【ロンドン】バンクシー作品の場所はどこ?|アクセス方法をご紹介!

【ロンドン】バンクシー作品の場所はどこ?|アクセス方法をご紹介!

イギリス・ロンドン市内にあるバンクシーの作品がある場所と、アクセス情報をご紹介します。

バンクシーはイギリスで活動している以外、素性については一切が不明という謎のストリートアーティストです。キャンパスに描くわけではなく、街中の壁やら標識などに絵を残すスタイルで知られ、描かれる度にニュースとなっています。

バンクシーの絵は落書きとして消されてしまうこともありますが、保存する場合や絵の周辺が観光地化することもあり。本記事ではロンドンにおけるバンクシーの絵がある場所について詳細情報を解説します。ぜひチェックしてみてください。

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【ロンドン】バンクシー作品の場所はどこ?|アクセス方法をご紹介!

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バンクシーとは?

バンクシーとはイギリスで活動しているストリートアーティストです。街中にあるなんでもない壁に絵(グラフィティ)を描き、時にメッセージ性の強い作品を手掛けています。ただし公共的には落書きで犯罪にあたるため、バンクシーの正体や素性は一切が不明です。(活動についてはSNSで確認できます)

絵は基本的に何かしらの政治的・社会的なテーマなどが込められており、キャプションによる解説がない場合は絵が何をあらわしているかの考察が進められるなど、とにかく登場するだけでもちょっとした騒ぎになります。

2000年初頭から活動をはじめこれまでいくつもの作品を描いて来ていますが、出現は不定期です。2024年には連日のように新作を出しており、短期間で複数の作品が出現する場合もあります。

日本でも話題になる「バンクシーらしき絵」

バンクシーの活動拠点はロンドンですが、日本などにも「バンクシーの作品ではないのか?」とみられる作品がいくつか残っています。

本物かどうかの確信は得られていません。ただし東京都内に出現した「バンクシー作品らしきネズミの絵」は有名で、都がバンクシーの作品に対して保全の必要があるとコメント。「落書き」を芸術品とし、事実上容認したという行動が話題になりました。

その後は撤去されましたが絵を都庁で展示、異例の処置と言えるでしょう。ただしバンクシー本人たちも自身の作品かどうかは肯定せず、結局その後のメッセージもなく本物かどうかはわかっていません。

バンクシーの絵はロンドンのどこ?

バンクシー ロンドン どこ

バンクシーについて前提情報を見たところで、ロンドンでバンクシーの絵を探してみましょう。実際にどこに行けばみれるのか、アクセス方法や注意点も含めてご紹介致します。

バンクシーの作品は年々人気が高まっていて、描かれてしばらくは鑑賞客が集まります。自治体的には保存を表明する場合が多いものの、「グラフィティ」という性質上、塗りつぶされてしまったり保護されない可能性も高くなっています。

特に描かれた壁の持ち主が処分を検討している場合、早めに訪れた方が良いかもしれません。

・バスキア(バービカン・センター)

ヨーロッパ有数の文化複合施設である「バービカン・センター」の壁。こちらにはバンクシーによって描かれた2つの絵が消されずに残されています。

この施設で描かれた「バスキアの壁画」は、いずれもバンクシーの作品として公式から認められたものです。壁画が現れたのは2017年の9月18日で、イギリスで20年ぶりに開かれるジャン=ミシェル・バスキアの回顧展に先立ち、バンクシーの壁画が登場しました。

ここで描かれた作品はバスキアの過去作からインスピレーションを受けており、「非公式コラボ」として話題になっています。

「警察官に歓迎されたバスキア」

「警察官に歓迎されたバスキア」は、バスキアが発表した「Boy and Dog in a Johnnypump」をイメージした作品です。バスキアの作品には炎の中にたたずむ黒人少年と犬が描かれていましたが、バンクシーの作品は、この少年が警察官に囲まれボディチェック受けているかのような絵となっています。

白人と比べて黒人への職務質問が多く、何かしたわけでなく疑われる扱いされることに批判が集まっていました。メインで描かれている人物はバスキア本人とされ、バスキアでさえもボディチェックを受けるという揶揄が込められています。

「観覧車」

バンクシーの壁画はもう一つあり、それが「観覧車」と名付けられた作品です。観覧車のゴンドラ部分が王冠の形をしていますが、実はバスキアはヒーローを象徴とするものとして王冠を多用しており、それを彷彿とさせるような作品です。

