美郷の厳選グルメ9選！～宮崎ローカルの豊かな食文化巡り～

東臼杵郡美郷町は宮崎県北部の自然豊かな山里。海岸沿いの延岡市から車で約55分、日向市から約40分の場所に位置する静かな町ですが、町内にはいくつものグルメスポットが点在しています。その美郷グルメは自然の豊かな恵みや、食を通じて美郷の魅力を発信する人々がいるからこそ。

食の内容は多彩で、本場韓国の味も入った石焼ビビンバから古民家カフェ、山里でまさかのピザ窯や自然派ベーカリー、美郷ならではの田舎料理など、ここでしか味わえない美郷グルメがあります。それでは、厳選した美郷グルメをご紹介しましょう！

1.「南郷温泉山霧レストラン」の石焼ビビンバ～熱々を本格コチュジャンで～

南郷温泉山霧レストランの石焼ビビンバは、あつあつの甘め風味が特徴の美郷グルメ。コチュジャンも器も本場韓国からの取り寄せ。通常サイズは結構なボリュームがあって、ハーフサイズの石焼ビビンバもあるほどです。

実はレストランがある美郷町の南郷区は、かつて朝鮮半島の百済王族が国を追われて移り住んだ地なのだそうです。当時の美郷に住んでいた人たちは、百済の王様に寛容だったのですね。だから今でも韓国との交流が盛んなのです。

そして気になるビビンバですが、具を石釜に張り付けるように混ぜれば、香ばしいお焦げの出来上がり。一緒に付いた卵スープを少しかけると、混ぜやすくなります。石焼ビビンバにはチキン南蛮ならぬ、こんにゃく南蛮がついていて、とてもヘルシー。ふんわりした食感をあっさり風味のタルタルソースでどうぞ。体にやさしい美郷グルメです。

2.「Cafe & goods Tali Kasih（タリカシ）」は珍しい雑貨そろう古民家カフェ

時代を数十年さかのぼったかのような、懐かしさを覚える2009年オープンの古民家カフェ。しかし、店内に入るとドライハーブや、アーティストによる1点物のハンドメイドアクセサリー、珍しい雑貨が所狭しと並び、温かい日本家屋の雰囲気に不思議と落ち着くカフェレストランです。

おすすめグルメはパスタランチセット。しかも、ここのパスタは生パスタ。かまどでゆで上げもっちもち。鍋のゆで上げとは一味違う食感と、小麦本来の甘みを味わえます。タリカシで味わえるのは安心のグルメ。主に自家栽培の旬の野菜や地元の食材で調理してくれます。だから、ランチセットがどんなメニューになるかは、その季節、その日のお楽しみ。

もちろん、メニューのリクエストもOK ！苦手な物、アレルギーにも配慮したメニューで作ってくれて、お店の気遣いが感じられるうれしいグルメですね。手作りグルメを堪能できるのもまた魅力。石窯ピザは生地もソースも自家製。石窯で焼き上げるパンは手ごねで、酵母も旬の果物やハーブから手作り。天然酵母だからこそ出せるさわやかな酸味が特徴です。同じく石窯で焼いた手ごねのもちもちベーグルもおすすめ。

手間暇をかけても、自分たちが本当に納得のいくものをお客さんに提供したい、そんなオーナーの思いがこもった手作りグルメです。ご利用の際は、事前予約をお忘れなく。カフェグルメといえばコーヒーですが、注文を受けてからお客さんのすぐ横でいれてくれる、なんとも嬉しい演出。香り高いコーヒーを飲みながら、時計のないゆったり落ち着く店内で、オーナーさんご夫婦との会話もはずみます。

お店は美郷町北郷区の県道20号線沿い。さりげなく小さな看板があり、地元の民家とさほど変わらぬ外観なので、見逃さないようにご注意を。グルメも雑貨も、田舎のゆったりした時の流れも味わえる、美郷の贅沢な古民家カフェです。

3.「OttO-OttO（オットー・オットー）」～山里で本格グルメピザを堪能～

生地の表面はカリッと、中はふっくらもっちもち。ほどよい焦げが香ばしい本格的なナポリピッツァを味わえます。美郷町内の国道327号線（奥日向路）を進むと、突如目に飛び込んでくる真っ赤な看板。そのピザカフェレストランがOttO-OttO。ナポリ直輸入の薪窯を使い、イタリアで修業したピザ職人が作るピザは美味しいと評判で、遠く宮崎県外から訪れる方もいるほど。宮崎県人ならずとも味わって欲しいシンプルなイタリアングルメです。

