オーロラ観賞スポット11選!北欧or北米?定番から穴場まで

オーロラ観賞スポット11選!北欧or北米?定番から穴場まで

北の大地に輝くオーロラといえば一生に一度は見たい、自然が織りなす芸術です。その美しさを見れば寒さも吹き飛んでしまうほどという声も多く、意外とリピーターも多いことで知られています。

オーロラが見られる場所は大きく分けて北欧と北米がありますが、お手軽度や綺麗さは北欧と北米でそれぞれ違います。この記事では、北欧と北米それぞれでのオーロラ観賞のポイント、メリットおよびデメリットについてや、おすすめの観賞スポットを解説していきます。

目次

オーロラ観賞スポット11選!北欧or北米?定番から穴場まで

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オーロラの基礎知識!どこが観賞スポットに適している?

オーロラの由来はローマ神話の神「アウロラ」に由来しますが、科学用語になった過程については不明です。古代には、この不思議な光は人智を超えた何者かが作った光だと信じられていて、エスキモーの言い伝えでは、死者は「オーロラの国に旅立つ」とも言われていました。オーロラについて科学的な分析が始まったのは18世紀のことで、オーロラが光る要因について判明したのは20世紀に入ってからです。

ちなみに1番珍しいのは「紫色」なんだそう。

◆オーロラが見られる地域は限られている

オーロラはどこでも見られるものではなく、北緯65度~北緯70度の「オーロラベルト」上で特に多く見られることが特徴です。北欧・北米のオーロラで有名な観光地も、このオーロラベルト上に位置しています。時期は8月下旬から4月ですが、特に極夜と呼ばれる1日中太陽が昇ることがない時期(10月ごろ~3月ごろ)がおすすめです。

後ほどご紹介するカナダのイエローナイフなどでは、8月下旬~9月ごろに行けばそれほど寒くない環境でオーロラが見えることもあります。

余談ですが、2023年には日本の陸別町でも8年ぶりにオーロラが観測されました。ただ、地平線付近が赤く光る程度で、北欧や北米のきれいさには到底かないません。

北欧・北米でオーロラ観賞をするとき、両地域でのメリット・デメリットは?

オーロラと雪山

結論から言うと、オーロラを手軽に見たい場合は北欧が、きれいなオーロラが見たいのなら北米がおすすめです。
それぞれの地域のメリット・デメリットを以下で見てみましょう。

◆アクセスが簡単な北欧、アクセスが難しい北米

イエローナイフ空港

オーロラ観賞の玄関口となるフィンランドの首都ヘルシンキまでは、東京(羽田・成田)、大阪(関空)から、フィンエアーや日本航空(JAL)の直行便があります。ヘルシンキでもオーロラを観測できる日が1年に何度かありますが、よりクオリティの高いオーロラを見るならフィンランド・スウェーデン・ノルウェーの地方都市へ向かいましょう。

一方の北米はシアトルやバンクーバー、トロントなどでの乗り換えが必須です。アンカレッジやフェアバンクス、イエローナイフなどへの直線距離ではそれほどでもありませんが、やや遠回りになるので、それだけ運賃もかさみます。

ニューパシフィック航空という航空会社による直行便が成田からアンカレッジに就航を表明していますが、2023年10月現在はまだ、就航のめどが立っていません。もし、就航すれば一気にアクセスの問題は解決することでしょう。

2023年10月現在では、シアトルなどからアンカレッジまで、アラスカ航空やデルタ航空等の航空便があります。

◆意外と暖かい北欧、寒さ厳しい北米

ノルウェー・レーヌ村のオーロラ

北欧で滞在する場所にもよりますが、ノルウェーの北極海沿岸には温帯気候が分布しており、世界最北の温帯といわれています。北極圏(北緯66度33分)より北に温帯が分布するのは、世界でもノルウェーだけ。この地域ではなんと、冬には最低気温が0℃を上回る日もあり、首都オスロはもちろん、札幌や東京より暖かい日もあるほどです!