上記の「警察官に歓迎されたバスキア」とは、道路を挟んだ向かい側に飾られています。この周辺は本来グラフィティに対して厳しくすぐ綺麗にされてしまうのですが、バンクシーの作品だけは例外とされています。

バービカン・センターへのアクセス

バービカンセンターの最寄り駅は地下鉄の「ムーアゲート駅」で、徒歩10分ほど。駅から出た北西側にバービカンセンターが位置しており、距離は近く目立つため迷う心配なくアクセス可能です。

ちなみにバンクシーの絵はセンター内にあるわけではなく、車での入口前にあります。

・ネズミ(バービカン)

バービカンセンターの近く、バンクシーの2つの壁画から東側(センター入口から出て左側)にまっすぐ行くと、建物の隅にひっそりとプラカードを掲げているネズミの絵が現れます。

プラカードには現在「I love(♡)London ROBBO」と書かれていますが、元々バンクシーが描いた時は「London Doesn’t Work.(ロンドンは機能しない)」と描かれていました。ロボという画家とバンクシーによる上書き合戦が発生し、ロボの急逝以降はこの更新が止まったそう。シンプルな絵ながらエピソードもある作品です。

アクセス方法は上記の通りで、センターから徒歩2分ほどです。車だとあっという間に通りすぎてしまうので注意しましょう。

・The Painter(ノッティングヒル)

ロンドンに残るバンクシーの作品。続いては「The Painter」についてご紹介しましょう。こちらの作品は2007年に描かれたもので、現在も残っています。

「The Painter」は髭を生やした画家がBANKSYとタギングしたかのような絵で、レストランの外壁に描かれています。タギングとは公共物などに自身の名前やシンボルなどを描くことで、自信の名前をまるで書かせているかのように表現しています。

この画家はスペインでも代表的な画家である「ディエゴ・ベラスケス」とされており、若くして宮廷画家となった人物です。これはどういったメッセージなのか明らかではなく、「宮廷画家に自身の名前を描かせる」「宮廷画家がグラフィティを描いた」など、どんな意味があるのかさまざまな考察がされています。

建物はその後買収され改修工事が行われましたが、バンクシーの作品は保護されていました。単なる落書きと評されず、住民たちの関心を集めることとなります。

The Painterまでのアクセス方法

The Painterはロンドン西部、ノッティングヒルの町中に位置。ロンドン地下鉄の「ラドブロークグローブ駅」からは徒歩4分、「ノッティング・ヒル・ゲート駅」からは徒歩20分ほどの距離です。

「Prima Notting Hill」というレストランの外壁に残されています。アクラム・ロードとポートベッロ・ロードが交差する地点であり、近くにはA40幹線道路(ウェストウェイ)が通っています。

・Designated Graffiti Area.(ショアディッチ)

続いては「Designated Graffiti Area.」(指定グラフィティエリア)と書かれた作品について見ていきましょう。絵はパトロールをしているであろう警官と、警官の持つリードで繋がれた犬となっています。指定エリアの巡回に来たのでしょうか?

この地には他のグラフィティアーティストによる作品が複数展示されており、特にバンクシーの作品は描かれた2003年以降何年も保護されています。グラフィティ(落書き)を取り締まるはずの警察を「指定グラフィティエリア」に描くことで、嘲笑う意味が込められているそうです。

同じ場所に作品「HMV」も

Designated Graffiti Area.がある中庭には、他アーティストの作品のほか、バンクシーの作品である「His Master’s Voice(以下、HMV)」もあります。

古くからある蓄音機に向けて、犬がバズーカ砲か何かを構えているユニークな絵です。レコードショップである「HMV」のロゴはフランシス・バローの絵画をイメージしてデザインされ、対抗文化を独占しました。しかしその後は成功せず苦しい経済事情に悩まさることとなります。

古い蓄音機は保守的な文化を、動物は若者をイメージしているようです。

Designated Graffiti Area.へのアクセス

「Designated Graffiti Area」「HMV」へは、まずロンドン・ショアディッチのリビングドン・ストリートを目指しましょう。

このストリート内にあるカーゴナイトクラブの中庭に両作品あります。前述で少し触れた通り、他アーティストの作品も保護されているので、訪れた際はこちらにも注目しましょう。

・Yellow Flower(ベスナル・グリーン)

続いてはロンドンの中心からやや東側、「ベスナル・グリーン」に位置する「Yellow Flower」をご紹介しましょう。

「Yellow Flower」は、文字通り実にシンプル。巨大な黄色い花が壁に描かれています。歩道を横切る道路には黄色の二重線が引かれていますが、これの線が延長して黄色い花を描いています。これまで見てきたグラフィティとはだいぶ作品イメージも趣も色合いすらも異なりますね。

