など、江戸に近いことから歴史的にも重要な場所が多い地域。地理的にも起伏の多い場所や平野などもあり、神奈川県は歴史が発展する上でふさわしい場所、そして争いの絶えない地域でした。戦乱の世をかいくぐってきた悲運の名将の話など、逸話は現在でも多く残されています。この記事を神奈川県の歴史スポット巡りの参考にしていただき、さまざまな歴史に思いを馳せながら旅をしてみませんか。

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