この地域は西太平洋海流という暖流が流れている関係で、比較的温暖な気候となっています。同様の気候はアイスランドにもあり、こちらでは首都レイキャヴィークでもオーロラが鑑賞できます。

しかし、ノルウェー北極海沿岸以外のフィンランドやスウェーデンは「亜寒帯(冷帯)」のため、最低気温は氷点下10℃程度。北米ほどではないですがかなり冷え込みますので、服装はダウンなど、暖かいものをおすすめします。

一方の北米では、オーロラのベストシーズンには氷点下20℃を下回ることが多いので、十分な防寒対策がマストです。

◆観賞できる日数が少なめな北欧、観賞できる日が多い北米

フェアバンクスのオーロラ

北欧では場所にもよりますが、例えば、フィンランドのロヴァニエミでオーロラが見られる確率は晴れた日の半分程度といわれています。

対してアラスカのフェアバンクスでは、1年のうちオーロラが現れる日は平均240日ほどで、約200日(フィンランドのロヴァニエミの場合)を上回ります。

こればかりは運の要素もありますが、両地域ともオーロラをみるならば最低でも3泊4日は確保したいところです。

◆光害が多い北欧、少ない北米

イエローナイフのオーロラ

北欧はオーロラ観光の拠点となる都市が多く、比較的便利なのは確かです。しかし、裏を返せば人も多く住んでいるということ。街灯りがあるので、町の近くだとオーロラがくっきりと見えません。そのため、現地ツアーに参加してバスで移動する必要が多いのも事実です。

対して、北米で大きな都市にはアンカレッジ(人口約30万人)があります。人口73万人ほどのアラスカ州は人口の約半分がアンカレッジに集中しており、その他の都市も人口3万人のフェアバンクスや州都ジュノーがある程度です。

一方のカナダも人口の9割ほどが南部のアメリカとの国境約200km以内に住んでおり、北部3準州の人口は約15万人程度。大きな町であるユーコン準州の州都ホワイトホースやノースウェスト準州の州都イエローナイフの人口は約2~2.5万人と、とても少ないです。
そのため、ある程度の不便さは覚悟する必要がありますが、カナダやアラスカは人口が少ないので街中でもオーロラがはっきり見られる場合があります。

◆お手軽な北欧、プライベート感満載の北米

ガラスイグルー

上記のことにも関連しますが、北欧の方が人口が多い分、飛行機の便数やホテルが多いので、全体の費用が抑えられる傾向にあります。

一方の北米(アラスカ・カナダ)は、ホテルの数こそ少ないものの設備が充実したホテルが多数存在。オーロラの観賞に適したホテルや、ホテルでオプショナルツアーを行っている場合があるので要チェックです。

ホテルによっては暖かい部屋にガラス張りの天井「ガラスイグルー」があるホテルもあり、最適な環境の中でオーロラ観賞が満喫できます。

北欧でオーロラ観賞におすすめのスポット1. 「サーリセルカ」(フィンランド)

サーリセルカのオーロラ

オーロラを見るのが初めてという方におすすめなのが、サーリセルカです。この町は日本人に最も身近なオーロラ観賞地で、街中で日本人観光客を見かけることもしばしばあります。もちろん日本語対応のツアーも充実。ホテルによってはツアーカウンターがあったり、日本人スタッフがいたりします。

サーリセルカまではヘルシンキから空路でイヴァロ空港まで行き、連絡バスを使って約30分で行けます。

北欧でオーロラ観賞におすすめのスポット2. 「ロヴァニエミ」(フィンランド)

ロヴァニエミのオーロラ

サンタクロースの故郷、ロヴァニエミも日本人に定番のオーロラ観賞スポットです。ロヴァニエミにはオーロラ予報のアプリがあるほどで、オーロラ観光に力を入れていることが分かります。アークティック・ガーデンやナーナスバーラの丘などの観賞スポットがあり、オーロラ観賞ツアーも充実。オーロラ以外の観光も充実しているので、滞在に飽きることはないでしょう。

アクセスは小ぢんまりとしたロヴァニエミ空港が便利で、ヘルシンキからの直行便があります。

北欧でオーロラ観賞におすすめのスポット3. 「イナリ」(フィンランド)

イナリ湖と逆さオーロラ

フィンランド最北部のイナリという村は、イナリ湖に映る逆さオーロラが有名なオーロラ観賞スポットです。イナリは人口が少ないので、光害の心配がありません。

また、フィンランドは北に行くほどオーロラがきれいにみられるので、最北部に位置するイナリはフィンランドでのオーロラ観賞にはベストな選択といえるでしょう。ただ、食品や日用品をお店と、オーロラ観賞以外でも楽しめる観光スポット少ないのでその点は覚悟が必要です。