お店は古民家を改修した日本家屋。日本の屋根瓦に赤い看板とイタリアの国旗というのは奇抜な外観ですが、妙に調和したデザインなのが不思議です。店内は和式建築が生かされ、土壁や梁、木目調のテーブルなどしっとりした雰囲気。外にはのどかな美郷町の田畑や山並みが広がります。

美しい眺め付きというのが美郷グルメならではの魅力ですね。ピザ窯は赤いタイル張りで、ずんぐり丸みを帯びた形が愛嬌を感じさせます。お店の魅力はグルメピザにとどまらず、コーヒーやジェラートも美味しいと評判。ジェラートには、きんかんや平兵衛酢（へべす：日向市特産の酢みかんのこと）、ブルーベリーなどの地元の食材も使われ、コクの深みと新鮮な果物のフレーバーが楽しめるデザートグルメです。

4.「小黒木農家レストラン味さと」～美郷の田舎グルメは今も進化～

美郷町のお母さんたちが北郷区に2011年オープンした、田舎料理を味わえる古民家風のレストラン。お店では、地元の山の幸・川の幸をふんだんに使った和食料理は、リピーターも多く、安心して食べられる山里ならではの美郷グルメです。

メニューの四季のお膳は、地元の北郷米やお吸い物、旬菜のあえものや天ぷら、煮しめなど、四季折々の和食グルメを堪能できると好評。作り方なども改善しながら進化してきた田舎グルメをご賞味ください。実はこのレストラン、季節の食材で作っているので献立はよく変わるとのこと。

お客さんに新鮮な野菜で作った料理を味わっていただきたい、そんな気持ちも伝わるお客さん思いのグルメです。作り置きもしないことから、お母さんたちの心意気は本物ですね。通常はランチ時の昼食とランチ後には小昼食として、おやつを提供しており、金曜日と土曜日のみ予約制で夕食も提供しています。また、水曜日は定休日となっています。

お店は県道20号線から車で5分ほど外れた小黒木集落にあります。お店の建築は美郷町や日向市の宮大工さんたちの手によるもの。店内の梁や階段、柱のデザインには豪快さや繊細さが感じられ、スギ材や和風電灯の温もりある雰囲気に。テーブル席からの美郷の美しい風景に心落ち着きます。

5.「美郷ノ蔵ベーカリー」～米粉も使ったバラエティー豊かなベーカリーグルメ～

食感はもちもち、美郷町産の米粉を80%以上使った美郷ノ蔵の人気ベーカリーグルメです。ベーカリーは2012年に石峠レイクランド内にオープン。店内には約20～30種類の自家製パンが並び、なんと美郷町産の上質な栗、ゆず、キンカンなどを使ったオリジナルメニューがズラリ。そのベーカリーグルメをお店に隣接したパン工房で焼き上げてくれるから焼きたてが楽しみで、焼きたて待ちの人が出るほどのメニューも。

期間限定の栗のペストリーには美郷町の栗がふんだんに使われ、贅沢に特産品の甘さを堪能できる一品。国産の栗は一般に高級ですが、美郷では手軽に味わえてしまうお得なグルメですよ。もっちりブールは小麦粉と塩とイーストという実にシンプルな材料だけで焼き上げられ、小麦の優しい甘みを味わえます。

美郷産の米粉を使った食パンはもちもちで好評。焼きたてあつあつをほおばってください。良質なお米を使っていながら、お手頃価格で手に入ります。ふっくらした食感をお好みの時は、美郷産の小麦粉を使った美郷の食パンがおすすめ。また、レーズンをたっぷり使ったレーズン食パンも人気となっています。

6.「コパン copan」～自家焙煎コーヒーと体にやさしい天然酵母パン～

生地には卵・乳製品・マーガリン不使用。しかも、九州産の小麦100%を使って焼き上げているのが、2015年に石峠レイクランド内にオープンしたグルメベーカリーのコパン。お店の人気メニュー、メロンパンさえも卵・乳製品・マーガリンを使わず、九州産大豆の豆腐も原料にして作るという、こだわりが感じられるパン屋さんです。メロンパンは焼きたてから時間をおいて、しっとりした生地に仕上げるのだとか。

天然酵母というと、かたいハード系のパンを想像する方もいらっしゃるかもしれません。でも、コパンでは白神こだま酵母を使い、やわらかくふんわりした仕上がりに。先ほどご紹介したメロンパンや、豆乳クリームパン、無農薬小豆のあんぱん、山型食パンなども白神こだま酵母が使われていて、上品な甘み・香りのパンができあがります。