現在では他の落書きに上書きされるなどして、元々よりも賑やかになっているようです。

・Yellow Flowerへのアクセス方法

「ベスナル・グリーン地下鉄駅」が最寄り駅で、駅からは徒歩10分ほど。

駅前の大通り(A1209)を西側に進み、ポラード・ロウのバス停を右折。ポラード・ロウを道なりに進んでいくと、イエローフラワーが現れます。

・very little help

続いては市内の北側!ノースロンドンに描かれた「very little help」をご紹介します。こちらに残る壁画は「テスコ キッズ」という別名でも知られて、エセックス・ロードに位置しています。

壁画が描かれたのは2008年のこと。イギリスのスーパーマーケットであったテスコへ忠誠を誓うため、子どもたちがこの「テスコ」のキャリーバックを旗竿に掲げている図を描いています。

まるでスーパーマーケットが独裁政治を敷いているかのような異様な光景のように見えますが、バンクシーはこの壁画に「社会的な大量消費主義」に対しての批判を込めたとされています。

ただしこの壁画は何度か塗りつぶしが行われ、テスコのマークはなくなり、前述したグラフィティアーティストである「ロボ」のものに書き換えられ原型は残っていません。従って保存状態はよくありませんが、今もこの壁画を見ることは可能です。

最寄り駅は「エセックス・ロード駅」で、壁があるのは「Savemain Pharmacy」という薬局になります。

・tree mural

「tree mural 」は2024年に登場したバンクシーの作品です。ロンドン・フィンズバリー・パークの公営住宅地の壁に描かれています。

壁自体に描かれているのは緑色のペイントと、これを塗ったと思しき人物です。単体で見るとなんだかわかりませんが、壁のすぐ手前に立つ「枯れ果てた木」と組み合わせると、まるで緑が復活したかのような作品が出来上がります。

絵の手前の木は腐敗が進み手入れがされてきましたが、バンクシーが壁画を描いたことでより一層、景観の保存が強化されることになりました。

tree mural へのアクセス方法

最寄り駅である「Finsbury Park」はロンドン地下鉄・ナショナルレールの駅です。前述の通り作品は公営住宅地にあり、駅からは徒歩20分ほどの距離となります。

駅から「セブンシスターズロード」ことA503を南西へ。A103との交差点に着いたら右折し、10分ほどまっすぐ歩いていくと右側に作品が現れます。

2024年にバンクシーウィークが発生!

ロンドンのあちこちに現在も残るバンクシー作品。新作が出現する度に話題となりますが、2024年の夏にはなんと1週間以上毎日続けて新作が出現する「バンクシーウィーク」が発生しました。

その前後のロンドンは暗いニュースが続いていましたが、バンクシーが毎日出現し始めて報道に明るさが取り戻されるなどかなりの影響を与えているようです。

なお動かしようがない壁画などは見れる可能性がありますが、バンクシー作品を狙った盗難事件が発生していることから、一部では保存のために撤去されている絵もあり。従って、すべての絵が描かれた場所に残っているわけではありません。

さて、次から次へと登場するバンクシー作品はいずれも話題となっています。どこにどんな作品が現れたのでしょう?

・GOAT(キューロード・キュー橋)

初日に登場したのはロンドン西部リッチモンド、キュー宮殿近くの外壁に現れた「羊」です。キューブリッジ駅からテムズ川へ、徒歩10分弱の場所に影の「GOAT(羊)」が出現しました。

羊は今にも崩れそうな柱の上に立っており、何かの拍子にころりと落ちてしまいそう。その様子を、ロンドン中に仕掛けられた防犯用の「CCTVカメラ」が捉えそうです。

プライバシー的な意味なのか、「崖っぷち」という意味なのか、どんなメッセージがあるのかは考察されていますが、アクセスしやすいバンクシー作品の一つです。

・ゾウ(パターシー・パーク)

2日目に出現したのは、ロンドンの南西部の「パターシー・パーク」、「イーディス・テラス」にある家のふさがれた2つの窓です。向かい合った象が窓から頭を出し、長い鼻を伸ばしています。