こちらへのアクセスは、先述のイヴァロ空港から北にバスで約1時間です。

北欧でオーロラ観賞におすすめのスポット4. 「キルナ」(スウェーデン)

キルナのオーロラ

スウェーデンのキルナもオーロラが美しい町です。キルナへ行くには、スウェーデンの首都であるストックホルムを経由するのが一般的。ストックホルムまでは日本から出発する場合、必ず途中で1回の乗り換えが必要です。その意味ではアクセスは不便ですが、キルナ教会、スキーや犬ぞり体験もできるので、オーロラが出ていない時間も退屈しません。

◆キルナの「アイスホテル」が話題!

キルナのアイスホテル

そして、こちらでおすすめしたいのが「アイスホテル」です。氷でできたお部屋に宿泊はもちろんのこと、氷でできたグラスが名物のバーがあるなど、氷の世界を楽しめる工夫がたくさんあります。skyticketでご予約いただけるので、話のタネに泊まってみてはいかがでしょうか?

◆キルナへのアクセスは飛行機や夜行列車がおすすめ!

キルナまでは首都のストックホルムから飛行機で1時間半で着きますが、夜行列車もおすすめです。ストックホルム中央駅から列車で約15時間。2023年10月現在のダイヤでは18:10にストックホルム中央駅を出発し、明朝の9:14に到着します。料金は座席車で15,000円程度(1,100クローナ程度)から、寝台車は17,000円程度(1,280クローナ程度)からとなります。

日本ではほとんど残っていない寝台列車の旅が楽しめるのはもちろん、食堂車を連結しているので、温かい食事も食べられます。
運が良いと夜行列車からオーロラや星を眺められるかもしれません!

北欧でオーロラ観賞におすすめのスポット5. 「トロムソ」(ノルウェー)

トロムソのオーロラ

トロムソ(トロムス、トロムセーとも)のポイントは、市街地からさほど離れなくてもきれいなオーロラが見られることです。ノルウェーの北部にありながら、1月の平均気温は氷点下1.1℃と、緯度の割には暖かいのもイチオシのポイント。

また、トロムソには、世界最北の植物園である「北極高山植物園」や世界最北の大学であるトロムソ大学もあり、オーロラの出ない昼間にも見るべきスポットがたくさんあります。

北欧でオーロラ観賞におすすめのスポット6. 「レーヌ」(ノルウェー)

ノルウェー・レーヌ村

ノルウェーにあるロフォーテン諸島のレーヌ(「レイネ」とも表記)は、2月の平均最低気温が0度ほど。日によっては最低気温が0度を上回ることも珍しくありません。

レーヌが位置するのは北極圏(北緯66度33分より北)の北緯67度55分なので、オーロラベルト上に位置し、オーロラを見られる可能性は十分にあります。

◆「地球上で2番目に美しい村」の座に輝いたレーヌ

レーヌ村の昼の光景

レーヌはノルウェーの有名雑誌で「ノルウェーで最も美しい村」に認定され、イギリスの家具会社Faraway Furniture社の調査で、世界で2番目に美しい村の座に輝きました。
※1位はイタリアの「チンクエ・テッレ」、9位は日本の「白川郷」。

なかには「地球上でもっとも美しい村」という人もいるほど、レーヌには圧巻の絶景が広がります。

北欧でオーロラ観賞におすすめのスポット7. 「レイキャヴィーク」(アイスランド)

レイキャヴィーク市内でのオーロラ

レイキャヴィーク(レイキャビク)は、アイスランドの首都です。首都とはいえ、レイキャヴィークに住んでいるのは福島県いわき市や富山県富山市と同じくらいの12.3万人程度です。アイスランド全体でも和歌山県和歌山市や埼玉県越谷市と同じくらいの35万人程度なので、人口の1/3がレイキャヴィークに集中していることになります。

日本からレイキャヴィークに行くには1回以上の乗り継ぎが必要ですが、それでもおすすめしたいポイントが2つあります。

◆レイキャヴィークのおすすめポイントその1 街中でもオーロラが鑑賞できる!