しかも、卵・乳製品は不使用なのでヘルシー。健康的なベーカリーグルメです。ただし、一部チーズやチョコレートなどで卵・乳製品を使用している商品もあるので購入の際は要チェックです。かためのパンが好きな方にもおすすめで、オーガニックのドライフルーツがふんだんに入ったフリュイやクルミが香ばしいノアレザンなど、フルーツやナッツの甘さ、酸味、かみごたえも満足のグルメなパンが揃ってます。

コーヒーはグアテマラ産の有機栽培された生豆を使用し、美郷特産の宇納間（うなま）備長炭で自家焙煎。香り高いコーヒーに心も落ち着きます。高級備長炭の遠赤外線で生まれた深いコクを、自然派ベーカリーグルメと共にお楽しみください。

7.「喫茶珈慕（かーぼ）」～美郷の人々に親しまれるカツカレー～

牛肉と野菜をじっくりと煮込み、程よい辛さに仕上げられたカレーはおすすめの美郷グルメ。カレーに根強いファンもいる美郷町の北郷にある喫茶店が珈慕です。美郷の山里にあっても旨い洋食グルメが食べられるのは、和食にない刺激的な美味しさがあって、やっぱりありがたいですね。

人気メニューはカツカレー。ライスを覆うようにのったカツのボリュームがまた嬉しいポイント。肉と野菜のエキスがたっぷり溶け込んだルーは飽きのこないコクがあり、玉ねぎの甘みがじんわり効いたやさしい味付けです。カツのジューシーな食感にますます食欲も湧いてくる美郷グルメです。

ランチの時間ともなれば地元美郷の方でにぎわう店内は、壁やテーブル、椅子も白色系に統一されていて、明るい雰囲気に。窓の外には美郷の美景が望めて、初めての方にとっても居心地の良い雰囲気です。

カツカレーの他にも、ボリューム満点の宮崎の郷土料理、チキン南蛮定食もおすすめ。南蛮酢の酸味は少ない方なので、甘だれとタルタルソースのコクが鶏肉の旨さを引き立てる美郷のグルメです。

8.「レストラン湖畔」～老若男女問わず楽しめる温泉施設のレストラン～

味付けもしっかり、ボリュームも満点。西郷温泉「美々川」を備えた石峠レイクランド内にあるレストラン湖畔は、ダム湖と美郷の山々を展望できる眺めのすばらしい場所にあります。人気メニューは宮崎名物のチキン南蛮定食で、レディースサイズでもそれなりのボリュームが。しかし、通常サイズともなると300円違うだけあって、食べごたえ十分の美郷グルメです。

カツ丼は懐かしいおふくろの味風。温泉施設のレストランとは思えない多様なメニューでえび南蛮定食やカツカレー、チキン南蛮カレーやお子様ランチまで、幅広い年代の方向けの美郷グルメが揃っています。ヘルシーグルメも味わえて、少し軽めのうどん・そば、椎茸ステーキと豆腐南蛮もおすすめですよ。

店内は白壁、そして木の温もりある茶色を基調とした明るい雰囲気。天井が高く開放的です。席は窓際がおすすめ。食後は外にひろがる美郷の自然美を眺めながら、のんびりできるグルメスポットです。

9.「村の果菓子屋」～旬のスイーツグルメ栗きんとん～

さりげない甘さと栗本来の深い味わいにリピーターも増加中なのが、栗のスイーツグルメで有名な村の果菓子屋の栗きんとんです。美郷の栗が上質なのは、気候の寒暖差もあってのこと。春・秋には雲海が発生するほどなんです。それゆえ、栗あんの色づきがよくなり、香り・味ともに深みを増して美味に。

その美郷町の栗を100%使ったのが、村の果菓子屋の栗きんとん。見た目は羊かんに似ていますが、食べると栗そのもの。水分量も絶妙で食感はパラパラせず、ネットリしすぎず、美郷町名産の上質な栗を丸ごと堪能できる、評判の栗グルメです。

甘さが控えめながら、栗の味わい深さにぺろりといってしまいます。ついついもう一口と食欲をそそる美味しさは、老若男女幅広い方におすすめ。ただし、栗の加工量にも限りがあるので、9月の販売開始から売り切れ次第終了の限定品。ぜひ秋の美郷の栗グルメをご賞味ください。お店は美郷町西郷区のAコープさいごう店のすぐ近く。車道からはお店が見えにくいので、見過ごさないようご注意ください。

◎まとめ～多様なグルメ文化息づく美郷町～

美郷町は多様なグルメ文化が育ちつつある地。その文化を支えるのは、豊かな自然と人々の温かさに惹かれてやってきた人たちや、地元を元気にしたいと食をテーマに活動する人たちです。そのグルメスピリットに触れに、美郷町を訪れてみてくださいね！

美郷の厳選グルメ9選！～宮崎ローカルの豊かな食文化巡り～