こちらの絵もメッセージ性や説明文・解説文はなく、それぞれの考察や各々が解釈するかが待たれている作品です。まお2つ目からかゾウも二頭となっています。

・3 monkeys

3日目は道路上、鉄道の走る高架に「3猿」が出現しました。

3猿といえば日本の日光東照宮にある3猿(見ざる・言わざる・聞かざる)をイメージしますが、イギリスも日本のそれと殆ど同じ意味で伝わっているそうです。実はワールドワイドなんですね。

なおこの3猿についてのキャプションもなく、どんなメッセージが込められているのか正解はなく、考察や多くの解釈がなされています。

「3 monkeys」の最寄り駅は「ショアディッチ・ハイ・ストリート」です。駅からはスクレーター・ストリートを進み、ブリック・レーンへ右折するとすぐに見えてきます。

・アンテナ狼とペリカン?

バンクシーは4日目、今まで順当に動物の数が増えてきましたが、この日は数が増えずアンテナに遠吠えをしているような狼が1匹描かれました。しかし直後にこのアンテナが盗難騒動に発展し、騒動となっています。盗みやすいものに描かれた瞬間の盗難騒ぎ。すぐに戻ってくることを祈りましょう。

狼といえば絶滅危惧種というイメージがあります。日本人としては絶滅が寂しく感じますが、牧畜国家という都合からか狼には害獣という印象の方が強く絶滅への惜しさはないようです。

5日目はロンドン北部に出現したのは2羽のペリカンです。うちペリカン一羽は魚を捕まえたようで、今にも飲み込もうとしています。もう1羽は何をしているのでしょうか。

いずれも如何なるメッセージが込められているのかは不明ですが、狼だけ見ると絶滅が危惧される動物たちに関係があるのでしょうか。ネット上でもさまざまな解釈がされ、議論されています。

ペリカンの最寄りは「セントジェームスストリート駅」で、駅近くにある「Bonners Fish Bar」を目指しましょう。

・6番目はネコ

6日目となる8月10日。バンクシーはさらなる新作を描きました。今度はロンドン北西部、使われていない木の看板にネコが描かれています。

こちらは前日に盗難事件があったことや、材木が盗まれやすいことから撤去も検討されているらしく、今後どう公開されていくのかは最新情報を追う必要がありそうです。

・7日目はピラニア?

ネコが出現した翌日の8月11日は、街中になんとピラニアが出現しました。

ロンドン警察のポリス・ボックス(警察直通電話ボックス)に描かれたのは、とてもリアルな色彩で描かれた無数のピラニアです。遠目に見るとまるでホンモノのピラニアがポリスボックスの中で泳いでいるようで、公共物が水槽へと早変わりしてしまいました。

こちらのポリス・ボックスも保管のために撤去され、ギルドホール・ヤードへと移動されています。しっかり作品を鑑賞する環境を整えてから公開されてるようです。

・放置車両とサイ

1週間の連続公開で終わるかと思いきや、8日目も作品が登場。続いては、車を簡単に踏みつぶしそうなサイが主役です。

路上で放置されている乗用車。この車は実物ですが、遠目にみるとサイが前足をよいしょと車のルーフに乗せています。車は今のところ原型を留めていますが、車両はグチャっといきそうです。実はこの車両も良く見ると「サイ」であり、角の代わりと思われるカラーコーンが絶妙な角度で置かれています。

この作品に関して盗難被害の心配はなかったものの、公開直後に何者かが上書きをするなどして作品を汚してしまう事件が発生。顔を隠していた男の素性は不明ながら、目撃者も多い中での犯行だったようです。

・ゴリラの解放

8月14日にもバンクシーは新作を発表しました。場所は「ロンドン動物園」のシャッターで、描かれたのはシャッターから飛び出す無数の動物たちと……シャッターを開けて中の動物たちを逃がしているかのようなゴリラです。

この2024年8月、毎日のように出現した一連のバンクシー作品はどれもこれも「動物」でした。これらの動物、実はゴリラによって脱走した動物園の動物だったようです。キャプションもなく、動物たちばかり登場したのかなぜだったのか謎が解けましたが、一連シリーズのバンクシー作品はこのゴリラが最終作品であるとのことです。

なおシャッターは動物園が開いている間は開けられてしまうので、ゴリラの絵はシャッターが下りている閉場時にしか見られません。

ロンドン動物園は「クィーン・メアリーズ・ローズ・ガーデンズ」にあります。ここは周辺に複数の鉄道駅があるエリアですが、駅からは離れており徒歩でのアクセスは時間がかかりそうです。ベイカー街駅やカムデン・タウンからバスなどを使って移動しましょう

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