レイキャヴィークのオーロラ

レイキャヴィークは、街中という利便性とオーロラを観賞することを両立させたい場合には第一候補といえます。都市の景観の中に浮かぶオーロラを見られるのもレイキャヴィークならでは。しかし、街の光が気になることもあります。そんなとき、もっと美しいオーロラを見たいのならツアーに参加することをおすすめします。

◆レイキャヴィークのおすすめポイントその2 ほかのスポットに比べて暖かい

レイキャヴィークも寒帯や亜寒帯ではなく温帯に属しています。そのため、真冬でも気温が0℃を上回ることが珍しくありません。それでも寒いことは事実ですが、レイキャヴィークの街中ならば、すぐに暖かい場所に避難できるのもポイントです。

北米でオーロラ観賞におすすめのスポット1. 「イエローナイフ」(カナダ)

カナダでオーロラというと真っ先に思い浮かべる方も多いイエローナイフ。こちらでは、冬はもちろん、8月下旬~9月にはすでにオーロラが見られる条件が整います。そのため、運が良ければ「夏オーロラ」を見ることができるかもしれません。

ちなみにカナダでは、オーロラのことを「ノーザンライツ(Northern Lights)」と呼びます。気になるアクセスも北米では1番お手軽で、日本から行く場合は、バンクーバー、カルガリー、トロントなどで1回乗り換えです。

北米でオーロラ観賞におすすめのスポット2. 「ホワイトホース」(カナダ)

ホワイトホースは、ユーコン準州の州都がある都市です。カナダ北部3準州(ユーコン、ノースウエスト、ヌナブト)では最も大きな都市ですが、人口は約25,000人程度。これは日本で例えると山梨県富士河口湖町とほぼ同じぐらいです。
それでも日本の1.3倍の面積があるユーコン準州の人口の約8割がホワイトホースに集中していることから、ユーコン準州がどれだけ人口希薄地帯であるかをお察しいただけることでしょう。

そのようなこともあり、ホワイトホース市街地からそれほど離れなくてもOKです。上記の動画は8月撮影ですが、十分すぎるほど立派なオーロラが見られます。また、オーロラ以外にもゴールドラッシュに沸いた町を散策したり、道路が未整備だった時代に活躍した蒸気船が展示されていたりと楽しみ方は様々あります。

北米でオーロラ観賞におすすめのスポット3. 「イヌヴィク」(カナダ)

カナダのイヌヴィク(Inuvik.イヌビク、イヌヴィックとも表記)と聞いて、その位置を当てられる人はほぼ皆無かもしれません。ここはマッケンジー川の下流に位置する、カナダでも限りなく最北の町です。

このイヌヴィクは、3日間滞在すればオーロラを見られる確率が9割5分以上といわれています。イエローナイフやホワイトホースから、さらに飛行機を乗り換えてイヌヴィク・マイク・ズブコ空港まで向かう必要がありますが、オーロラを見られない日の方が少ないというロケーションは魅力です。

ただ、人口は3000人程度なので、商店などはあまり充実していません。ホテルは「ノヴァ イン イヌヴィク」がおすすめ。skyticketでご予約いただけます。

◆イグルー教会もおすすめ!

Our Lady of Victory Church

オーロラ以外で、イグルー教会(Our Lady of Victory Church)も観光できます。火曜~金曜の17:00からと、日曜日の11:00からはミサが開かれます。あくまでも信仰の拠点であることを忘れずに見学しましょう。

北米でオーロラ観賞におすすめのスポット4. 「フェアバンクス」(アメリカ)

チナ温泉

米国アラスカ州のフェアバンクスもまた、オーロラ観賞の観光地としては定番といえるでしょう。フェアバンクスの「チナ温泉リゾート」にはなんと厳選かけ流しの温泉があるので、運が良ければ温泉露天風呂(水着着用)に入浴しながらオーロラを眺められるというラグジュアリーな体験も可能です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

◎太陽と地球が作った芸術をぜひこの目で観賞しよう

ここまでご覧になってオーロラを生で見たいとうずうずしている方も多いのではないのでしょうか?北欧でも北米でもきれいなオーロラが見られれば感動ものですよね!ぜひその光景を焼き付けてみてください。

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